AIが神になる日は近い! 驚愕・最新AIテクノロジー AIは人類を超えた
世界のAIに対する投資は毎年増えている。2019年の全世界のAI投資は、358億ドル(3.9兆円)まで、膨らんだという。なんと、2023年には、980億ドルまでさらに急成長するという。(米IDCレポートより:https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ45525419)
そして、どんどん人間の能力をAIが超え始めてきている。そんなAIの最新の驚くべき成長をご紹介したい。
目次
ついに文章読解力は偏差値50を超えた!Googleが発表した自然言語解説ツール「BERT」の衝撃。
BERTとは、2018年にGoogleが開発した自然言語解析のための機械学習の手法です。「Bidirectional Encoder Representations from Transformers(Transformerによる双方向のエンコード表現)」というもの略がBERT。すでに、検索サイトとしてのGoogleの検索もBERT対応に、日本語も含めて切り替わってきているというものです。
Google先生が作って、公開して、自分自身のサービスでも使い始めているものだから、それは、きっと、すごいに違いないのですが、何がすごいかをご説明したい。
そのすごさを一言でいうと、ちゃんと文脈で理解できることです。
もし、ネットで、ラーメン屋を探すとしましょう。
「ラーメン」
とだけ入力するとしたら、結果が膨大だし、全国に広がってしまいます。
「ラーメン 五反田 豚骨」
という感じに行きたいエリアや、食べたいタイプを単語で入れて検索する方が多いのではないでしょうか。
でも、BERTなら、
「五反田で、豚骨じゃないラーメンを食べたい」
みたいな検索の仕方でもOKなのです。
いままでの検索なら、
「五反田で、豚骨じゃないラーメンを食べたい」=「五反田 豚骨 ラーメン」
と検索したのと同じ結果が出てきました。「じゃない」を正しく理解できないからです。
この背景には、検索の多様化、音声化があると言われています。すでに、Googleへの検索の半数近くが、「音声」のなってきていると言われています。スマートフォンで外出中で、などは、音声で検索する人も実際多いですよね。
しかし、Googles先生のスゴイところが、この検索の秘伝の術を公開しちゃっていることですよね。公開して、みんなに使ってもらって、どんどん良くする。そして、その技術を支配する。本当にすばらしいです。
日本でも続々と、BERTを使ったサービスを発表
新サービス「ABEJA Insight for Contact Center」をリリース
https://abejainc.com/ja/news/article/20190513-2476
従来、コンタクトセンターで用いられてきた自然言語(話し言葉や書き言葉)の処理モデルでは、画一的な対応しかできず、口語ならではの文法の「揺らぎ」にはピント外れな回答をしてしまうこともありました。近年ブレークスルーをもたらした「BERT(※)」というモデルをコンタクトセンターに利用することで、膨大な文書から複雑な言語表現の学習が可能になり、違和感のほとんどないやりとりが実現できると考えられます。
「活文 知的情報マイニング」のAIエンジンを「BERT」で強化し、高精度のテキスト分類を実現
https://www.hitachi-solutions.co.jp/company/press/news/2019/1125.html
株式会社日立ソリューションズ(本社:東京都品川区、取締役社長:星野 達朗/以下、日立ソリューションズ)は、Google社が公開している「BERT」でAIエンジンを強化した「活文 知的情報マイニング」の最新版を12月2日から販売開始します
社内文書をBERT使用の技術でテキスト解析、欲しい資料を1枚単位でレコメンドするサービス発表
https://ledge.ai/asales-slide-finder/
自然言語処理技術を用いて、企業のDXをサポートするストックマーク株式会社は、チームで共有されている提案書や企画書などの膨大な資料(パワーポイント、ワードなど)の中から、必要なページを1枚単位でレコメンドする機能「Asales Slide Finder」を1月20日リリースした。
自然言語処理(NLP)のアルゴリズムは躍進真最中 XLNet、GPT-2、ERNIE、ALBERT・・・
NLP(natural language processing)こと、自然言語処理。これは、AIの要の一つでもあります。音声ベースになっても、一度、音声をテキスト化するわけで、ここが基礎になるわけですね。BERT以外にもどんどん出てきています。BERTの改良版である、XLNet。中国語に特化した、ERNIE。BERTの軽量版の、ALBERTなどなど。その中でも、面白いのが、GPT!
(しかし、日本からいいモデルはまったく発表されませんね・・・)
自然文をAIで量産してしまえる!!GP-2はまさにフェイクニュースマシーン!!
