90歳の現役アプリ開発者・鈴木富司さんが作った「アレモッタ」とは？忘れ物防止の決定版アプリ
「出かける前に、あれ持った？」
外出前の忘れ物チェック、誰もが経験する日常の一コマです。特にシニア世代の方にとって、財布、スマホ、鍵、薬、保険証など、持ち物を確認することは重要な習慣となっています。
そんな悩みを解決するために誕生したのが、忘れ物防止アプリ「アレモッタ」です。
このアプリの開発者は、なんと90歳の現役アプリ開発者・鈴木富司さん（通称：トミ爺）。自身の実体験から生まれたこのアプリには、シニア世代への深い理解と優しさが詰まっています。
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目次
「アレモッタ」とは？
アプリの概要
アレモッタは、出かける前の持ち物チェックをサポートする音声付きスライドショー形式の忘れ物防止アプリです。
- App Store: https://apps.apple.com/jp/app/アレモッタ/id6753201777
- 対応端末: iPhone、iPad
- 価格: 無料（プレミアム版：300円買い切り）
- 開発者: 鈴木富司（Tomiji Suzuki）
主な機能
1. 音声付きスライドショー機能
持ち物や用事を、音声とともに画面に次々と表示。耳と目で確認できるため、小さな文字を読むのが苦手な方でも安心です。
2. 183項目の固定項目
以下のような基本的な持ち物から、シーン別の持ち物まで幅広くカバー：
- スマートフォン、財布、鍵などの必需品
- 通院、買い物、旅行、ゴルフ、釣りなど、生活シーン別の持ち物
- 26個の固定グループで整理
3. 自作項目追加機能
各グループごとに最大20個まで自作項目を追加可能：
- 名前を付ける
- カメラや写真から画像を選択
- 自分の声や自動生成音声で読み上げを登録
- 「赤い眼鏡」「青い薬」など、個人的な持ち物も管理可能
4. スピード調整機能
0.5秒、1秒、3秒、4秒、6秒の5段階から選択可能：
- 0.5秒: 無音で高速チェック
- 1秒・3秒: 音声付きでゆっくり確認
5. 3種類の音声
- 孫娘の小学生の声
- 男性の声
- 無音
6. カスタマイズ可能なグループ
26個の固定グループに加えて、最大19個まで追加グループを作成可能。「ダンス」「コーラス」「サークル活動」など、自分のライフスタイルに合わせた分類ができます。
開発のきっかけ：90歳の実体験から
入れ歯を忘れた新幹線事件
鈴木富司さんが「アレモッタ」を開発したきっかけは、ご自身の失敗体験でした。
新幹線に乗ろうとしたときに入れ歯を忘れたことに気づいたことがアプリ開発のきっかけとなりました。
この経験から、「高齢者にはこういうことがつきものなんです」と鈴木さんは語っています。そして、自分と同じような悩みを持つシニア世代のために、忘れ物を防ぐためのアプリを作ることを決意しました。
孫娘の声を使った優しさ
アプリの音声には孫娘の声を採用。家族のような温かみのある声で、持ち物を確認できる工夫がされています。これにより、機械的な音声ではなく、親しみやすく優しい雰囲気でチェックができます。
鈴木富司さんとは？
プロフィール
- 氏名: 鈴木富司（すずき とみじ）
- 愛称: トミ爺
- 生年: 1935年生まれ
- 経歴: 元三菱商事社員
- 自動車の海外事業
- 新規事業開発
- 大規模テーマパーク事業に従事
- 現在: 現役アプリ開発者
プログラミングとの出会い
鈴木さんがプログラミングを始めたのは、なんと74歳の時。
リタイヤ後の2013年からスマホアプリ開発に没頭しました。元商社マンで、ITのバックグラウンドはありませんでしたが、独学でSwiftを習得。
「自分でアプリを開発できる–そうすればアップルが世界中に売り出してくれる–と知ったとき、素晴らしいアイデアだと感じました」と語っています。
ChatGPTを活用した開発
最新のアプリ開発では、ChatGPTに約1000問の質問を投げかけながら開発を進めました。
90歳にして、最新のAI技術を活用する姿勢は、多くの人に勇気と刺激を与えています。
開発哲学
鈴木さんは著書「84歳トミ爺、60歳からアプリ開発を目指す若者に」の中で、60歳を「若者」と呼んでいます。
この前向きな姿勢こそが、90歳での現役開発を可能にしている秘訣なのかもしれません。
鈴木富司さんの他のアプリ
鈴木さんは「アレモッタ」以外にも、日本の高齢化人口を助けるために11の無料iPhoneアプリを開発しています。
主なアプリ紹介
-
オシッコ回数記録 Ver.2
- 看護師さんに「昨日のオシッコ回数」を伝えるための記録アプリ
