【悲報】この1年で倒産した有名ロボットベンチャー企業とともに消えた資金はなんと総額〇〇〇億円!

2020年を目前に感じたコミュニケーションロボットバブル崩壊の兆し

第3次ロボットブームと呼ばれるようになって久しいが、ここ最近、ブームを代表するような会社の倒産ニュースが相次いだ。今ロボット業界で何が起きているのだろうか。

この流れをロボットの社会実装が進むための新陳代謝と捉え、それぞれの事例からロボットブームの先を読み解く。

本記事では2018年から現在(執筆時、2019年7月)の間に倒産やクローズが発表、報道されたロボット会社、プロジェクト等をまとめる。

【第三次ロボットブーム】死神が微笑むロボットベンチャー【終焉か?継続か?】

コミュニケーションロボットバブルの終焉が始まった!

第3次ロボットブームの火付け役だったのはコミュニケーションロボット(ホビーロボット含む)だろう。Pepperやロビ、aiboといった日本のロボットだけでなく、海外でもJiboやBuddy、Zenboなどコミュニケーションロボットが話題となった。

第3次ロボットブームにおいて、コミュニケーションロボットは、人とロボットが共に暮らす未来を感じさせる象徴的な存在だった。

一方、Amazon Echo(アレクサ)やGoogle Home(Google アシスタント)などのスマートスピーカー(音声アシスタント)の登場により、「音声コミュニケーションのとれるデバイス」が一気に普及した。

もちろんロボットにはスマートスピーカーにはないキャラクター性や身体性・駆動性等が備わっているが、10倍近い圧倒的な価格差がそこには存在するため、その価格差を埋める付加価値が求められる。

この1年、コミュニケーションロボットを代表する会社の倒産のニュースが業界に衝撃を与えた。以下に事例を紹介する。

【電通、KDDIもヤラレタ!】コミュロボの代表格Jiboが破綻(約90億円が消えた)

2014年に発表されたJiboはそのユニークな動きと顔(ディスプレイ)における球体を使った表現が話題を呼んだ。クラウドファンディングのIndiegogoでは目標の10万ドルを大きく約370万ドルを集め、KDDIや電通ベンチャーズを含む世界中から投資を集め、総額7,270万ドルの資金調達を行った。

当初は2015年の発売を予定していたが、度重なる開発の遅延により最終的には2017年10月に発売された。当初は発送先の国に制限はなかったが、2016年8月には米国・カナダ以外のオーダーをキャンセルした。
Jibo社からの公式なアナウンスはないが、2018年11月には知財を投資運用会社SQN Venture Partnersに売却したというニュースがあった(https://www.therobotreport.com/jibo-assets-acquired-sqn/)。また2019年3月には最新アップデートによりユーザーにお別れの挨拶が行われるようになったとJiboユーザー達がSNSに投稿していた

【あのBoshも大失敗】ほぼAIスピーカーだったのが原因?Kuriが破綻

2018年7月、Mayfield Roboticsは同社が開発するロボットKuriの製造および発送の中止、返金措置を発表した(https://www.heykuri.com/blog/important_difficult_announcement/)。

Mayfield Robotics2015年にBoschから生まれたスタートアップだが、今回Boshの長期ポートフォリオの中にKuriやMayfield Roboticsの場所がないということでクローズが発表された。

Kuriは2017のCESで初めてお披露目されていた。

【日本だとタカラトミーが販売】COZMOで大ブームだったAnkiがドボン(約240億円)

2019年4月、AIロボットのCOZMOを販売するAnki社が事業を終了すると報じられた。同社HPに掲載されたメッセージによると、同社製品やアプリケーションを引き続き利用できる手続きを進めており、詳細は今後発表するとのこと(https://www.anki.com/)。

2016年10月に米国で発売されたCOZMOは、同年のクリスマス商戦において高価格帯玩具(75ドル以上)の中で2番目に売れた商品となるなど話題となり、日本では2017年9月にタカラトミーから発売された。また、2018年10月には後継機種のVectorが発売された。

Anki社は総額2億ドル以上を調達し、150万台のロボット製品を販売してきたそうだが、今後の製品ロードマップを実現するために必要な資金調達がうまくいかず廃業に至ったという。

【GROOVE X】Pepperの父、林要の第二子誕生はなるか?(約88億円も調達)

多くの資金を集めたり、大企業の傘下でビジネスを行ったり、製品が売れたりしてもうまくいかないのがコミュニケーションロボットの難しさだ。今後もこの領域でのプレーヤーが減っていくことが予想される。

そんな中、LOVOTを開発するGROOVE Xが累計87.5億円の大型調達を行なっていて話題となっている。コミュニケーションロボットを新たなステージへあげることができるか注目だ。

【やっぱり産業向け】協働ロボット市場の激化(早くもレッドオーシャン?)

