ボイスチェンジャーと効果音作成ツールの選び方|無料で使える範囲と商用利用の条件を公式情報で比較

ボイスチェンジャーは「通話や配信でリアルタイムに声を変える」ならVoicemod、「録音した声を別の声に置き換える」ならElevenLabsのVoice Changer、「録音の高さを変えるだけ」なら無料のAudacityが選びやすい道具です。効果音は、AIで作るElevenLabsのSound Effects、8bit風の音を作るjsfxr、素材を探すなら効果音ラボがあります。ただし無料プランで商用利用できるかはツールごとに違います。

この記事では、目的別に使えるツールを公式サイトの情報(2026年10月16日確認)で整理し、最後にPythonで効果音を作る・声の高さを変える簡単なコードも紹介します。読み上げ音声(テキスト読み上げ)のツールは音声生成AIのおすすめ11選で詳しく比較しているので、ここでは「声を変える」「効果音を作る」に絞ります。

目的別の早見表

やりたいことツール無料で使える範囲商用利用
通話・ゲーム・配信で声をリアルタイムに変えるVoicemod(Windows・macOS)無料版あり(使える声は入れ替わり制)規約を確認
録音した声を別の声に置き換えるElevenLabs Voice Changer無料プランは月10,000クレジット。Voice Changer は1分あたり約1,000クレジット有料プランのみ
録音の声を高く・低くするAudacity(Change Pitch)すべて無料ソフト自体は無料で使える
文章から効果音をAIで作るElevenLabs Sound Effects無料プランのクレジット内。1回の生成あたり約200クレジット有料プランのみ
ゲーム用の8bit風効果音を作るjsfxr無料版で生成・WAV書き出し可無料版でも制限なし
既成の効果音素材を使う効果音ラボ無料無料・クレジット表記不要(再配布は禁止)

出典は各節に記載しています。料金やクレジットは変わることがあるので、使う前に公式サイトで確認してください。

ボイスチェンジャー

Voicemod:配信・通話でリアルタイムに声を変える

Voicemod は、マイクの声をリアルタイムで変換して、ゲームのボイスチャット、Discord、配信ソフトなどに流せるボイスチェンジャーです。公式サイトによると、無料版では入れ替わり制の声(ボイス)、マイク音質を整えるエフェクト、サウンドボードが使え、有料の Voicemod Pro にするとすべての声やカスタマイズが使えるようになります(Voicemod Voice Changer、2026年10月16日確認)。

利用規約では、対象製品として Windows と macOS のデスクトップアプリが挙げられ、利用者は16歳以上であることが条件になっています。また、法令や規約に従って使うこと、第三者に損害を与えた場合は利用者が責任を負うことが定められています(Voicemod Terms of Use、2026年10月16日確認)。Pro の料金は公式ページの静的な表示から確認できなかったため、この記事では書いていません。

ElevenLabs Voice Changer:録音した声を別の声に置き換える

ElevenLabs の Voice Changer は、録音またはアップロードした音声を、抑揚や感情を保ったまま別の声に変換する機能です。公式ページでは、ささやき・笑い・なまりといった細かな表現も残せること、ライブラリの声から選べることを説明しています(ElevenLabs AI Voice Changer、2026年10月16日確認)。リアルタイムの通話向けではなく、ナレーションや動画の音声を作るための道具です。

料金ページによると、無料プランは月10,000クレジットで、Voice Changer は1分あたり約1,000クレジットを使います。計算上、無料プランで変換できるのは月10分程度です。商用ライセンスは月6ドルの Starter プランから付きます(ElevenLabs Pricing、2026年10月16日確認。Starter の初月割引の表示もありましたが、期間限定のため省きます)。

Audacity:録音の声の高さだけを変える(無料)

「AIで別人の声にするほどではなく、声を少し高く・低くしたい」なら、無料の音声編集ソフト Audacity で足ります。公式サイトは Audacity を、これまでもこれからも誰でも無料で使えるオープンソースの録音・編集ソフトと説明しています(Audacity、2026年10月16日確認)。

声の高さを変えるには、範囲を選んでメニューの Effect > Pitch and Tempo > Change Pitch(日本語表示では同じ場所の「ピッチの変更」)を使います。このエフェクトは長さ(テンポ)を変えずに高さだけを変えます。高さと速さを一緒に変えたい場合は Change Speed and Pitch を使います(Audacity Manual: Change Pitch)。大きく変えるほど不自然な音になりやすいので、少しずつ試すのがコツです。

