オンライン授業・オンライン学習のデメリットと対策|調査データとメリットも整理
オンライン授業の主なデメリットは、質問ややりとりがしにくいこと、対面より理解しにくいこと、人と関わる機会が減ること、自己管理が難しいことです。文部科学省の大学生調査でも同じ点が「悪かった点」に挙がっていますが、場所とペースを選べるという利点もあるため、弱点を補う工夫をしたうえで対面と使い分けるのが現実的です。
この記事では、オンライン授業・オンライン学習のデメリットを、公的な調査の結果と教える側の経験から整理し、メリットと具体的な対策もあわせて説明します。学校の授業、塾、社会人のオンライン講座のどれにも当てはまる内容です。
オンライン授業(オンライン学習)とは
オンライン授業は、パソコンやスマートフォンを使い、インターネット経由で受ける授業のことです。大きく次の2つの形があります。
| 形式 | 内容 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| ライブ型(同時双方向型) | Web会議ツールなどで、決まった時間に先生と受講者がつながる | 質疑応答やグループ活動があるもの |
| オンデマンド型 | 録画された動画や教材を、好きな時間に視聴・学習する | 自分のペースで繰り返し見たいもの |
「オンデマンド」は「要求に応じて」という意味で、見たいときに見られる形式を指します。デメリットの出方は形式によって違い、オンデマンド型は特に「質問できない」「後回しにしやすい」点が目立ちます。
データで見るオンライン授業のデメリット
オンライン授業の良し悪しを学生に直接たずねた公的な調査として、文部科学省の「新型コロナウイルス感染症の影響による学生等の学生生活に関する調査」があります。2021年3月に、無作為に抽出した大学生・高専生などに実施し、有効回答は1,744名です。
この調査では、2020年度後期に履修した授業のほとんど、またはすべてがオンラインだった学生が全体の約6割でした。そのうえで、調査結果は次のようにまとめられています。
- 良かった点:自分の選んだ場所で授業を受けられること、自分のペースで学修できること
- 悪かった点:友人と一緒に受けられないこと、レポートなどの課題が多いこと、質問など双方向のやりとりの機会が少ないこと、対面授業より理解しにくいこと
- 満足度:全体では「満足」側の回答が「不満」側より多い一方で、「満足していない」が5.7%、「あまり満足していない」が14.9%あった
文部科学省は、理解のしにくさや人との関わりがないことなど、教育の質に関わる課題で不満を持つ学生がいるとして、学生の声を聞いて質を高める必要があるとしています。
出典:新型コロナウイルス感染症の影響による学生等の学生生活に関する調査(結果)(文部科学省)
この調査は、多くの大学が急いでオンラインに切り替えた時期のものです。ただ、「双方向のやりとりが少ない」「理解しにくい」「友人と関われない」という指摘は、オンライン授業の形式そのものに由来するもので、今のオンライン講座にもそのまま当てはまります。
オンライン学習の主なデメリット
1. 質問しにくく、つまずきが放置される
教室なら、手を挙げたり、休み時間に声をかけたりして気軽に聞けます。オンラインでは、大勢の前でマイクやチャットを使って質問するのはハードルが高く、「こんな初歩的なことを聞いてよいのか」とためらううちに授業が先へ進んでしまいます。オンデマンド型では、そもそもその場で聞ける相手がいません。
2. 対面より理解しにくい
文部科学省の調査でも「対面授業より理解しにくい」が悪かった点に挙がっていました。教える側から見ると、受講者の表情や手元が見えないため、どこでつまずいているかに気づきにくいという問題があります。
テックジム代表は、1か月間の企業研修でPythonを教えた経験から、オンラインでは受講者のキーボード操作が見えず、画面共有でも実際のつまずきが見えにくかったこと、教室なら20人を同時に見られるのにオンラインでは4人ほどが限界だったことを書いています(オンライン講座の参加者の約半数がGitのインストールで離脱した。対面とオンラインで学びが変わる理由)。
3. 人と関わる機会が減る
同じ調査では「友人と一緒に授業を受けられない」も悪かった点として多く挙がりました。一緒に学ぶ仲間がいると、分からないところを教え合ったり、続ける励みになったりします。オンラインではこうした横のつながりが生まれにくく、孤独を感じやすくなります。
4. 自己管理が難しく、後回しにしやすい
通学の必要がなく時間の自由がきく反面、始める時間も終える時間も自分で決めなければなりません。オンデマンド型は「あとで見よう」と思っているうちに未視聴の動画がたまりがちです。自宅にはスマートフォンや家事など、気が散る要素も多くあります。
5. 課題の負担が重く感じやすい
対面の授業中に行っていた確認や演習が、オンラインではレポートや小テストなどの課題に置き換わることがあります。文部科学省の調査でも「レポート等の課題が多い」が悪かった点に挙がっていました。
6. 通信環境や機材に左右される
回線が不安定だと、映像や音声が途切れて内容を聞き逃します。パソコンやカメラ、マイクの不調、アプリの設定など、授業の中身とは関係のないトラブルで時間を失うこともあります。
7. つまずいた瞬間にやめやすい