コミュニケーションロボットに代表される家庭用ロボットが苦境に陥る中、企業でのロボット利用の取り組みは伸びてきている。生産性の向上、つまり「仕事のできる」ロボットが求められている流れと言える。

中でも、人間と同じ空間で作業のできる「協働ロボット」は注目される分野だ。必然的に競争は激しくなり、市場から退場する会社も出てきた。

【元ルンバの会社のCTO】Rethink Roboticsが破綻(160億円)

BaxterやSawyerを手がけるRethink Roboticsが2018年10月に廃業となり、大きな話題となった。

同社は2012年に協働ロボットBaxterを発売し、この分野のパイオニアと言える存在だった。

2008年の設立から1億5000万ドルを調達したが、売上不振が原因となった。

身売り先を探していたが見つからず、一旦廃業に追い込まれたが、その直後の2018年11月、ドイツのHahnグループによって資産買い取りが行われた。現在ではHahnグループの1社として生まれ変わって事業を再開している(https://rethinkrobotics.com/)。

【産学研究の夢】ライフロボティクス(ファナックに吸収)

ライフロボティクスが手がける協働ロボットCOROは、肘関節がなく伸び縮みする蛇腹型の機構が特徴のアームロボットで、吉野家の店舗に導入されるなど話題を呼んだ(https://liferobotics.com/20170327-2/)。

2018年2月にファナックがライフロボティクスの全株式を買収し、完全子会社化を行なった。ライフロボティクスの特許や研究技術にファナックの量産技術を生かし、信頼性や価格競争力を高めた商品を開発していくと期待されていたが、2018年6月に生産販売中止を発表。販売済みCOROの原則回収とファナック製のロボットへの無償交換が報じられた。合わせて法人としてのライフロボティクスも解散となった

https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00001/00690/)。

生産・販売中止はファナックの品質基準に満たなかったことが理由とされる。ファナックもコンセプト自体は高く評価しているため、産業用ロボットの世界的なメーカーであるファナックのもとでCOROがどう生まれ変わるか注目したい。

今後、協働ロボットはどうなる?

単純に事業クローズにより消滅してしまうわけではなく、買収が行われてロボットや技術、特許が受け継がれていくのが協働ロボット市場の特徴だ。つまり、健全に新陳代謝が進んでいると言える。

特に、産業用ロボットメーカーが本格的に取り組みだした事により、高品質のロボットが登場したり、現場での導入が一層進んでいくと考えられる。また、大手によるベンチャー企業買収の動きも続くかもしれない。

一世を風靡した注目企業も

コミュニケーションロボットや協働ロボット以外でも、市場から消えて行く有名なロボット会社が出てきた。

【前代未聞の大破綻】洗濯ものたためず、セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズを畳む(約90億円)

世界初の全自動衣類折り畳み機laundroidの開発で話題を呼んでいたセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズが2019年4月に破産となった。

当初laundroidは2017年の発売を目指してきたが開発が難航し、2018年へと延期されたが、再度延期。結局販売されることなく倒産となってしまった。

様々な衣類を畳むことに成功していたが、ユニクロの「AIRism(エアリズム)」が扱えず、この点が出資元のパナソニックの理解を得られず発売が叶わなかったという。

【東大―独立―Google―ソフトバンク?】SCHAFTも消えさった(孫正義が見捨てた?)

2017年11月、Googleの親会社Alphabetが二足歩行ロボット開発部門SCHAFTを閉鎖すると報じられた。
SCHAFTは東京大学発のロボットベチャー企業で、2012年の設立後、2013年にはGoogleに買収された。

同じくAlphabet傘下のBoston Dynamicsはソフトバンクによって買収され、SCHAFTも買収の対象となっていたが多くの社員がソフトバンクの下で働くことを拒否したため交渉が決裂したという。

なお、Founder&CEOだった中西氏はその後宇宙作業ロボットの開発を行うGITAIに参画し、COOに就任した。

消えた資金はなんと約350億円

これまで事例を見て浮かび上がってくるのは、ロボットブームが終わるといったネガティヴなことではなく、新陳代謝が進んできているということだ。

ロボットで「成功」を掴むのは確かに難しい。

しかし、事例が増えてきて課題やニーズが明らかになり、様々な技術が生まれ、プレーヤーの入れ替わりが起こることで社会実装に近づいてきている印象を受ける。

ロボットビジネスの立ち上がりが、ロボットブームの先にある。

(追記)桁違いの純損失なんと1社で700億円も!それはペッパー警部。

破綻はしていないものの、決算公告を調べているとあらびっくり。ソフトバンクロボティクスグループは、この七期で純損失合計が、700億円越え!すげ!!さすが、孫さん。やっぱ、器が違いました。やっぱり、ロボットって、金がかかるのですね。

見えている。ああ感じてる。

その時なの。

私たちこれからいいところ。

https://ameblo.jp/nn2006jp/entry-12387449066.html

PS)次回は、ロボット AIベンチャー天国と地獄 次に死神が微笑む企業はここだ!!というようなエントリーを予定しています。

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