DNCL(共通テスト手順記述標準言語)完全ガイド|基本から対策まで徹底解説

テックジム東京本校では、情報科目の受験対策指導もご用意しております。

目次

DNCLとは何か

DNCL(Daigaku Nyushi Center Language) は、大学入学共通テストのために開発された、日本語に対応した共通テスト手順記述標準言語です。2025年度から共通テストに新設された「情報Ⅰ」科目のプログラミング問題で使用されています。

DNCLの正式名称について

情報Ⅰでは「共通テスト用プログラム表記」という名称が正式とされていますが、一般的には「DNCL」や「新DNCL」という呼称が広く使われています。以前のセンター試験「情報関係基礎」で使用されていたDNCLと区別するため、「DNCL2」と呼ばれることもあります。

擬似言語としてのDNCL

DNCLは「擬似言語」とも呼ばれており、プログラミングの概念を簡略化し、人間が読み書きしやすい形式で表現しています。実際のプログラミング言語ではなく、試験のために特化して開発された言語です。


なぜDNCLが必要なのか

公平性の確保

高等学校によって取り組んできたプログラミング言語が異なるため、センター試験で有利・不利が生じる懸念がありました。各高校では、Python、JavaScript、VBAなど、さまざまなプログラミング言語が使用されています。

すべての受験生にとって不公平が生じないよう、大学入試センター側で用意した言語がDNCLです。

情報教育の標準化

2022年度から高等学校の新学習指導要領で「情報Ⅰ」が必履修科目となり、2025年度入学者選抜に合わせて「情報」科目が導入されることになりました。これにより、文系・理系を問わず、すべての大学受験生が情報リテラシーを身につける必要が生まれました。


DNCLの特徴

1. 日本語ベースの表記

DNCLは日本語で表記されるため、コード読解がしやすいという大きな特徴があります。例えば、他の言語で「if」と書く条件分岐は、DNCLでは「もし〜ならば」と表記されます。

2. シンプルな構文

プログラミングの基礎的な概念を学ぶための言語として設計されており、難しい文法や構文はあまりありません。基本的な制御構造(順次・分岐・繰り返し)を理解していれば、問題を解くことができます。

3. マークシート形式での出題

試験はマークシート形式が採用されているので、実際にプログラミングを行う必要はありません。プログラムを読解し、空欄に当てはまる内容を選択肢から選ぶ形式が中心です。

4. Pythonとの類似性

大学入学共通テストで出題されるDNCLは、その表記ルールを見るに、Pythonと似ていると言えます。Pythonを学習している受験生は、比較的スムーズにDNCLを理解できる可能性があります。


基本文法と構文

変数の命名規則

小文字で始まる変数は通常の変数を表し、大文字で始まる変数は配列を表します。また、すべて大文字の変数は実行中に変化しない値を表します。

例:

  • kosu – 通常の変数
  • Tokuten – 配列
  • MAX – 定数

代入文

新DNCLでは、旧DNCLでは← だったのが = に変わりました。

x = 10
total = total + 1

演算子の優先順位

複数の演算子を使った式の計算では、基本的に左側の演算子が先に計算されますが、『×』、『/』、『÷』、『%』は、『+』、『-』より先に計算されます。

例:

heikin = (hidari + migi) ÷ 2  # 先に加算、次に除算
heikin = hidari + migi ÷ 2    # 先に除算、次に加算(異なる結果)

条件分岐

もし、条件 ならば:
    処理A
そうでなければ:
    処理B

繰り返し

iを1から10まで1ずつ増やしながら繰り返す:
    処理
〜の間繰り返す:
    処理

配列

配列を使用するには、配列名 = [値1,値2,値3] とします。

配列の要素は、要素の番号を添字で指定します。添字の値は0以上の整数ですが問題によっては1以上の添字のみを扱います。

注意点: 2025年の共通テストの問題では配列の要素番号は1から数える問題でしたので、恐らく2026年度以降も共通テストでは1から数える問題となると予想されています。


旧DNCLと新DNCL(共通テスト用プログラム表記)の違い

2002年に開発されたDNCLと今回のDNCLは書き方が異なっている点が多数あります。

主な変更点

項目 旧DNCL 新DNCL(共通テスト用プログラム表記)
代入演算子 =
不等号 !=
論理演算子 かつ、または、でない and, or, not
ブロック表現 begin/end型 Pythonのようなインデント型

