【第三次ロボットブーム】死神が微笑むロボットベンチャー【終焉か?継続か?】
目次
- 1 【出るの出るの?】もうすぐ発売、GROOVE XのLOVOT【ほんとに出るの?】
- 2 【中華ロボ】ロボット界随一のユニコーン企業!?UBTECH【日本参入するの?】
- 3 【山海教授】日本を代表するロボットベンチャー、サイバーダイン【累積赤字36億円超】
- 4 【らららむじんくん】ロボットベンチャー期待の星、MUJIN【75億円も調達】
- 5 【上場延期の傷跡は】乗り遅れたとは言わせない、ZMP【もう癒えました?】
- 6 【平均年齢30歳】若手のホープ?コネクテッドロボティクス【8.5億円と調達】
- 7 【内部闘争?】H.I.S.グループからのスピンアウト、QBIT Robotics【ブラックコーヒーで勝負】
- 8 【反省会】またもや時間足りません。
【悲報】AIベンチャーに死神が微笑む!PoCから抜け出せない企業はお前だ!!【実名リスト付き】
ども。死神四郎です。死神一族のハイテクセクター担当として、前回はAI分野のレポートをお届けしました。今回は予告通り、ロボット分野のレポートをお届けしようという所存でございます。なに?死神さんが、どんな顔かを見たいって?はい、こんなお顔でございます。
なんてね。これは、12年も前の作られお酢のタマノイのお酢ロボットと呼ばれるものですね。そうなんよ、ロボットって、ずっと、ブームブームって言われて、一向にビジネスが進まない。金の匂いのしない分野なのよね。
まずはおなじみのガートナー社のハイプサイクルを見ていただきますが、「スマート・ロボット」がちょうど「過度な期待」のピーク期に差し掛かったところですね。この1年で350億円が消えた分野でもありますので、これから死神稼業も忙しくなるかなと、鎌を研ぐ手にも力が入ります。
【出るの出るの?】もうすぐ発売、GROOVE XのLOVOT【ほんとに出るの?】
ご存知Pepperの父・林要氏が起業したGROOVE Xは、「100億円使い切るまで1円も売り上げない」と宣言する(https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1906/12/news031.html)などアグレッシブな経営方針。現在約80名の社員を抱えているが、人材採用にもまだまだ積極的な模様。そんなGROOVE Xが手がけるLOVOTは約4年の開発を経てついに2019年10月から出荷開始。それだけの投資を「役に立たない」ロボットで果たして回収できるのかしらと思ったら、デジタルハリウッド大学、森友会の理事長、ベネッセスタイルケア、ファミリア、LITALICO、高島屋、メルセデス・ベンツ日本らが参画する「EdTech プロジェクト」を発表したり、中部電力と見守り領域におけるサービス開発に向けた業務提携を発表したりと「役に立つ」BtoBtoC領域での活用に熱心なご様子。出資者だけでなく、ロボット業界の期待を背負っているので、のびのび健全に育って欲しいと願っているけど、色々なしがらみに縛られ始めたら、死神の鎌でその鎖ごとぶった切るので、安心して思う存分やっちゃって!
【中華ロボ】ロボット界随一のユニコーン企業!?UBTECH【日本参入するの?】
ソフトバンクグループの孫正義社長が「日本にはAIのユニコーン企業がない」と発言(https://newswitch.jp/p/18490)したりしていますが、ロボット企業ではどうなのかと。残念ながら、こちらも日本ではまだなさそうですね。でも世界に目を向けると、ありました。中国は深センに。それがUBTECH。2012年に創業した同社は、Tencentがリードするシリーズ Cラウンドで8億2,000万米ドルを調達し、評価額が50億米ドルに達しました。大きく分けて、教育向けロボット、等身大サイズのヒューマノイドロボット、ホビーロボットの3つのラインナップでグローバルに展開中。ホビーロボットではスター・ウォーズのストームトルーパー(ディズニー)やアイアンマン(マーベル)といった米国コンテンツとのコラボに積極的。日本参入の噂も聞こえる中、米中貿易戦争の影響がどう出るか、死神にもわかりません。
【山海教授】日本を代表するロボットベンチャー、サイバーダイン【累積赤字36億円超】
日本で数少ない上場済みロボットベンチャー企業。医療・介護・福祉向けにロボットスーツ「HAL」を開発しています。しかし、ビジネス的にはなかなか厳しいようで、2014年3月の上場以来黒字決算は一度もなく、上場からの5期で積み上げた赤字額は36億円を超えています。とはいえ、医療・介護・福祉は日本にとって重要なテーマ。福島県での開発・生産センター設立に約8億円の補助金が交付された(https://www.cyberdyne.jp/company/PressReleases_detail.html?id=1373)他、有価証券報告書を読み解く限り、上場以来20億円を超える助成金が交付されているようですが、日本の将来のためにがんばってもらいたいですね。そんなサイバーダインですが、清掃ロボットを開発したり、ロボット複合施設建造計画がうまくいっていないようだったり(http://outsiders-report.com/archives/1322)、色々手を拡げすぎちゃうと死神の出番が近づくよ!
