映画「HOKUSAI」徹底解説|あらすじ・キャスト・評価・見どころ完全ガイド
映画「HOKUSAI」とは?作品概要
映画「HOKUSAI」は、2021年5月28日に公開された、江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の知られざる生涯を描いた伝記ドラマです。
基本情報
- 公開日:2021年5月28日(当初2020年公開予定だったが新型コロナウイルスの影響で延期)
- 上映時間:129分
- 監督:橋本一(『相棒』シリーズ、『探偵はBARにいる』シリーズ)
- 企画・脚本:河原れん
- ジャンル:時代劇 / 伝記 / ドラマ
- 配給:S・D・P
本作は第33回東京国際映画祭特別招待作品にも選出され、2021年夏には台湾でも公開されました。
映画の特徴
葛飾北斎といえば「富嶽三十六景」で世界的に知られる浮世絵師ですが、彼の青年期に関する資料はほとんど残されていません。本作は、数少ない史実を徹底的に調べ上げ、独自の視点と解釈で北斎の90年にわたる人生を映画化したオリジナル・ストーリーです。
あらすじ・ストーリー
江戸時代、幕府による表現規制が厳しい時代に、自分の道を貫き続けた一人の絵師がいました。それが、のちに世界的に知られる「葛飾北斎」です。
第1章・第2章:青年期〜壮年期(柳楽優弥)
町人文化が華やぐ江戸の片隅で、食うこともままならない貧乏絵師として暮らしていた勝川春朗(のちの葛飾北斎)。
そんな彼の才能を見抜いたのが、喜多川歌麿や東洲斎写楽を世に送り出した希代の版元(プロデューサー)・蔦屋重三郎でした。重三郎の後押しにより、北斎は独自の革新的な絵を次々と生み出し、一躍当代随一の人気絵師となります。
しかし、歌麿や写楽といった天才たちの台頭により、北斎は自分の絵を見失いかけます。それでも重三郎の支えによって、唯一無二の独創性を手に入れ、才能を開花させていきます。
第3章・第4章:老年期(田中泯)
北斎の盟友で戯作者の柳亭種彦が幕府による弾圧を受けたことで、物語は大きく動きます。表現の自由が奪われる時代の中で、北斎は90歳で命燃え尽きるまで、信念を貫き通して絵を描き続けました。
そして、世界中に知られる「あの波」―富嶽三十六景の「神奈川沖浪裏」が誕生します。その波に込められた3つの秘密とは?
主要キャスト・出演者
ダブル主演
柳楽優弥(葛飾北斎 青年期・壮年期)
- 2004年『誰も知らない』でカンヌ国際映画祭最優秀主演男優賞を史上最年少で受賞
- 貧乏絵師時代から人気絵師へと成長する北斎を熱演
田中泯(葛飾北斎 老年期)
- 舞踏家としても知られる俳優
- 90歳まで絵を描き続けた老年期の北斎を圧倒的な存在感で演じる
- 絵を描く際の身体パフォーマンスが高く評価されている
豪華共演陣
- 阿部寛:蔦屋重三郎役(北斎の才能を見抜いた版元)
- 永山瑛太:柳亭種彦役(北斎の盟友である戯作者)
- 玉木宏:喜多川歌麿役(北斎のライバル、人気浮世絵師)
- 瀧本美織:コト役
- 浦上晟周:東洲斎写楽役(謎の天才絵師)
- 城桧吏:葛飾北斎(少年期)役
- 河原れん:お栄(応為)役(北斎の娘)
- 青木崇高:高井鴻山役
- 津田寛治:永井五右衛門役
- 辻本祐樹:瑣吉(滝沢馬琴)役
評価・口コミまとめ
レビューサイトでの評価
Filmarks:3.4/5.0(3,589件のレビュー)
- 多くのユーザーから一定の評価を得ている作品
映画.com:3.0/5.0(124件)
- 賛否両論あるものの、俳優陣の演技は高評価
映画の時間:3.27/5.0
IMDb:6.1/10.0
- 国際的な評価も及第点
好評の口コミ
俳優陣の演技が素晴らしい
- 柳楽優弥の個性的な演技
- 田中泯の圧巻の身体表現と存在感
- 永山瑛太の熱演
映像美と美術が秀逸
- 江戸時代の雰囲気を再現した美術
- 北斎の絵画制作シーンの臨場感
- 意欲的な映像表現
歴史的人物の登場
- 歌麿、写楽、蔦屋重三郎といった実在の人物が登場
- 江戸文化の華やかさと弾圧の歴史を学べる
田中泯の演技パフォーマンス
- 舞踏家としてのバックグラウンドを活かした身体表現
- 絵を描くシーンの迫力
賛否が分かれた点
構成のバランス
- 4章構成で、青年期と老年期が分断されている
- 前半(青年期)が約1時間と長すぎるという意見
- 青年期のエピソードが後半に効いてこないという声
北斎像の描き方
- 史実との相違点が気になるという意見
- 「画狂」の印象が弱いという指摘
- もっと尖った作品でも良かったのではという声
「波」の描き方
- 波をシンボル化しすぎているという意見
- 波の表現に至るエピソードが印象に残らなかったという声
見どころ・注目ポイント
1. 柳楽優弥×田中泯のダブル主演
同じ人物を異なる年代で二人の俳優が演じるという手法は、それぞれの演技を堪能できる贅沢な構成です。柳楽優弥が演じる挫折と葛藤の青年期、田中泯が演じる信念を貫く老年期、その対比が作品に深みを与えています。
