フランチャイズの人気業種ランキング|JFA統計で見るチェーン数・店舗数・飲食の業種別比較と収益性の確かめ方

フランチャイズの「人気業種」を公的な統計で比べると、店舗数ではコンビニ(5万7,170店)、学習塾・カルチャースクール(3万4,441店)、介護や家事支援などを含む「その他サービス」(2万4,154店)が上位で、本部(チェーン)の数では「その他サービス」(130チェーン)、薬局・書籍・リユースなどの小売(116)、学習塾・カルチャースクール(97)が多くなっています。一方、業種別の利益率を比べられる公的データはなく、収益性は加盟を検討する本部の法定開示書面で確かめるしかありません。

この記事では、日本フランチャイズチェーン協会(JFA)が公表している2024年度「JFAフランチャイズチェーン統計調査」報告(2025年10月27日発表。2026年10月15日時点の最新)の業種別データを使い、「人気」を本部の数・店舗数・売上高の3つの物差しで並べ直しました。ネット上でよく見る「業種別の利益率ランキング」や「投資額と月商の目安」は、出典が示されていないものが多いため、この記事では扱いません。

統計の見方:3つの物差しで「人気」が変わる

物差し わかること 注意点
チェーン数 その業種で加盟者を募っている本部(ブランド)の多さ。加盟先の選択肢の多さ ブランド数であって企業数ではない。小さな本部も1と数える
店舗数 その業種の広がり。実際に営業している店の多さ 直営店と加盟店の合計。加盟店だけの数ではない
売上高 市場の大きさ 店舗の末端売上高で、利益ではない。値上げでも増える

JFAの統計は、国内のフランチャイズ本部を対象に年1回行われる調査で、一部に推計値を含みます。2024年度(2024年4月〜2025年3月)の全体は、チェーン数1,291、店舗数25万4,478店、売上高29兆2,826億円でした。以下の表は、JFAが公表した業種分類(小売業・外食業・サービス業の内訳30区分)をそのまま使い、数字の大きい順に並べたものです。

チェーン数(本部の数)が多い業種 TOP10

「フランチャイズで人気の業界」を、加盟先の選択肢の多さで見たランキングです。

順位 業種(JFAの分類) 大分類 チェーン数 店舗数
1 その他サービス サービス 130 24,154
2 医薬品・書籍・スポーツ用品・中古品等小売 小売 116 21,860
3 学習塾・カルチャースクール サービス 97 34,441
4 居酒屋・パブ 外食 96 4,530
5 ラーメン・餃子 外食 95 4,549
6 その他ファーストフード 外食 90 7,507
7 焼肉店・その他の一般レストラン店 外食 62 4,038
8 住宅建築・リフォーム・ビルメンテナンス サービス 59 10,161
9 理容・美容 サービス 53 4,037
10 日本料理・寿司店 外食 51 2,154

出典:2024年度「JFAフランチャイズチェーン統計調査」報告の業種別表から作成(2024年度)。

JFAの分類表によると、「その他サービス」には職業紹介、家事支援サービス、マッサージ、介護サービス、ペット関連サービス、冠婚葬祭業、保育所、運送業、情報サービスなどが含まれ、「医薬品・書籍・スポーツ用品・中古品等小売」には薬局、化粧品、書籍、文具、リユース、スポーツ用品店などが含まれます。外食では居酒屋・パブ、ラーメン・餃子、その他ファーストフード(サンドイッチ、フライドチキン、ドーナツ、うどん、お好み焼き・たい焼き店など)に本部が多く集まっています。

本部が多い業種は選択肢が多い反面、同じ業種の中で本部の規模や支援体制の差も大きくなりがちです。チェーン数の多さは「始めやすさ」ではなく「比べる手間がかかる業種」と読むのが実態に近いでしょう。

店舗数が多い業種 TOP10

順位 業種(JFAの分類) 店舗数 前年度比 チェーン数
1 コンビニエンスストア 57,170 100.3% 16
2 学習塾・カルチャースクール 34,441 100.4% 97
3 その他サービス 24,154 100.4% 130
4 医薬品・書籍・スポーツ用品・中古品等小売 21,860 103.4% 116
5 各種総合小売 12,327 104.7% 25
6 リース・レンタルサービス 10,683 96.9% 31
7 住宅建築・リフォーム・ビルメンテナンス 10,161 97.5% 59
8 その他ファーストフード 7,507 102.0% 90
9 コーヒーショップ 7,044 101.8% 41
10 持ち帰り寿司・弁当店 5,774 95.2% 24

