エンジニアの採用面接。最新動向と対策〜みんなのプログラミングチャンネル vol.27〜
今回はエンジニアの採用面接がどんなふうに行われるのかということをお話しします。
■エンジニア面接で必要な提出書類
職務経歴書とポートフォリオが主なものになります。
すでに職歴が充実しているベテランエンジニアはポートフォリオは不要ですが、未経験者や若手エンジニアの場合はポートフォリオは必要です。
ポートフォリオというのは、自分のスキルや実績を伝えるための作品集のことです。エンジニアの場合は、自身のプログラミング能力がわかるソースコードや、個人で作って公開したWebサービス、また、これまでに参加したプロジェクトの概要などを記載します。
エンジニアの場合、転職回数が多いとか、学歴、職歴そのものは重要視されません。
職務経歴書とポートフォリオを通じて、「どのようなことをやってきたか」、「それにどのように携わったか」ということが見られます。
ポートフォリオがない場合には「どのサービスの何の部分を開発したの?」ということを突っ込んで聞かれることになるでしょう。
■どのようなスキルや経験が重視されるのか?
まず、入社試験がある場合もあります。
コーディングテスト、もしくは適正テストというものです。
特に未経験者の場合は適正テストで地頭の良さを見られます。
そして面談では、一つ一つのキャリアについて、本当に正当なのかを見ていきます。
実際に本人の実績ではない場合、色々な方法で見破られることが多いので、注意しましょう。
■採用経路で聞かれることが変わることもある
また、採用経路で、採用の難易度が変わってくるので、面接内容も変わってくるということにも注意しましょう。例えばエージェント経由の場合は、より採用が慎重になるということです。
注意点として、入社前にわかることには限界があるということです。
最終的には実際にプロジェクトに参加してもらわないとわからないものです。
過去のソースコードを見れば実力は測れるものの、それが誰かのソースコードのコピペの場合もあるし、どれだけ時間がかかったかもわかりませんし、仕事上でのプログラミング以外のスキルも見破られません。
■お試し採用が有効
オススメとしては、採用側が工数の小さい仕事を業務委託でふってみて、一定期間をおいて、お互いのマッチング度を測るというやり方です。
ですので、エンジニア側としては、カジュアル面談などで、まずは小さな仕事を依頼してみるというのが、意外にうまくいくのではないかと思います。
■エンジニア面接のあるある
さて、面接自体はこのような感じで進むのですが、グラさんが面接などでエンジニアを見るときに大事にしている「エンジニアならではのポイント」がもう一つあります。
それは、経歴書やポートフォリオを書くのが下手な人がいるということです。
いわゆる「白地の多い経歴書」です。
この人は転職が初めてだから書くのに慣れていないだけかもしれませんし、自分を過少評価している可能性があるのです。
せっかく能力がある人でも、「伝わる書類」を作る能力が低いと書類で落とされてしまうことがありますので、グラさんはエンジニアは経歴書を書くことが下手な人がいるという前提でヒアリングの機会を設けるように心がけています。こういった伝えるのが下手な人というのも、非エンジニア職では一発アウト事項ですが、エンジニアであれば、ある程度話を聞いてもらえるという部分もあるあるなのかなと思います。
とはいえ、ドキュメント作成能力はエンジニアにとって大事な能力なので、そこそこにしておいてください。
■ドキュメント偏重だからこそ見ておきたいこと
それは、「こじれた性格か」どうかです。
「こじらせ女子」という言葉はよく聞きますよね。そのエンジニア版です。
エンジニアはただでさえ、ちやほやされる職種ですから、ツンデレエンジニアもたくさんいるわけです。その中で「こじれる奴」が出てくるわけです。
素直じゃない。とか、大きく吹く癖、ミスを認めない、やばいのを黙っているなどなど。
要は他の職種だったら弾かれる要素を、エンジニアだからといって甘く見ないということです。
基本的に素直で、コツコツやる人だったら問題ないのですが、世間がポートフォリオ重視な見方をするために、こういう人格面・性質面が見えなくなるというか、自分を大きめに見せることが当たり前になってしまっているのが、採用面接で嫌なところです。
いわば、狸と狐の化かし合い状態になるため、最近では、友人紹介というリファラル採用、その前にカジュアル面談、というのが主流になりつつあります。