2. 歴史的人物たちの共演
喜多川歌麿、東洲斎写楽、蔦屋重三郎、柳亭種彦、滝沢馬琴など、江戸時代を彩った文化人たちが登場します。特に歌麿と写楽が同じ宴会に参加するシーンなど、歴史ファンにはたまらない演出が随所に見られます。
3. 表現の自由をめぐる物語
幕府による出版統制や表現規制が厳しかった時代背景の中で、芸術家たちがどう闘ったかが描かれています。現代にも通じる普遍的なテーマです。
4. 北斎の「あの波」誕生の秘密
世界で最も有名な浮世絵の一つ「神奈川沖浪裏」。その波に込められた意味とは?映画は独自の解釈で「3つの波の秘密」を描き出します。
5. 江戸時代の美術考証
浮世絵指導として専門家を招き、当時の制作過程や技法を丁寧に再現。北斎の作品を知る人ほど楽しめる細かな演出が施されています。
興行成績
公開初週(2021年6月7日時点)の興行成績は以下の通りです:
- 興行収入:約1億766万円
- 観客動員数:約8万6,314人
コロナ禍の影響もあり、大ヒットとまではいきませんでしたが、根強いファンに支持された作品となりました。
視聴方法・配信サービス
現在、映画「HOKUSAI」は以下の動画配信サービスで視聴可能です:
- U-NEXT:見放題
- Hulu:見放題
- Netflix:見放題
- Amazon Prime Video:レンタル・購入
- DMM TV:レンタル
- Rakuten TV:レンタル
- FOD:見放題
- Lemino:レンタル
※配信状況は変更される場合がありますので、各サービスで確認してください。
こんな人におすすめ
映画「HOKUSAI」を特におすすめしたい人
-
葛飾北斎や浮世絵に興味がある人
- 北斎の人生を追体験できる貴重な作品
-
時代劇・歴史映画が好きな人
- 江戸文化の華やかさと裏側が描かれている
-
柳楽優弥・田中泯のファン
- 両俳優の熱演が光る
-
芸術家の生き様に興味がある人
- 表現の自由と信念を貫く姿勢に感動できる
-
日本文化を海外に紹介したい人
- 世界的に知られる北斎を題材にした作品
映画の評価が分かれる理由
なぜ評価が3点台なのか?
本作の評価が3.0〜3.4点台に集中している理由として、以下の点が挙げられます:
-
構成の問題:青年期と老年期の分断が強く、観客によっては物語の流れがつかみにくい
-
期待値とのギャップ:北斎という題材への期待が高かった分、「もっと描けたのでは」という意見が多い
-
史実との違い:創作部分が多いため、歴史を知る人ほど違和感を覚える可能性がある
しかし、俳優陣の演技や映像美、テーマ性などは高く評価されており、一定の質は保たれている作品と言えます。
北斎について知っておきたい豆知識
葛飾北斎(1760-1849)
- 90歳(数え年)という当時としては驚異的な長寿
- 生涯で3万点以上の作品を制作
- 改号すること30回、転居は93回
- 代表作「富嶽三十六景」は72歳の時の作品
- ゴッホ、モネ、ドガなど西洋の印象派に多大な影響を与えた
- 娘のお栄(応為)も優れた浮世絵師
関連作品
北斎や浮世絵を題材にした他の作品も合わせてチェック:
- 「百日紅 〜Miss HOKUSAI〜」(2015年):原恵一監督のアニメ映画。北斎の娘・お栄を主人公にした作品
- 「眩(くらら)〜北斎の娘〜」(2017年):NHKドラマ。宮﨑あおい主演で北斎の娘を描く
まとめ:映画「HOKUSAI」の総合評価
映画「HOKUSAI」は、謎に包まれた北斎の青年期を創作で補いながら、90年の生涯を描いた意欲作です。
高評価ポイント
- 柳楽優弥と田中泯のダブル主演による演技の見応え
- 江戸時代の文化人たちの群像劇
- 表現の自由というテーマの普遍性
- 美術・映像の質の高さ
改善の余地があった点
- 4章構成による物語の分断感
- 青年期パートの長さ
- 史実との乖離
評価は賛否両論ありますが、日本を代表する浮世絵師の人生を描いた貴重な映画として、一見の価値はある作品です。特に俳優陣の演技を目当てに観るのであれば、満足度は高いでしょう。
北斎の芸術に興味がある方、時代劇が好きな方、そして表現者の生き様に感動したい方には、ぜひおすすめしたい一本です。
関連情報
- 公式サイト:https://hokusai2020.com/
- 配給:S・D・P
- 上映時間:129分
- レーティング:G(全年齢対象)
- 制作:2020年(公開:2021年)
視聴方法 各種動画配信サービスで視聴可能(2025年10月現在)
参考資料
- Filmarks、映画.com、IMDb等のレビューサイト
- 各種映画メディアの記事・インタビュー
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