職業訓練校の指定業者になるには?キャリアコンサルタント資格など必須事項をまとめてみました。

職業訓練とは、雇用保険を持っていない非正規雇用の方々(正社員を辞めた場合は6ヶ月たった方)が、無料で受講できる制度です。職業訓練校は民間企業が運営しているわけですが、どのような仕組みで運営されているのか、ハローワーク墨田に行って聞いてみました。



専門学校が3割。指定業者になるメリットとは?

スクール事業者において、集客は最重要な課題です。
職業訓練制度では、

・全国のハローワークからエントリーが可能で無料
・毎月、開催校数・定員が決められている
・ハローワークの職員も斡旋してくれる

などの理由から、受講生を比較的集めやすく、
訓練校には、月1名あたり5万円(特定技能の場合)が支給されるので、
きちんと利益がでますので、スクール事業の下支えとなります。

高額の授業をやっているスクールであれば、利益は少ないですが、
1開催あたり最大で月150万円の受給がありますので、零細スクールにおいてはそこそこビジネスになるのでないでしょうか?

事実として、専門学校以外の様々な業態の企業が認定をうけているとのことでした。

売上確保のメリットの他には、広告チャンネルの開拓があげられます。
チラシを用意すれば、全国どこのハローワークに送ることができます。

ここで考察すべきことは、受講生にとって、価格が関係ないということです。
例えばテックジムでは「他のスクールより安価でサービスをお届けしたいという信念」でやってますが、それは今回の受講者にとっては関係ありません。ですから、「サービスそのもののユニークポイント」を訴求し、ハローワークの職員さんにも伝わりやすいことがチラシ制作のポイントとなるかと思われます。

3ヶ月前にエントリー。毎月「コース開講」がある。

訓練校の募集は、毎月、3ヶ月後スタートの枠に対して行います。

・コースは3ヶ月〜6ヶ月
・授業時間は、1日あたり5〜6時間*20日(月100時間以上)
・分野によって枠があり、新規枠もある
・エントリー数が枠数内であればそのまま採択
・エントリー数が多い場合はポイントが多い順に採択
・ポイントとは、実際に正社員として就職した実績があれば加点

申請時にカリキュラム概要を提出するわけですが、技能系のコースの場合は30%以上を演習(実技)としなくてはならないという条件があります。授業(概論)だけではダメだということです。

逆に、テックジムみたいな、授業はなくてずっと演習だけの場合は「授業」が必要になるとのことで、「1日1時間最初に授業をやる」といったカスタマイズが必要になります。

また、最初に「衛生と安全」という授業(1時間)、講話というロールモデルとなる方のお話(8時間)といった必須項目があります。なお、職業訓練校の受講層をふまえると、プログラミングスキルの手前の「パソコンの使い方」という部分の授業は必要になってくるでしょう。


貸し会議室開催はOK。男女トイレは別々に

授業環境についてまとめますと、

・教室と事務所は完全に切り分ける
・自社オフィスではなくてもいい
・事務所から教室は7分以内のところに
・男女トイレは別々に
・1名あたり1.6平米以上
・定員分のパソコンを用意する

というしばりがあります。
なお、リモート参加もある程度は認められる、持ち込みパソコンはOK、など融通が利くところもあるようです。


キャリアコンサルタントが社員にいなくてはならない

キャリアコンサルタントとは、その名のとおりの国家資格でして、ネットで調べる限りはあまり役に立たない資格のようです。
しかしながら、ここに来て必要となります。

この資格、とても面倒なことに、指定校の「養成講習」を受けないと受験資格をとれないという不思議なルールです。
その指定校とは、ヒューマンアカデミー、日本マンパワー、パソナなどです。受講料は35万円程です。

これってマッチポンプビジネスじゃない?って思ってしまいます。

そして、これだけでは資格はとれません。35%という合格率の試験(年3回。受験料4万円程)が待っています。

当資格を持っている人を雇うか、自分たちでとるか、選択するのはどちらかです。


過去に講習実績がなくてはならないけど。

申請するコースにおいて7割以上の該当カリキュラムで、2名以上の同時開催の実績が必要となるようです。

たとえば3ヶ月コース(300時間)の場合、42日で210時間での開催実績になりますが、こちらは無償でも有償でもかまいません。たとえば社員2名に模擬講習という形で、同じ内容を受講してもらい、出欠などのエビデンスがあればOKというものです。

つまり、「ぶつけ本番でやるなよ」ということなのでしょう。


まとめ

キャリアコンサルタントという国家資格の取得(費用は40万円程度)がマストにはなりますが、やって損はない制度かと思われました。

エンジニアは学歴関係なく、3ヶ月で一気に伸びる人は確率論でいらっしゃいます。
そういう中で、この制度を使ってリスクなく、「挑戦できる機会を提供できる」というのは素晴らしいことですし、
地域のハローワーク利用者への認知にもつながります。実績をつめれば、職員さんも勧めてくれます。

というわけで、早速、ご検討されてはいかがでしょうか?

なお、テックジムのフランチャイズ校として「職業訓練校をやりたい」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
演習が100%のカリキュラムですから、運営コスト面(講師手配)もずっと安価に提供できます。

「高い授業料がまかりとおるプログラミングスクール業界」に風穴を一緒にあけていきましょう。

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