出典:2024年度「JFAフランチャイズチェーン統計調査」報告から作成。前年度比は2023年度と2024年度の店舗数から計算。

コンビニは16チェーンだけで5万7,170店と、1チェーンあたりの店舗数が飛び抜けています。学習塾・カルチャースクールは97チェーンで3万4,441店と、本部の数も店舗の数も多い業種です。なお、JFAの業種別動向によると、学習塾・カルチャースクールの区分には24時間営業やパーソナルジムなどのフィットネスクラブも含まれ、フィットネスクラブは店舗数が5.5%増えました。

飲食(外食)のフランチャイズを業種別に比べる

「フランチャイズ 飲食 ランキング」で調べる人が多いため、外食業の12区分をすべて並べました。並びは店舗数の多い順です。

業種 チェーン数 店舗数 店舗数の前年度比 売上高 売上高の前年度比
その他ファーストフード 90 7,507 102.0% 6,155億円 109.4%
コーヒーショップ 41 7,044 101.8% 4,828億円 104.1%
持ち帰り寿司・弁当店 24 5,774 95.2% 3,480億円 100.5%
ハンバーガー 10 5,126 98.3% 1兆421億円 107.8%
カレー・牛丼・各種丼物 19 4,918 103.4% 4,564億円 111.9%
ラーメン・餃子 95 4,549 101.9% 2,591億円 108.0%
居酒屋・パブ 96 4,530 98.6% 2,378億円 101.8%
焼肉店・その他の一般レストラン店 62 4,038 99.7% 4,552億円 107.4%
西洋料理・ステーキ・ピザ・パスタ 42 3,976 99.7% 4,061億円 105.4%
日本料理・寿司店 51 2,154 115.2% 1,379億円 105.4%
アイスクリーム 8 1,283 101.8% 631億円 117.1%
中華料理店 9 966 101.4% 1,248億円 107.4%

出典:2024年度「JFAフランチャイズチェーン統計調査」報告から作成。外食業全体では547チェーン、5万1,865店、売上高4兆6,291億円(前年度比6.9%増)です。

店舗数ではその他ファーストフード、コーヒーショップ、持ち帰り寿司・弁当店が多く、売上高ではハンバーガーが1兆円を超えて最大です。JFAの解説では、カレー・牛丼・各種丼物はオフィス街の売上回復とインバウンド客で売上高が11.9%増、日本料理・寿司店は鰻を専門とするチェーンの出店で店舗数が15.2%増とされています。一方、持ち帰り寿司・弁当店や居酒屋・パブは店舗数が減っています。

1店あたりの売上高(計算値)と「収益性」の違い

業種ごとの売上高を店舗数で割ると、1店あたりの年間売上高の目安が出ます。ただしこれは直営店を含む平均の売上高で、利益ではありません。原価率、人件費、家賃、ロイヤリティは業種によって大きく違うため、売上高が大きい業種ほど加盟店が儲かるとは言えません。

業種(店舗数1,000店以上の主なもの) 売上高÷店舗数(年間、計算値)
コンビニエンスストア 約2億1,420万円
ハンバーガー 約2億330万円
自動車・自転車関係小売 約1億7,830万円
医薬品・書籍・スポーツ用品・中古品等小売 約1億2,020万円
カレー・牛丼・各種丼物 約9,280万円
その他ファーストフード 約8,200万円
コーヒーショップ 約6,850万円
ラーメン・餃子 約5,700万円
理容・美容 約3,070万円
その他サービス 約2,290万円
クリーンサービス・クリーニング 約1,960万円
学習塾・カルチャースクール 約1,500万円

出典:2024年度「JFAフランチャイズチェーン統計調査」報告の売上高と店舗数から計算(10万円の位で四捨五入)。

たとえば学習塾・カルチャースクールやクリーニング、理容・美容は1店あたりの売上高が小さい一方、店舗の規模や人員も小さく、商品の仕入れもほとんどありません。逆にコンビニは売上高が大きくても、売上のかなりの部分が商品の仕入れ代です。「利益率が高い業種」を統計から言い当てることはできないので、ここから先は本部ごとの数字で確かめます。

収益性は「法定開示書面」の収支で比べる

業種の比較で終わらせず、候補の本部どうしを比べるときに使えるのが、中小小売商業振興法にもとづく書面です。同法第11条は、加盟金などを取って商標を使わせる小売業の本部(特定連鎖化事業)に、契約前に一定の事項を書いた書面を渡して説明することを義務づけています(中小小売商業振興法・e-Gov法令検索)。記載事項は中小小売商業振興法施行規則の第10条・第11条で定められており、収益性の比較に直結するのは次の項目です。

