JR四ツ谷駅周辺の歴史スポット完全ガイド｜観光・アクセス情報まとめ
JR四ツ谷駅は、東京都新宿区と千代田区にまたがる交通の要所です。この周辺エリアには、江戸時代から明治・大正時代にかけての豊富な歴史スポットが点在しており、東京観光やちょっとした散策にぴったりの場所となっています。本記事では、四ツ谷駅から徒歩圏内でアクセスできる主要な歴史スポットを詳しくご紹介します。
目次
迎賓館赤坂離宮
基本情報
迎賓館赤坂離宮は、四ツ谷駅から徒歩約7分の場所にある国宝建築物です。
歴史
明治42年（1909年）に東宮御所として建設された迎賓館赤坂離宮は、日本唯一のネオ・バロック様式による宮殿建築物です。建築家片山東熊の代表作ともいうべき建築物で、明治から大正にかけて活躍した山口県出身の建築家が設計しました。
見どころ
迎賓館では以下の施設を見学できます：
本館
- 賓客のサロンとして使われる最も格式の高い「朝日の間」
- 鳳凰の一種で「鸞（ラン）」と呼ばれる架空の鳥のレリーフがある「彩鸞（サイラン）の間」
- 謡曲「羽衣」の景趣を描いた大絵画が天井に見られる「羽衣の間」
庭園
- 四季折々の花々咲く主庭では、東宮御所時代から変わらぬ姿で水を湛える国宝の噴水を見ることができます
和風別館（游心亭）
- 昭和49年の迎賓館の大改修時に新設された迎賓施設で、諸外国の賓客を「和」のおもてなしで迎える場所
参観情報
- 参観料金: 本館・庭園→一般1,500円、大学生1,000円、中高生500円、小学生以下無料
- 開館時間: 10:00～17:00（本館参観は16:00、庭園参観は16:30に受付終了）
- アクセス: JR中央線・総武線「四ツ谷」駅より徒歩約7分、東京メトロ丸の内・南北線「四ツ谷」駅より徒歩約7分
四谷見附跡
歴史と概要
四谷見附は、江戸城三十六見附と呼ばれた見附門（見張り役の番兵が駐在する城門）の1つです。現在、都内の地名に「見附」として残っているのは、この四谷と赤坂のみです。
現在の新宿通り（麹町大通り）は、半蔵門から四谷見附を経て甲州街道へ出る重要なルートに位置していました。この道筋は武蔵国の国府（府中）に通じる道でもあり、開府当時はまだ戦乱が続いていたので、いざという時に将軍が甲府へ逃れるという脱出路にもなっていた重要な城門として四谷御門とも呼ばれていました。
建設と現在の状況
門の普請は1636年（寛永13年）に始まりました。普請を担当したのは長門萩藩主毛利秀就です。常勤の番士は3名で、羽織袴を着用して警備に当たっていました。
明治になって道路の拡幅などから枡形を壊し、現在は新宿通りを挟んで、左右の石垣だけが残っているように見えます。しかし実際にはJR四谷駅麹町口の駅舎下にも石垣の一部が残されています。
四谷見附橋
新宿通りに架けられた四谷見附橋は、近接する赤坂離宮とのデザイン的な調和を図り、橋自体も赤坂離宮に倣ってネオ・バロック様式の装飾を施して設計されました。1911年（明治44年）に着工し、1913年（大正2年）に竣工した都内最古の上路式アーチ橋でした。
四谷大木戸跡
歴史
四谷大木戸は、江戸の四谷に設けられていた、甲州街道の大木戸（街道を通って江戸に出入りする通行人や荷物を取り締まるための関所）である。現在の東京都新宿区四谷4丁目交差点の位置にあった。
1616年（元和2年）、江戸幕府により四谷の地に、甲州街道における江戸への出入り口として大木戸が設けられた。地面には石畳を敷き、木戸の両側には石垣を設けていた。
玉川上水との関係
大木戸に隣接する場所に、1653年（承応2年）に完成した玉川上水の四谷水番所が設けられ、ここまで開渠で蓋をせずに水を引いていて、ここから地中の木樋や石樋を使い水を分配し江戸城内や江戸市中へ配水していた非常に重要な施設だった。
現在の遺構
四谷大木戸の位置は現在の東京都新宿区四谷4丁目交差点にあたり、その交差点上は「四谷大木戸跡」として東京都指定旧跡となっている。
四谷大木戸跡の石碑は複数ある。ひとつは4丁目交差点の北東の角にある。もうひとつは交差点の西にある新宿区立四谷区民センター（新宿区内藤町87番地）の敷地内交差点寄りの位置にある。石碑のひとつは1959年（昭和34年）の地下鉄丸ノ内線の工事の際に見つかった玉川上水の石樋を使い作られたものである。
上智大学四谷キャンパス
歴史と概要
上智大学は1913年創立、1928年大学設置の日本最古のカトリック教会系大学である。上智大学の起源は、1549年（天文18年）、カトリック教会イエズス会の宣教師であったフランシスコ・ザビエルが、日本人の旺盛な知的好奇心や高い道徳性、誠実性に感銘を受けたこと、また当時の足利学校や五山における高度な学問・教育の存在を知り、「日本のミヤコ（都）に大学を」と日本での高等教育機関開設を構想したことにある。