効果音の作成ツール

ElevenLabs Sound Effects:文章から効果音を作る

ElevenLabs の Sound Effects は、「木のドアがきしみながら開く音」のように文章で説明すると、それに合う効果音を生成する機能です。公式ページでは、1回の生成で4つの候補が作られることや、ループ再生に向いた音を作る機能があることを紹介しています。料金ページの説明では、Sound Effects は1回の生成あたり約200クレジットです(ElevenLabs Sound Effects、ElevenLabs Pricing、2026年10月16日確認)。

注意したいのは商用利用の条件です。Sound Effects の公式ページのよくある質問には、有料アカウントであればYouTube動画や広告などの商用プロジェクトで使えること、無料ユーザーは非商用の目的に限られることが書かれています。収益化しているYouTubeチャンネルで使うなら、有料プランが前提です。

jsfxr:ゲーム向けの8bit効果音を作る

jsfxr は、ブラウザで8bit風の効果音(コイン取得、ジャンプ、爆発、レーザーなど)を作れるツールです。公式ページの比較表では、無料版でも効果音の生成とWAVファイルの書き出しができ、商用利用にも制限がないと案内されています。有料の Pro 版は数値での細かい調整などが加わります(jsfxr、2026年10月16日確認)。ゲーム制作の練習で効果音が必要になったとき、まず試しやすい道具です。

効果音ラボ:既成の効果音素材を使う

作るより探したほうが早い場合は、効果音の素材サイトを使います。効果音ラボの利用規約では、個人・法人を問わず無料で使えて商用利用も可能、クレジット表記やリンクは不要(任意)とされています。一方で、再配布、改変したものの再配布、効果音ファイルへの直リンク、AIの学習データとしての利用、効果音を使った音楽のYouTubeでのContent ID登録などは禁止されています(効果音ラボ 利用規約、2026年10月16日確認)。効果音を紹介する動画も再配布に当たるとして禁止しているので、使う前に規約全体を読んでおきましょう。

以前この記事で紹介していたツールの現状

ツール2026年10月16日に公式サイトで確認した内容
VOICEVOX無料のテキスト読み上げ・歌声合成ソフト。商用・非商用を問わず無料(各キャラクターの利用規約に従う)。Windows・Mac・Linux対応(VOICEVOX公式)。声を変える道具ではなく、文章を読み上げる道具です。使い方はVOICEVOXの使い方で解説しています
Suno文章から楽曲を作る音楽生成AIで、効果音専用の道具ではありません。無料プランは「商用利用の権利なし」と表示され、商用利用の権利は月8ドルの Pro プランから(Suno Pricing)
CoeFont公式サイトのトップページは、企業向けのリアルタイムAI通訳「CoeFont Interpreter」の案内になっています。テキスト読み上げのメニューも残っています(CoeFont)

Pythonで効果音を作る・声の高さを変える

簡単な効果音なら、Pythonの標準ライブラリだけで作れます。音は「1秒間に何万回も並べた数値」なので、サイン波の数値を計算してWAVファイルに書き出せば鳴らせます。

上がる音・下がる音を作る

import math
import struct
import wave

RATE = 44100  # 1秒あたりのサンプル数

def tone(freq_start, freq_end, sec, volume=0.5):
    """周波数を freq_start から freq_end へ動かしながら鳴らす"""
    n = int(RATE * sec)
    samples = []
    phase = 0.0
    for i in range(n):
        t = i / n
        freq = freq_start + (freq_end - freq_start) * t
        phase += 2 * math.pi * freq / RATE
        fade = 1 - t                      # だんだん小さくする
        samples.append(volume * fade * math.sin(phase))
    return samples

def save(path, samples):
    with wave.open(path, "wb") as w:
        w.setnchannels(1)       # モノラル
        w.setsampwidth(2)       # 16bit
        w.setframerate(RATE)
        w.writeframes(b"".join(struct.pack("<h", int(s * 32767)) for s in samples))

save("coin.wav", tone(988, 1319, 0.08) + tone(1319, 1319, 0.25))  # 上がる「ピロン」
save("down.wav", tone(880, 220, 0.5))                             # 下がる「ヒュー」

for name in ("coin.wav", "down.wav"):
    with wave.open(name) as w:
        print(name, w.getframerate(), "Hz", round(w.getnframes() / w.getframerate(), 2), "秒")
coin.wav 44100 Hz 0.33 秒
down.wav 44100 Hz 0.5 秒