施行規則で定める記載事項 収益性を見るときの使い方
立地条件が類似する加盟店の直近3事業年度の収支(売上高、売上原価、ロイヤリティなど定期的に払うお金、人件費、販売費及び一般管理費)と、類似と判断した根拠 業種の平均ではなく、自分の出店候補地に近い条件の店の実績で利益を試算できる
加盟者から定期的に徴収する金銭の額または算定方法 売上歩合か定額かで、売上が落ちたときの負担が変わる
直近3事業年度の加盟店の数の推移(新規開業・解除・更新・非更新の店舗数) 解約や非更新が多くないか。店舗数の伸びだけを見ない
本部の直近3事業年度の貸借対照表と損益計算書 本部自体の経営が安定しているか
直近5事業年度の加盟者との訴訟の件数 本部と加盟店のトラブルの多さの手がかり
営業時間・休業日、近隣への同一チェーンの出店に関する規定、契約解除時の違約金の算定方法 働き方の負担と、やめるときのコスト

この法律の対象は小売業の本部ですが、公正取引委員会のフランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方は業種を問わず、本部が予想売上や予想収益を示すなら、類似した環境の既存店の実績などの根拠と合理的な算定方法にもとづき、その根拠を加盟希望者に示す必要があるとしています。既存店の平均から作った「モデル収益」は、予想売上ではないことがわかるように示す必要がある、とも書かれています。サービス業の本部を比べるときも、同じ項目の資料を出してもらえるかを確かめるとよいでしょう。

業種を絞るときのチェックポイント

  1. 自分が現場に立つか、経営に専念するか:店舗数の多い業種でも、オーナーが店に立つ前提の本部と、店長を雇う前提の本部があります。営業時間と休業日は書面の記載事項です。
  2. 資金の規模:加盟金・保証金・内装・設備などの初期費用は本部ごとに違います。内訳の見方はフランチャイズの初期費用(初期投資)はいくら?、資金の集め方はフランチャイズの開業資金はどう調達する?にまとめています。
  3. 業界の流れ:業種全体が伸びているか縮んでいるかは前年度比で見ます。2024年度に伸びた業種・縮んだ業種の背景はフランチャイズの成長業界とトレンド|JFA統計で見る伸びている業種で詳しく扱っています。
  4. やめるときの条件:中途解約の違約金や、契約終了後の競業禁止の規定も書面に載ります。失敗の典型例はフランチャイズで失敗する原因とは?を参考にしてください。

統計は毎年10月ごろに更新されています。2025年度の統計が公表されたら、JFAのフランチャイズチェーン統計調査のページで最新の数字に置き換えて確認してください。

業種選びの一例:プログラミングスクールというFC

教育系は在庫を持たず、店舗の広さに売上が左右されにくい業種です。この記事を掲載しているテックジム自身もプログラミングスクールのフランチャイズ加盟者を募集しており、その考え方はテックジムFC講座で説明しています。他社を含めた加盟条件の比較はプログラミングスクールのフランチャイズ20社比較にまとめました。

よくある質問

Q. フランチャイズで人気の業種は何ですか?

JFAの2024年度統計では、店舗数ならコンビニ(5万7,170店)、学習塾・カルチャースクール(3万4,441店)、その他サービス(2万4,154店)が上位です。本部の数(チェーン数)では、その他サービス(130)、医薬品・書籍・スポーツ用品・中古品等小売(116)、学習塾・カルチャースクール(97)が多くなっています。

Q. 飲食フランチャイズで店舗数が多い業種はどこですか?

JFAの2024年度統計の外食業12区分では、その他ファーストフード(7,507店)、コーヒーショップ(7,044店)、持ち帰り寿司・弁当店(5,774店)、ハンバーガー(5,126店)、カレー・牛丼・各種丼物(4,918店)の順です。売上高ではハンバーガーが1兆円を超えて最大です。

Q. フランチャイズの利益率ランキングはありますか?

業種別の利益率を比べられる公的な統計は公表されていません。JFAの統計が示すのはチェーン数・店舗数・売上高までです。利益は、本部が交付する法定開示書面に載る、立地条件が類似する加盟店の直近3事業年度の収支(売上高・売上原価・ロイヤリティ・人件費など)で確かめます。

Q. 1番儲かるフランチャイズの業種はどれですか?

公的なデータからは言えません。1店あたりの売上高はコンビニやハンバーガーが大きいものの、売上高は利益ではなく、仕入れや人件費の割合は業種で大きく異なります。候補の本部ごとに、類似した立地の加盟店の収支を出してもらって比べるのが確実です。

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