エンジニア目線のデザイナー選び、ディレクションの秘訣〜みんなのプログラミングチャンネル vol.29〜

今回は、みなさんがエンジニアとして働く上で大きな落とし穴になりかねない「デザイナーの選び方とディレクションの話」です。

デザイナーとエンジニアって「専門職、技術職、作る人」みたいな部分で、共通点がありそうな感じがしますよね。

確かにデザイナーもエンジニアも「本人がそのように名乗ればなれてしまう職業」ではあります。今回はデザイナーとエンジニアのスタンスの違いが引き起こす罠について述べていきます。

■こういうデザイナーに気をつけろ

一言で言うと、クライアント目線になれないデザイナーです。

小さい頃にちょっと絵がうまいということで褒められ続け、それで仕事にしちゃったというような人。「フォトショップとイラストレーター」を単に使いこなせるだけの人。

「テープ起こしとかデータ入力をする作業者」みたいな自称デザイナーにクリエイティブなことを求めても仕方ありません。

こういう人、フリーランスに非常に多いです。
どこかの自社サービス企業にお勤めのデザイナーは社内クライアントに色々と揉まれてスキルを磨いているので、なかなか市場に出てきません。いいデザイナーは優良企業が囲い込んでいます。

一番いいのは開発会社や業歴の長いエンジニアにデザイナーを紹介してもらうことです。

とはいえ、実際に聞いてみるといいデザイナーは少ないことがわかります。
ということは、本当に上記のような人がたくさんいるという前提で仕事をしなくてはなりません。

■素人だからこそ良いデザインが書ける?

多くの発注者がデザイナーの仕事に満足ができない理由はどこにあるでしょうか。

実は、発注者が自分がデザインの素人であることを言い訳にしてディレクションをサボっているからです。

絵の原案は開発者(発注者)が自ら鉛筆で書くことにつきます。

それを奇麗にお化粧してくれたり、もっとよいアイデアを入れてくれるのがデザイナーの仕事だとおもいます。

今の時代、身の回りは一流クリエイターの作品で溢れかえっています。

発注者も「イチ消費者」として一流の広告、ブランド品、建築物に触れているわけです。

だから素人でもgoogleイメージ検索などを駆使することで良いデザインが描けますし、自分のイメージを十分に伝えることができるのです。

デザイナーに丸投げでオリジナルを作ってもらうよりも、こちらで用意した原案をデザイナーに上手に模倣してもらうことがディレクションの腕の見せ所です。

■「20回のリテイク」の考え方がエンジニアとデザイナーで違う

イメージを持っている発注者の方が良いデザインの下地を提供することができるわけですから、しっかりとイメージを伝えた上で、ただフォトショップとイラストレーターの作業だけを、「20回くらいの修正に付き合ってくれる」デザイナーにお願いすればいいことなのです。

(※最初はこれぐらいのリテイク数かもしれませんが、お仕事を継続するにつれて、一発OKも増えてきます。最初が肝心という意味で、無闇矢鱈にリテイクしろということではありません。)

20回のリテイクというと多いかもしれませんが、エンジニアの場合、仕様変更が20回・30回というのは当たり前の世界ですから、それと同等の工数をデザインにも割けばいいものが作れるということです。

「そんな。勘弁しろよ」というデザイナーが多いかもしれません。

でも、エンジニアにとってはリテイクは当たり前。
そのスタンスの違いが「いいデザイナーは少ない」という意見につながっているのでしょう。

■友達のデザイナーに依頼するな。必ず甘えが生じる。

友人のデザイナーに頼むとリテイクが依頼しづらくなります。

やはり緊張感もって仕事に対峙してくれる方に依頼した方がいいです。
その分きちんとギャラは払いましょう。発注を何段階かに分けるのも手です。

ということで、デザイナーの裾野は広いので、しっかりと自分のイメージを形にして見せること、妥協せずにクソデザインには「NO」を言える環境で付き合うことが大事です。

今回は一部のデザイナーが嫌がりそうな記事を書いてみました。

しかし、実は、イケてるデザイナーの代弁だったりします。
「クライアントよ。もっと勉強、研究してからディレクションしてくれよ」ということです。

デザイナーもエンジニアもお互い切磋琢磨できる関係値で行きたいですね。
デザイナー目線で、「こんなエンジニアは嫌だ」というご意見もお待ちしております。