-
音声入力アシスト
- 音声入力による原稿作成アプリ
- カーソル移動などの操作をボタンで簡単に
-
あいうべ体操実践
- 時計に合わせて「あいうべ体操」を実践
- 回数を記録
-
読み上げウォッチ（健康法を支える）
- 85歳の時に「片足立ち健康法」のために開発
-
スマホの勉強シリーズ
- シニアのためのiPhone使い方アプリ
- トミ爺が語る使い方講座
-
お出かけ準備読みあげスライドショーベーシック
- 「アレモッタ」の前身となるアプリ
すべてのアプリに共通するのは、シニア世代の実際の困りごとを解決するという明確な目的があることです。
シニアにも使いやすいデザイン
大きなボタンと日本語ラベル
操作画面はシニアの方にも分かりやすいように設計されています：
- 大きなボタン: タップしやすいサイズ
- 日本語のラベル: 「戻る」など、分かりやすい文字表示
- シンプルな操作: 基本的には「ボタンを押す」「画面に触れる」だけ
- 複雑なジェスチャー不要: 長押しやピンチなどは極力避ける
いつでも戻れる安心設計
新しい画面に移動しても、いつでも元に戻れるように「戻る」ボタンを配置。迷子にならない配慮がされています。
無料版とプレミアム版
無料版
- バナー広告付き
- 追加グループ: 2つまで
- 各グループの自作項目: 2件まで
- ずっと無料で利用可能
プレミアム版（300円・買い切り）
- 広告なし
- 追加グループ: 19個まで
- 各グループの自作項目: 最大20件まで
- 月額制ではなく、一度きりの購入でずっと使える
プレミアム版にアップグレードすれば、本格的な「マイ忘れ物チェックシステム」として活用できます。
「アレモッタ」はこんな人におすすめ
シニア世代の方
- 外出前の忘れ物が心配な方
- 小さな文字を読むのが苦手な方
- 耳から情報を得る方が楽な方
- 複数の持ち物を管理したい方
ご家族の方
- 親や祖父母の外出をサポートしたい方
- 遠方に住む家族の忘れ物を減らしたい方
- 玄関にiPadを置いて家族全員で使いたい方
幅広いシーンで活用
- 通院: 保険証、診察券、お薬手帳
- 旅行: パスポート、航空券、着替え
- ゴルフ: クラブ、シューズ、グローブ
- 買い物: エコバッグ、財布、ポイントカード
- 趣味活動: ダンス、コーラス、サークル用品
90歳でも挑戦できる：鈴木さんからのメッセージ
鈴木さんは、高齢者向けアプリの開発について次のように語っています：
「高齢者向けアプリの開発者になるにはハードルが高いが、一度この世界に足を踏み入れると、とても楽しいことがわかります」
「定年後にやることがない人は、ぜひ調べてみてください。新しい自分を発見できるかもしれません」
兄弟全員80歳オーバーでZoomミーティング
鈴木さんは兄弟全員80歳オーバーでZoomミーティングを毎週開催しており、最年少81歳、最年長89歳というメンバー構成です。
この活動的な姿勢が、90歳での現役開発を支えているのでしょう。
シニアプログラミングの可能性
鈴木富司さんの活動は、「シニアプログラミングネットワーク」でも紹介されており、シニア世代のプログラミング普及活動にも力を入れています。
シニアプログラミングの利点
- 当事者ならではの視点: 自分自身が困っていることを解決できる
- 時間の自由: 上司も納期もない自由な開発
- 世界への発信: App Storeを通じて世界中に届けられる
- 生きがいの創出: 「私はアプリ開発者」という誇り
鈴木さんは「シニアの趣味が読書、囲碁に引き続き『プログラミング』になることを願っています」と述べています。
まとめ：年齢は関係ない、挑戦の心が大切
90歳の現役アプリ開発者・鈴木富司さんが作った「アレモッタ」は、以下の特徴を持つ忘れ物防止アプリです：
- 音声付きスライドショーで耳と目でチェック
- 183項目の固定項目と自作項目追加機能
- シニアにも使いやすい大きなボタンと分かりやすい操作
- 無料版でも充分使える、プレミアム版は買い切り300円
鈴木さんの「入れ歯を忘れた」という実体験から生まれたこのアプリは、同じような悩みを持つ多くのシニア世代の助けとなっています。
90歳でアプリ開発を続け、ChatGPTなどの最新技術も活用する鈴木富司さんの姿勢は、年齢に関係なく挑戦を続けることの大切さを教えてくれます。
「アレモッタ」ダウンロード
App Store: https://apps.apple.com/jp/app/アレモッタ/id6753201777
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