これらの変更により、多くの高校生が学校で学習することになるPythonに類似した表記になっています。


共通テストでの出題形式

配点と時間

共通テスト全体の満点は新課程対応で従来の900点から1000点へ拡大(「情報」科目加算による)しました。情報Ⅰは100点満点、試験時間は60分です。

出題範囲

出題範囲は「情報Ⅰ」の全分野(情報社会の問題解決、コミュニケーションと情報デザイン、コンピュータとプログラミング、情報通信ネットワークとデータの活用)です。

プログラミング分野の配点が最も大きく、試作問題では、プログラムの空欄に当てはまる内容を選択し、正しいプログラムを完成させていく形式で出題されていました。

国公立大学での必須化

国公立大学を受験する場合には、これまでの5教科7科目に加えて「情報」を追加した6教科8科目で受験することになるのです。

私立大学では各大学の判断に委ねられており、選択科目の一つとして追加される形が多いです。


効果的な学習方法・対策

1. プログラミングの基礎を固める

まずはプログラミングの基本事項をおさらいしておきましょう。復習する際には高校で学んでいる「Python」や「JavaScript」といった言語でも問題ありません。

押さえるべき基本事項:

  • 変数と代入
  • データ型(数値、文字列、配列)
  • 条件分岐(if文)
  • 繰り返し(for文、while文)
  • 配列の操作
  • 基本的なアルゴリズム(線形探索、二分探索など)

2. DNCLの表記ルールを理解する

DNCLでの基本事項の表記ルールを学び、高校で学んでいる言語との表記ルールの違いや共通点を比較しましょう。

学習のポイント:

  • 日本語表記に慣れる
  • 制御構造の書き方を覚える
  • 配列の添字ルールを確認する
  • 演算子の優先順位を理解する

3. 問題演習を繰り返す

試作問題が公開されています。まずはこの試作問題を解いてみましょう。ただ解いてみるだけではなく、そこから問題の傾向をつかんでおくことが大切です。

推奨される学習ステップ:

  1. 大学入試センターの試作問題を解く
  2. DNCLで書かれた問題集を解く
  3. 模擬テストを受験する
  4. トレースの練習を行う

4. コードを音読・トレースする

コードを「日本語の手順書」として音読すると流れがつかみやすく、ミスを減らせます。プログラムの動作を紙に書き出して追いかける「トレース」の練習も効果的です。

5. アルゴリズムの理解を深める

線形探索は「上から順に探す」、二分探索は「真ん中を基準に半分ずつ探す」など、基本的なアルゴリズムの動作原理を理解しておくことが重要です。

6. 実行環境を活用する

実際にDNCLを実行できるオンラインツールも公開されています:

  • DNCL.JP(ブロックリー形式)
  • XTetra(テキスト形式)
  • なでしこ3簡易エディタ(「!DNCL2」で記述開始)

これらのツールを使って、実際にコードを動かしながら学習すると理解が深まります。


よくある質問(FAQ)

Q1: DNCLは実際のプログラミング言語として使えますか?

A: DNCLは試験のために特化して開発された擬似言語であり、実際の開発現場で使用されるものではありません。しかし、プログラミングの基本概念を学ぶには適しています。

Q2: PythonやJavaScriptを学んでいれば、DNCLの対策は不要ですか?

A: プログラミングの基礎が身についていれば大いに役立ちますが、DNCLの表記ルールや日本語表現には慣れておく必要があります。特に試作問題や問題集での演習は必須です。

Q3: 配列の添字は0から始まりますか、1から始まりますか?

A: 一般的なプログラミング言語では0から始まることが多いですが、共通テストの問題では1から始まる場合があります。問題文の指示をよく確認しましょう。

Q4: 旧課程履修者(浪人生)はどうなりますか?

A: 旧課程履修者については、『旧情報(仮)』が選択できるという措置があり、『情報Ⅰ』の受験者との間で得点調整が行われます。

Q5: 国公立大学の全てで「情報」が必須ですか?

A: 北海道大学、徳島大学、香川大学は受験は必須としているものの、成績には反映しないことを公表しています。志望大学の入試要項を必ず確認してください。


まとめ

DNCL(共通テスト手順記述標準言語)は、2025年度から共通テストの「情報Ⅰ」で使用される、公平性を確保するために開発された擬似言語です。

重要ポイント:

  1. 日本語ベースで読みやすく、Pythonに似た構文を採用
  2. 基本的な制御構造(順次・分岐・繰り返し)の理解が重要
  3. マークシート形式で出題されるため、コード読解力が求められる
  4. 旧DNCLから変更された点(代入演算子、論理演算子など)に注意
  5. 試作問題や問題集での演習が対策の鍵

DNCLは特殊な言語に見えますが、プログラミングの基礎がしっかりしていれば十分対応可能です。まずは高校で学習しているプログラミング言語で基礎を固め、その後DNCLの表記ルールに慣れることが効果的な学習法です。

大学入試センターの公式サイトで試作問題が公開されていますので、必ず確認して実際の出題形式に慣れておきましょう。早めの対策で、共通テスト「情報Ⅰ」での高得点を目指しましょう!


参考資料:

  • 独立行政法人大学入試センター「共通テスト手順記述標準言語(DNCL)の説明」
  • 令和7年度大学入学共通テスト 試作問題「情報」
  • 各種情報教育関連サイト

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