【らららむじんくん】ロボットベンチャー期待の星、MUJIN【75億円も調達】
産業用ロボット向けのコントローラーを提供するMUJINは、第7回 ロボット大賞の経済産業大臣賞をはじめ、数多くの賞を受賞し、ユニコーン企業の有力候補としても挙げられる期待のロボットベンチャー。近々上場するのでは?なんて噂もありましたが、2019年4月には創業者によるMBO(マネジメントバイアウト)と同時に、三井住友銀行からの借り入れによる75億円の資金調達が発表されました(https://www.mujin.co.jp/news/457.html)。エクイティ(株式発行)でなくデット(借り入れ)による資金調達、同時にMBOを行うと言う珍しい施策ですが、経営権を維持する狙いがあるんですね。ロボットビジネスは長期的な経営が大事という腹を括った印象を受けます。さすが、世界の一流大学を出た多国籍チームによるエリート集団、借金なんてなんのその。ラララむじんくん、ラララMUJINくん。無人の荒野を行くが如く。
【上場延期の傷跡は】乗り遅れたとは言わせない、ZMP【もう癒えました?】
自動運転を手がけ、上場が期待されるロボットベンチャーとして名前が挙がる事の多いZMP。2016年には東証マザーズに上場申請、承認を得たものの、9,000件を超える顧客情報流出が発覚、新規上場取りやめと世間を騒がしました。DeNAと合弁会社ロボットタクシーを設立したりしていましたが、それも解消。その後、DeNAは日産と提携を発表したり、フランスの自動運転バス会社イージーマイルと提携したりと自動運転に注力していますね。他にもこの分野はソフトバンクがトヨタ自動車と提供を発表したりと激戦区。ZMPも「R&Dから量産へ」というスローガンを掲げて頑張っていますが、あの時上場していればと悔しい思いをしているでしょう。2017年に15億円の資金調達を行うものの苦戦しているようで、第18期決算では7億円の赤字、利益剰余金はマイナス18億円となっています。(https://kigyolog.com/company.php?id=291)お金という名の燃料が尽きるか上場ゴールで逃げ切るか、さながらチキンレースの様相ですが、大手に負けずにロボットベンチャーの夢を見させてほしい!
【平均年齢30歳】若手のホープ?コネクテッドロボティクス【8.5億円と調達】
調理ロボットを手がけるコネクテッドロボティクスは今最も旬なロボットベンチャーの1社。メディアでの露出も多く、今年に入ってから延べ45媒体で取り上げられた模様。2019年7月にはシリーズAラウンドで8.5億円を調達するなど、ご立派!盛り上がりを見せている調理ロボットの分野で注目です。社員の平均年齢も若く、2018年時点での平均年齢は30歳。インターン生も活躍していて、ソフトクリームロボットのレイカちゃん(ネーミングださい・・・)(https://www.wantedly.com/companies/connectedrobotics/post_articles/139621)や朝食調理ロボットのLoraine(https://jp.techcrunch.com/2019/07/18/connected-robotics-loraine/)はインターン生が開発したとのこと。オフィスも農工大のキャンパス内、農工大・多摩小金井ベンチャーポートに構えていて、たこ焼きやソフトクリーム食べ放題の福利厚生あり。死神さんも若いエキスを吸いに行きたいぞ!でも夢を持って未来へ走る若者に、まだまだ鎌は振れません。
【内部闘争?】H.I.S.グループからのスピンアウト、QBIT Robotics【ブラックコーヒーで勝負】
「ロボティクス・サービス・プロバイダー」を掲げるQBIT RoboticsはロボットSIerを中心とした会社。2018年の設立から4.5億円以上の資金調達を行なっています。何が死神さんの琴線に触れたかというと、変なカフェなどを手がけるH.I.S.グループの社長の顔が死神四郎の父にそっくりなハピロボのメンバーがスピンアウトして立ち上げたところなのよね。ハピロボの設立は2016年7月なので、正味1年半でのスピンアウトだし。QBIT RoboticsはH.I.S.グループじゃないのに、H.I.S.の澤田秀雄会長兼社長から個人的な支援を受けているみたいだし。インタビューでは役割の違いをアピールしてたりするけども(https://newswitch.jp/p/12611)。正直、色々勘ぐってしまいますね。ロボット業界では、ココロとエーラボみたいなスピンアウトの歴史。こうやって生き別れたメンバーが切磋琢磨して次のステージへ上がっていくのね。そういうの、嫌いじゃない!
【反省会】またもや時間足りません。
いやいや、ロボットスタートアップも一人じゃ追いきれん!今回挙げたのもたったの7社。AIに比べるとロボットはまだ、盛り上がりのピークの手前。ロボットブームも東京五輪の2020までと言われていたけれど、大阪万博の2025年まで引っ張れるんちゃうの!?まだまだ俺が鎌を振るうまでもない!早く俺のところまで上がって来い!!ということで、今回はここまで。
では、エンディングテーマをどうぞ。
哀 ふるえる哀♪
荒野を走る死神の列♪
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