オンラインでは、分からなくなったときに画面を閉じれば抜けられます。テックジム代表が会員から聞いた話として、他社が開いたオンラインのClaude Code講座では、参加者の約半数がGitのインストールの段階で離脱したそうです。これは会員ひとりの伝聞ですが、代表自身もオンライン講座を開いていたころ、最初にPythonを動かす段階で一定数の参加者が離脱する場面を何度も見てきたと書いています。
オンライン学習のメリット
デメリットだけでなく、オンラインならではの利点もはっきりあります。
- 場所を選ばない:自宅や外出先から受けられ、通学の時間と交通費がかからない
- 自分のペースで学べる:オンデマンド型なら、生活に合わせて時間を決められる
- 繰り返し見直せる:録画があれば、分からなかった部分を何度でも確認できる
- 選択肢が広がる:住んでいる地域にない講座や先生の授業も受けられる
文部科学省の調査でも、場所とペースの自由が「良かった点」として多く挙がっていました。オンラインは悪い学び方なのではなく、向いている内容と向いていない内容がある、と考えるのが正確です。
デメリット別の対策
| デメリット | 学ぶ側でできる対策 |
|---|---|
| 質問しにくい | つまずいたら最初の5分で質問する。チャットに質問を書いておく。質問できる時間や相手を先に確認しておく |
| 理解しにくい | 見るだけで終わらせず、同じ操作や問題を自分の手で再現する。録画を区切って見直す |
| 人と関われない | 一緒に学ぶ友人や勉強会を作る。質疑応答のある回に参加する |
| 自己管理が難しい | 受ける時間を予定表に固定する。1回分を短く区切る。スマートフォンを別の部屋に置く |
| 通信・機材トラブル | 前日までに接続と音声を試す。必要なソフトの準備を授業の前に済ませる |
| つまずいてやめてしまう | 考える時間に上限を決め、それを過ぎたら人に聞く。最初の関門だけでも対面で教わる |
なかでも効果が大きいのは、分からないことをその場で聞ける状態を作ることです。テックジムのプログラミング独学で挫折する原因と対策では、「30分考えて進まなければ人に聞く」という線引きをすすめています。時間を区切らないと、分からないまま何日も止まってしまうためです。
オンラインと対面、どちらが向いているか
| オンラインが向いている人・内容 | 対面が向いている人・内容 |
|---|---|
| 自分で予定を決めて進められる人 | 一人だと後回しにしがちな人 |
| 講義を聞いて理解する内容 | 手を動かしながら覚える内容 |
| 通学の時間が取れない人 | つまずいたときにすぐ聞きたい人 |
| すでに基礎がある分野の学び直し | まったくの初めての分野 |
どちらか一方に決める必要はありません。最初の基礎や難しいところは対面で教わり、慣れてきたらオンラインで補う、といった組み合わせも有効です。
プログラミング学習の場合
プログラミングは、講義を聞くよりも、自分でコードを書いてエラーを直す時間で身につく分野です。そのため、オンラインの弱点である「手元が見えない」「すぐに質問できない」がそのまま学習の止まる原因になりやすく、特にパソコンの準備(環境構築)でつまずく人が多くいます。オンラインのスクールを選ぶときの注意点はオンラインのプログラミングスクールの注意点とメリット、対面で学ぶ選択肢はプログラミングのオンライン学習が無理な人へ|対面・通学型スクールという選択肢にまとめています。
テックジムは、永田町に東京本校がある対面・通学型のプログラミングスクールです。自分のペースで学び、分からなくなったときにトレーナーに質問できる形で、入会金33,000円+月額22,000円で通い放題です。まず雰囲気を知りたい方は無料講座を利用できます。
よくある質問
Q. オンライン授業のデメリットを示すデータはありますか?
文部科学省が2021年3月に大学生などを対象に行った調査(有効回答1,744名)があります。オンライン授業の悪かった点として、友人と受けられない、課題が多い、質問など双方向のやりとりが少ない、対面より理解しにくい、が多く挙がりました。
Q. オンライン授業でコミュニケーション不足を補うにはどうすればよいですか?
質問をためずにチャットや質疑応答の時間に出すこと、一緒に学ぶ友人や勉強会を作ること、質疑応答のある回を選んで参加することが効果的です。最初の関門だけでも対面で教わると、その後のオンライン学習も続けやすくなります。
Q. オンデマンド授業の欠点は何ですか?
その場で質問できないことと、いつでも見られるために後回しにしやすいことです。視聴する時間を予定表に固定し、見るだけで終わらせずに内容を自分の手で再現すると、欠点を補えます。
Q. オンライン学習にメリットはありますか?
あります。場所を選ばず、通学の時間と費用がかからないこと、自分のペースで進められること、録画を繰り返し見直せることが主な利点です。文部科学省の調査でも、場所とペースの自由が良かった点として多く挙がっていました。
まとめ
- オンライン授業の主なデメリットは、質問しにくさ、理解のしにくさ、人と関わる機会の少なさ、自己管理の難しさ
- 文部科学省の大学生調査でも、双方向のやりとりの少なさや理解のしにくさが悪かった点に挙がった
- 場所とペースを選べる、繰り返し見直せるといったメリットも大きい
- すぐに質問できる状態を作ること、見るだけで終わらせず手を動かすことが一番の対策
- 初めての分野や手を動かす内容は、対面とオンラインを組み合わせると続けやすい





