頭痛に悩む人は1000万人。気圧と症状、薬の服用のビッグデータを集める「頭痛ーる」はどんなビジネスを拓くのか?
市議会議員の落選経験を持つ廣瀬さん。
なんと選挙の出口調査の集計アプリを提供しておりました。
脱占い戦略、スマホ移行期を乗り切った方法、「居心地のいい会社」の社員評価100%など、いろいろと経営についてお話いただきました。
未上場のIT企業は人材エージェントを使うべきではない。
人材紹介エージェントも人の子である。
よくわからない動物園にキャンディをぶちこみたくない。というより、わからない時点で薦める理由がない。
そもそも、上場目指しているようなIT企業なんだったら、SNSとかダイレクトリクルーティングとか、ウェブを使いこなせるそのスキルでなんとかしろよという話である。
社長の発信力があれば、採用コストゼロなんていう企業もあるのだから、それを、金任せの人任せにするというのは甚だ滑稽な話である。
人は必ず去る。IT業界の離職率は三割。
放っておけば消える。なら、採り続けなけれは死ぬ。それをお金任せというのはいただけない。
さて、広告でもそうだが、認知されている、いわゆるブランドを持っている商品は購入率が高い。
ユーザーが200万人までいかなければ、テレビCMを打つな。みたいなことが言われるのは、ブランドは広告で買えないということなのだろう。
リスティングにしてもある程度のブランドというか実績とか歴史がないと、獲得単価がきつくなる。やはり、広告に頼らずに自然に集客できているかが重要だ。でないと、広告ができないと死ぬということになるからだ。
商品の広告は売上に直結するから、まだしも、人材は売上が上がるまでに、さらにコストがかかる。
上場させた友人はこう言う。
今までじゃ考えられないような人材が採れるんだと。
結局、そういうことだ。採用力はその企業のブランド力なのだから、それはお金で買えない。
とはいえ、上場したら社長は採用に注力しなくてもよくなるし、エージェントが安心してキャンディを送り込めるので、人材を金で買うことができる。
つまり、エージェントは上場企業の御用聞きで十分なのである。そこそこのハイスペックなそつのない人材がそこそこの良い企業に入る。
そこに、分不相応のハイスペック人材をオーダーする無名ベンチャー、しかも、ただの人材採用担当。エージェントからすれば笑い者である。
やるんだったら、代表のお前がやれよという話だ。それをパシリにやらせて、そのパシリに給与を与える。愚の骨頂だ。お前の起業理念なのか起業魂に対して人が集まってるのに、そのお前がその大事な人集めを人任せして、さて、お前はいったい何をやってるのか?
人集めを人事やらエージェントなどの、人任せにしている起業家は俺は信用できない。
これが、俺が人材紹介業を通じて感じたことで、そういう起業家が多かったので、こういう事業から手を引いた理由でもある。
無名ベンチャーを立ち上げたところで、自分と同等の学歴人材は採れない。これが俺が起業して最初に感じたことである。そりゃそうだ。いい大学入っていい企業に入るのが世の常識だ。
お前の会社なんか上場しないとただのゴミ屑なんだ。これがまともに鍛練してきた人材の言い分なのである。
大型の資金調達をしたからといって、すぐにエージェント頼みになるのは早計である。
金はすぐ溶ける。人材もまたすぐ溶けるのである。
エンジニア社員の定着は本当に必要か?
採用人事はよくこう言う。
「うちは定着人材を入れたい」と。
果たして本当にそうなのだろうか?
業務委託でも派遣でも外注でも、スポット案件でも、フリーランスでも、
そのエンジニアと信頼関係があれば、社員であろうがなかろうか、
仕事はうまくいくというのが私の経験からの持論である。
ある仕事でいい感じだったら、また別の機会でお願いできる関係を構築しておけばいいと思っている。
平均するとIT業界の離職率は3割。
エンジニアであろうとなかろうとこの割合だ。
居て欲しくない人材が長くいたら、それこそ問題である。
例えば長居をしている老害エンジニア。
彼らがいる限り、若手エンジニアは流失し続けるだろう。
できれば、成長を続ける人材に長く居てほしい。
これが人事の考えることで、それはもっともだ。
だけど、そのエンジニアとマブダチになっておけば、
いつでも開発の依頼はかけられるし、
そういう友人をたくさん作っておけば、そんなに問題ではなくなる。
問題は嫌な別れ方をすることだと思う。
経営サイドが評価するようなエンジニアたちが、
会社を辞める理由は以下の2つに集約される。
・給与が上がらない
・スキルアップを図れない
逆にいえば、
・給与が上がり続ける環境
・スキルアップを図れる環境
を作っておけば、そのエンジニアが辞める理由はない。
とはいえ、その会社でケアできない場面もある。
だから、一定期間たったら辞めるのはやむ無しというわけだ。
もっとも愚かしいのは、上記の環境を整えようとせず、
「定着しそうなエンジニア」を採用時に判断するということだ。
そうやって採用の口を狭めれば狭めるほど採用は苦しくなる。
こちらが選ぶのではなく、エンジニアが選ぶのであるから、
求人票は魅力的に伝えなければ、彼らの心に刺さるわけがない。
・採用は採用で採用を挙げる工夫をする。
・定着は定着で定着率を高める工夫をする。
これをごっちゃに考えている採用人事が多い印象がある。
ある人にとって未経験な分野であれば、その求人票は魅力的にうつる。
スキルシートの羅列的な求人票は、ペルソナ不在でゴミ屑同然だ。
そして、大抵のゴミ求人票には、上記2点のアピールすらない。
一人一人のエンジニアのキャリアに寄りそうことを意識的にすれば、
自然に文面に伝わってくるのだろうけど、人事はそこがわかっていない。
だからCTOが責任持って求人票を書くべきである。
友人のヘッドハンターが言った言葉を思い出す。
「求人票は社長の胸のうちにある」と。
人事であろうと役員であろうと、社長からすれば「お前なんかいつか他の人に変わってほしい」と思っているものだというわけである。
定着率が悪くて困るのは、採用コストがかかるからだという理由なのであれば、採用コストがかからない努力をすればいい。
社長はいい人材があれば、会社の成長にそぐわない人材と取り替えたいのが本心だからである。
株式会社ポッケ 代表取締役社長 廣瀬周一氏
1976年小田原生まれ。両親の仕事の都合で伊豆大島、横浜、所沢と移り住み、今も在住。大学時代に渋谷のベンチャー企業でアルバイトをし、当時のビットバレーを中心としたITバブルを身をもって体験する。卒業後は位置情報のベンチャー企業に入り、新規事業の企画営業を行う。ポータルサイトの地図サービス導入から、発売されたばかりのGPSケータイを使った車両の運行管理システム、119への緊急通報システムなどを手掛ける。28歳の時に思い立ち所沢市の市議会議員補欠選挙に立候補。
2004年、コールセンター大手「株式会社ベルシステム24」のコンテンツ部門に入社。妊娠・出産・育児サイト『ママニティ』を立ち上げ、このジャンルで日本トップクラスの有料サービスに成長。ママニティを中心としたライフ系事業・収益の柱であった占い事業のマネジメント、子会社であった気象会社の吸収合併、システム統合指揮を経て、コンテンツ事業部の責任者となる。2009年3月、株式会社ベルシステム24コンテンツ事業部は「株式会社ポッケ」として分社化、同代表取締役社長に就任。
現在は二女一男のパパ。趣味はキャンプ。夏は湖畔でカヤックやSUPで水遊びキャンプ、冬は薪ストーブで雪中キャンプなど、年間50泊以上を楽しむ。
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