イーロン・マスクなどが設立した、AIを研究する非営利団体「OpenAI(https://www.openai.com/)」がすごいものを発表しました。それは、GPT-2。これを使うと、こんな文章がうまれます。
テスラの新車発表、丈夫な「窓」がまさかの事態に – TBS News
ニュージャージーの午前10時30分頃、テスラモデルSの電気自動車がニューブランズウィックの電柱に激突しました。これは人為的ミスによるクラッシュではありませんでした。彼は道路に目を向けていませんでした。そして彼がいたとき、彼はポールに寄りかかっている女性に気を取られました。彼はまた、トラックの車輪が滑ったときにブレーキをかけました。これは致命的だったかもしれません。しかし、彼と女性は生き残りました、そして、彼らはテスラを訴えるつもりです。
(引用元:Airi News(https://airi.jp.cyfik.com/))
なんと、このAiri Newsは、このGPT-2を使って作成された「フェイクニュース」メディアなのです!
このサイトの作り方は、https://qiita.com/seiyatakahashi/items/db9c6246dd636216cc2aにも公開されています。こんなことができちゃうスゴイ技術なのです、GPT-2は。
当然、フェイクニュース作成のために作られた技術ではありません。あまねく、言語処理系技術に用いられる可能性があります。
・チャットボット
・文章作成支援
・翻訳作業支援
・長文の要約
などなど。
ほんと技術の進化って、素晴らしいですね。
囲碁の世界を一変させた!AlphaGOは人類を超えた!!
2016年3月。ついに人類はAIに屈する日が来た。永遠に人間がコンピューターに負ける日が来ないと思われていた囲碁。AIが、ついに、世界選手権優勝経験を持つ韓国のプロ棋士であるイ・セドルに完勝。鑑賞したのが、AlphaGOだ。
このAlphaGOは、Googleの子会社である、DeepMindが開発したものだ。(DeepMindのAlphaGOプロジェクトサイトはこちらhttps://deepmind.com/research/case-studies/alphago-the-story-so-far)
このプロジェクトは、新バージョンがいくつか発表され、最新は「AlphaZero」。囲碁だけでなく、チェスなどでも圧倒的な強さを示しているという。
これによって、変わったことがある。いままでは、プロの世界でレベルを維持するには、強い棋士の仲間とひたすら練習する必要があった。でも、対人間でなく、対コンピューター囲碁で練習するほうが強くなるという現象が出始めたのだ。AlphaGOに負けたイ・セドルもその後、対人間では、さらに強くなったと言われている。2018年には、世界戦で優勝。AIは確かに、人類に勝った。でも、人類の囲碁も進化させたのだ。
AlphaGOの開発費って、60億円!!!???
AIは新しいモデルをゼロから構築するのと、構築されたAIを使うのではまったく意味が異なります。新しい機械を作るのはとても大変ですが、新しい機械を使うのは容易ではないかもしれないですが、作るよりは簡単なことが多いです。自動車は、一般人で、作れる人はほぼいないと思いますが、運転できることは、かなり普通です。
費用もまた、同じです。AIを作るのは、膨大なコストがかかることも多いですが、AIを動かすのには、普通なPCだけでできるケースも多いです。
AIに詳しい人に言わせれば、AlphaGOとまったく同じものを作れと言われたら、作り方はわかるけど、費用は膨大にかかると言います。AIを学習するのに、膨大なマシンパワーを使うことが、その費用の大半です。もし、AlphaGOを作るのに必要なマシンパワーを、Google Cloud Platform(GCP)を使ったらどうなるかを試算している人がいました。
なんと、60億円にもなります。
年間600億円もぶっこんでAIを作りまくるDeepMind
AlphaGOを開発しているのが、Googleの子会社で、DeepMind
2014年にGoogleに買収された英国のAI企業。当時の買収金額も桁外れで、674億円。このDeepMindのスゴイところがまったく儲ける気配のないこと。なんと、年間600億円も赤字をたれながしているのです。その巨額の赤字と、Googleのパワーを使って、何を作っているかというと、当然、AlphaGOだけにとどまらない。眼底写真からの脳疾患や心疾患の推定のようなことや、AlphaFoldのような、生命の構造解析のようなこともしている。まったく、囲碁だけやっているような会社ではないのです、もの凄い会社なのです。
人類の神秘を科学の力で解明か?「AlphaFold」は、タンパク質の形状をアミノ酸配列から予測する
元ネタはこちらです。
https://deepmind.com/blog/article/AlphaFold-Using-AI-for-scientific-discovery
英語だし、難しいし、専門用語だらけだし、とても理解できません!