キャンパスの特徴
上智大学は、9学部29学科がすべて四谷キャンパスに集結しています（看護学科の一部の授業を除く）。文系・理系を問わず、1つのキャンパスで学ぶことで、多様な価値観に触れることができます。
歴史的建造物
昭和7年（1932年）建造。空襲にも耐え、歴史ある建物として今もその存在感を誇ります。創設当時は学長室などがあり大学の中心的な機能を果たしていましたが、現在は教室として使用されています。
聖イグナチオ教会
基本情報
聖イグナチオ教会ことカトリック麹町教会は、JR四ツ谷駅前にあたる東京都千代田区麹町六丁目にあるカトリック東京大司教区の教会およびその聖堂。イエズス会に運営を委託されており、上智大学に隣接する。
歴史
17,439人（2021年現在）の信徒をかぞえ、日本最大級の教会となっている聖イグナチオ教会。その前身は、1936年に設立された「幼いイエズスの聖テレジア教会」です。
聖テレジア教会は1945年の大空襲により全焼。終戦直後の物資不足の中、1949年にこの場所に完成したのが聖イグナチオ教会です。教会の名前は、イエズス会の創立者イグナチオ・デ・ロヨラと、イエズス会修道士で教会の設計を担当した建築家イグナチオ・グロッパーに由来しています。
現在の建物
1995年（平成7年）4月17日、第1期工事が着工する。1997年（平成9年）9月20日、旧聖堂最後の司祭叙階式が行われ、翌1998年（平成10年）1月、新聖堂の第1期工事が完成し、1月10日、11日に遷堂式が行われた。1999年（平成11年）4月6日には第2期工事が竣工し、現在の教会が完成した。
建築的特徴
聖イグナチオ教会には、四ツ谷駅からも見える楕円形の主聖堂をはじめ、マリア聖堂やザビエル聖堂といったより小規模な聖堂があります。楕円形の主聖堂。キリストの復活の象徴である卵を表しています。日本画家の上野泰郎が原画を制作した12枚のステンドグラスは、火や水、樹など自然をモチーフにしています。
アクセス
JR中央線(麹町出口)/東京メトロ 丸の内線・南北線(赤坂出口) 四ツ谷駅下車（徒歩1分 上智大学手前）
津の守弁財天
基本情報と歴史
車力門通りから下って行ったところに策の池と呼ばれる池があり、弁財天が祀られていました。美濃国高須藩々主松平摂津の守がこの付近を拝領し上屋敷としたことから、津の守弁財天と呼ばれたそうです。
策(むち)の池は徳川家康が馬の鞭を洗ったところに由来しているらしい。
特徴
神秘的な雰囲気の池で、テレビ番組の新宿DASHで底の泥を掬い取った時には巨大なすっぽんが現れたそうです。津の守弁財天は、荒木町という小粋な飲食店街の近くにひっそりと佇んでいる、知る人ぞ知る歴史スポットです。
アクセス情報
JR四ツ谷駅について
四ツ谷駅（よつやえき）は、東京都新宿区四谷一丁目にある、東日本旅客鉄道（JR東日本）、東京地下鉄（東京メトロ）の駅。駅敷地内に区境があり、JR東日本の大部分および東京メトロ丸ノ内線の一部は千代田区麹町六丁目に所在する。
利用可能路線
- JR中央線（快速）
- JR中央・総武線（各駅停車）
- 東京メトロ丸ノ内線
- 東京メトロ南北線
主要駅からのアクセス時間
- 新宿駅から：約6分
- 東京駅から：約15分
- 渋谷駅から：約12分
おすすめ散策ルート
歴史めぐりコース（所要時間：約3-4時間）
- JR四ツ谷駅（スタート）
- 四谷見附跡（駅すぐ）
- 聖イグナチオ教会（徒歩1分）
- 上智大学キャンパス見学（徒歩1分）
- 迎賓館赤坂離宮（徒歩7分）
- 四谷大木戸跡（徒歩10分）
- 津の守弁財天（徒歩5分）
まとめ
JR四ツ谷駅周辺は、江戸時代から現代に至るまでの東京の歴史を肌で感じることができる貴重なエリアです。江戸時代には徳川家康が江戸幕府を開いた際に「甲州道中」が整備され、街道沿いにあった四谷にも人が集まるようになりました。その後、江戸幕府の西側の警備拠点として「四谷大木戸」（通行人や荷物を取り締まるための関所）が設置されました。
明治時代以降も、迎賓館赤坂離宮や上智大学の設立など、日本の近代化とともに発展を続けてきた四ツ谷。現在でも多くの歴史スポットが残っており、東京観光や歴史散策の拠点として最適な場所となっています。
四ツ谷駅は都心部への交通アクセスも良好で、半日から一日かけてゆっくりと歴史散策を楽しむことができます。ぜひ一度、江戸から令和まで続く四ツ谷の歴史を辿る旅に出かけてみてはいかがでしょうか。
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