周波数を上げていくと明るい「当たり」の音に、下げていくと「失敗」や「落下」の音になります。jsfxr のようなツールも、基本的にはこうした周波数・音量・波形の組み合わせを調整しています。

声の高さを変える(いちばん単純な方法)

録音した音声の高さを変えるいちばん単純な方法は、サンプルを間引いたり重ねたりして、速く・遅く再生したのと同じ状態にすることです。

import array
import wave

def change_pitch(src, dst, ratio):
    """ratio > 1 で高い声(速くなる)、ratio < 1 で低い声(遅くなる)"""
    with wave.open(src) as w:
        params = w.getparams()
        data = array.array("h", w.readframes(w.getnframes()))
    out = array.array("h")
    pos = 0.0
    while pos < len(data) - 1:
        out.append(data[int(pos)])
        pos += ratio
    with wave.open(dst, "wb") as w:
        w.setparams(params)
        w.writeframes(out.tobytes())
    return len(data), len(out)

print(change_pitch("down.wav", "down_high.wav", 1.5))
print(change_pitch("down.wav", "down_low.wav", 0.75))
(22050, 14700)
(22050, 29399)

1.5倍にすると22,050サンプルが14,700サンプルに減り(長さが3分の2)、0.75倍にすると29,399サンプルに増えます。この方法では、高くすると速く、低くすると遅くなります。テープの早回しと同じ効果です。Audacity の Change Pitch のように長さを保ったまま高さだけを変えるには、音を細かく区切って重ね直すなど、もっと複雑な処理が必要になります。どちらも Python 3.12.15 で実行した結果です(2026年10月16日)。ブラウザで鳴らす効果音なら、JavaScriptでビープ音を鳴らす方法も参考になります。

ツールを選ぶときのチェックポイント

  • リアルタイムか、録音の加工か:通話や配信で使うなら Voicemod のようなリアルタイム型、動画のナレーションなら録音を変換する型
  • 商用利用の条件:収益化した動画や仕事で使うなら、無料プランで商用利用できるか(ElevenLabs は有料プランのみ)を確認する
  • 素材の再配布ルール:素材サイトの効果音は、作品に組み込んで使うのはよくても、効果音そのものの再配布や紹介動画は禁止されていることがある
  • 対応OS:Voicemod は Windows・macOS、Audacity と VOICEVOX は Windows・Mac・Linux など、使うパソコンに対応しているか
  • 他人の声の扱い:実在の人物の声に似せた音声を本人の許可なく公開すると、トラブルの原因になる。各サービスの規約も確認する

声や音を扱うプログラムに興味が出てきたら、音声認識と音声合成を組み合わせた音声AIエージェントの作り方も読んでみてください。

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同じテーマの記事をまとめています。あわせて読むと理解が早くなります。

よくある質問

Q. 無料で使えるボイスチェンジャーはありますか?

あります。通話や配信でリアルタイムに使うならVoicemodの無料版(使える声は入れ替わり制)、録音した声の高さを変えるだけなら無料の音声編集ソフトAudacityのChange Pitch(ピッチの変更)が使えます。ElevenLabsのVoice Changerも無料プランのクレジット内で試せますが、商用利用は有料プランが必要です。

Q. AIで作った効果音をYouTubeで使えますか?

ツールの規約によります。ElevenLabsのSound Effectsは、有料アカウントならYouTube動画などの商用プロジェクトで使えると公式に案内されていますが、無料ユーザーは非商用の目的に限られます。収益化しているチャンネルなら有料プランが前提です。

Q. 効果音ラボの効果音は商用利用できますか?

利用規約では、個人・法人を問わず無料で商用利用でき、クレジット表記も不要とされています。ただし、効果音の再配布、改変したものの再配布、直リンク、AIの学習データとしての利用、効果音を紹介する動画の作成などは禁止されています。

Q. VOICEVOXはボイスチェンジャーですか?

いいえ。VOICEVOXは文章を入力するとキャラクターの声で読み上げるテキスト読み上げソフトで、自分の声を変換する機能ではありません。商用・非商用を問わず無料で使えますが、各キャラクターの利用規約に従う必要があります。

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