この「AlphaFold」を解説している日本語の記事を読むと、パーキンソン病とかアルツハイマー病とかの難病に対して有効な新薬発見のために、とても重要なAI技術になるとのことです。
これが、年間数百億円突っ込んでやるべき仕事ですよね、素晴らしい。こういう人類の進化のために、リソースを使うのは正しい!
【おまけコラム】日本型クソAIはIT負債でしかない!!いますぐ止めろOCRにRPA
しかし、しかし、日本からはダイナミックな研究開発がでてこないっすねー、ほんと。日本のAIシーンで良く聞くのが、AI-OCRにRPA。なんで、こんなのが流行っているかというと、こういうこと。
・そもそも人間と紙でやっていた業務の根幹を見直さずにAIを使おうとするから
です。
基幹システムもオリジナルのレガシーなものばかり、そこに、紙しかない帳票、下手すれば手書きの資料が出てくる。さらに基幹システムから出したデータを、ローカルのPCのExcelで加工して、また、基幹システムに戻すみたいな業務フローが残っているからこんなのが必要になるわけです。
この流れで最強にして最高にクソがこれ。
帳票にハンコを押すロボット。
もう、絶句です。
GANでガンガン画像生成 敵対的生成ネットワークはもの凄い!
なんとこの映像は、AIが作成した実在しないアイドルなのです。いやぁ、良くできていますよね。これを作成するのに用いられた手法が「GAN(Generative adversarial networks)」。日本語でいうところの、敵対的生成ネットワークなのです。
AIの弱点って、膨大なデータがいることでもあるのです。このデータを「教師データ」といいます。それを人力で全部チェックして、この画像はどうだ、ああだと、ラベル付けしたりマーク付けたりして、AIの学習に回すわけです。ほんと面倒。そこで、表われたのが、教師なしでも学習できるモデルを作るアルゴリズム。その一つがこれ、GANなのです。
GANは、敵対的生成ネットワークの名の通り、敵対する2つのAIが、画像を生成する側と識別する側に周り、お互いで戦いあって、学習していくモデルなのです。
もう無理。おれAIに騙されます。GANで生成された驚愕映像集
シマウマが馬に変換!
パンツルックからスカートへ自動でお着換え
https://arxiv.org/pdf/1812.10889.pdf
本人そっくりな映像を生成!
イラストをAIで自動着色
これを見ると、もう何も信じられない!もはや真実など主観的なものでしかないと思えるくらいだ。
YOLOでよろしく!!物体認識もここまでリアルタイム!
AIといえば、画像系もお得意な分野。この世界もどんどん進化しています。
こちらも映像は、YOLOと呼ばれる物体検出技術を用いたデモ映像です。
もう、これはこの映像を見ていただけたら、説明不要ですよね。
認識したい対象物に、箱(バウンディングボックスといいます)が生成され、そこに犬、とか猫とかいうラベルが付与されます。
まさに人間の目をAIに置き換えるための技術です。
このような技術を使うと、
・自動運転
・ロボットによるパーツなどのピックアップ
・無人レジ
みたいなことが実現できます。
【まとめ】AIの進化は止まらない。加速するだけだ!
AIの最新動向をウオッチしていると間違いなく、こう言えます。AIの進化は止まらず、加速するだけである。これは日本では真に有効活用した企業が登場していないから、感じにくいのかもしれない。数年すれば、もう、答えはでていることでしょう。投資した会社とそうでない会社の収益格差が歴然と生まれていることでしょう。
アクセンチュアもこんなレポートを出しています。
https://www.accenture.com/jp-ja/insights/future-systems/future-ready-enterprise-systems
この図を見る限り、先行企業と出遅れ企業の収益成長率のギャップは今後さらに広がると予想されます。図では、先行企業と出遅れ企業の予想成長率(自己申告)を、それぞれ紫と青の線で表しています。ドル値は、ある企業の2015年の収益を100億ドルと仮定した場合の機会費用を表しています。
やはり、先行するのは、GAFA。そして、一部の中国企業。その中の1社であるGoogleの親会社であるAlphabetのCEOであるサンダー・ピチャイは、こう言っています。
「AI規制が必要なことは、わたしのこころのなかではまったく疑問の余地がない」
もう、規制なしに、ルールなしに、進んで良いフェーズが終わったということでしょう。
AI技術を兵器に転用などはもはやすぐにでもできる水準ではないかと思います。人類の進化のための新しい技術をどう使うかは、また、人類の決めることでもある。この意思決定こそが、AIが人を支配できない決定的な違いでもある。
20週で240本動画アップ。チャンネル登録400名となりました。IT起業家対談番組「フーテンのグラさん」