メタバースビジネスの達人になるための最新トレンドチェックリスト
メタバース本をシコシコ読んでいられない多忙なあなたのために、
これだけ抑えておけば大丈夫という用語やサービス、トレンドな考え方をまとめてみました。
哲学的というが宗教的というか概念的なこの「バズワード」が鬱陶しいあなたには特にオススメです。
ビジネスは具体事例が全てですからね。
■メタバースとは
メタバースとはインターネット上に作られた3D仮想空間のことで、
SF小説「スノウクラッシュ」(1992年)で初めてこの言葉が使われました。
その後、エピックゲームズのCEOが同社のオンラインゲーム「フォートナイト」(2017年)の仮想空間を「メタバース」と呼んでバズワード化しました。
なお、他のメタバース系ゲーム(3DCGゲーム)には、「マインクラフト」「ロブロックス」「Apex Legends」などがあげられます。
広い意味では「あつまれ どうぶつの森」もメタバースに該当することでしょう。
また、NFTとメタバースの融合事例では、「The Sandbox」や「ディセントラランド」では、ゲーム内通貨が取引所で売買され、デジタル上の土地やアイテムがNFTとして売買できます。
■注目のVR端末はどれ?
現状、オキュラスの「クエスト2」一択のような言い方がされますが、
Varjo社(フィンランド)は人の目と同じ解像度を実現したり、
アップルはVRに参入することが確定しております。
なお、オキュラスはandroidで動いており、
アプリ開発にはunityやアンリアルエンジン(エピックゲームズ提供)がサポートしております。
昨今流行ったAR(スマートグラス)の文脈では
Nreal Air、MagicLeap2、HoloLens2(マイクロソフト)、Glass Enterprise Edition2(グーグル)
などが今でも健在です。
ホロレンズはBtoB市場で、医療や製造現場などで、MR端末として頭角を現しています。
スマートコンタクトレンズの分野では、ソニー、サムスン、グーグルが研究中で、
Mojo Vision(モジョビジョン)が特許を取得。
人体からエネルギーを取り出して充電するという研究を進めています。
この分野の発展系はBMI(ブレインマシンインターフェース)です。
脳と情報通信機器をつなぐ技術で、イーロンマスク氏が率いるNeuralinkがにBMIデバイス「LINK」を発表しました。
患者の体温・血圧・運動状況などを監視し、脳卒中や心臓発作などの早期警告が可能になるようです。
手足が不自由な人や視覚や聴覚の障害者な人もメタバース上で健常者と同様な生活ができる可能性を秘めております。
ハード面では、NVIDIAが「エヌビディアオムニバース」という開発プラットフォームを開発。
ブレンダーやアドビと連携を進めています。
また、クアルコムの「スナップドラゴン」はクエスト2やホロレンズ2に採用され、マイクロソフトと連携してARグラス用チップを開発しています。
■注目のメタバースサービス
●ホライゾンワークルーム
Mata(Facebook)がリリースしたZoomの3D版。
アバターとしてログインして3次元のオンライン会議を開くことができる。
なお上半身のみのアバターが特徴で、複数のアバターを使い分けられる。
●プラトー(国土交通署)
法人向けデジタルツイン。日本の都市の3Dデータを無償配布。
都市開発のシミュレーションや、自動運転の機会学習などに活用。
同様のサービスとして、シンガポールが「3D EXPERIENCity」がある。
●REAITY
GREEの子会社(同名)によるアバターコミュニティ。
会話をしたりライブ配信したりできる。
●Cluster
スマートフォンやPC、VR機器など様々な環境からバーチャル空間に集ってイベントに参加したり、友達とコンテンツを楽しめるメタバースプラットフォーム。
●VRChat
VR空間内にアバターでログインし、多人数でコミュニケーションできるバーチャルSNS(ソーシャルVR)
インストール数は200万以上。同時接続2万人達成。
●Rec Room
ロブロックスのVR版。「メイカーペン」でゲームを作ることができる。
2021年末に165億円を調達。月間VRアクティブユーザ数は300万人。ルーム数は1200万を超えた。
●Core(コア)
UGC型のゲーム空間プラットフォーム。10分でマルチゲームが創れる。
エピックゲームズが16億円出資。アンリアルエンジンを採用。
●NeosVR(ネオスVR)
自由度の高いソーシャルVR。リアルタイムなカスタマイズ性に強みを持つ。
アバターやワールドがネオスVR内で制作可能。
Steamでダウンロード可能。
●VirtualCast(バーチャルキャスト)
ドワンゴとインフィニットループが共同開発したVRライブ・コミュニケーション。
誰でもVYuberになれる。動画配信との連携に強みを持つ。
【2022】国内メタバース関連サービス・スタートアップまとめ20選
■メタバースで活躍するためのクリエイターツール
●Unity
テクノロジーズ社が提供する、ゲーム開発プラットフォーム。
IDEを内蔵。複数の開発者用ツールを1つのGUIで利用できる。
●Unreal
エピックゲームズによって開発された3Dゲームエンジン
iOS、Android、Nintendo Switch、PlayStation 4、XboxOneなどをサポート。
●Blender
無償で配布している3DCG制作ソフト。
Mayaなどの商用ハイエンドクラスと肩を並べる性能。
3Dモデリング、実写合成、2Dアニメーションなどの映像作品を作ることができる。
●MetaHuman Creator
技術力のない素人でもバーチャルヒューマン(アバター)を作ることができる。
エピックゲームズが無償で配布。
●Vroid Studio
アニメ系の3Dアバター制作ソフト。ピクシブが提供。
●BOOTH
ピクシブが運営するデジタルコンテンツのマーケットプレイス。
VRChatで使えるアバターやワールド用アセットを販売するクリエイターが増えている。
●Genies(ジーニーズ)
アバタープラットフォーム。著名人が自身のアバターを制作。
今後は、NFTを活用したウェアラブルアイテムを取引できるマーケットプレイスをオープンするとのこと。
■ブロックチェーンのWEB3的な取り組み・サービス事例
●THETA(シータ)
動画ストリーミングにおける構造的な問題を解決するために構築された分散型の動画配信ネットワーク。
ユーザーは余った帯域幅などを提供することで、トークンによる報酬を得ることができる。
●Uniswap(ユニスワップ)
イーサリアムのブロックチェーン上に存在する、人気の分散型取引所(DEX)。
仲介者なしで暗号資産を取引することができる。
●OpenSea
NFTマーケットプレイスの最大手。手数料2.5%の月間売上は4000億円を超えた。
NFTの販売を「固定価格での販売」「イングリッシュオークション」「ダッチオークション」の3種類から選択できる。
●YGG(イールドギルドゲームス)
ゲーム用NFTをユーザに貸し出すマーケットプレイス。
ゲーム内ポイントを交換所で現金化できる「アクシーインフィニティ」(ベトナム)の成功に牽引。
同タイトルは「遊んで稼ぐ」というPlay-to- Earnモデルの先駆けとなった。
日本法人YGG Japanは2022月4月に設立。
●SUPER SAPIENSS(スーパーサピエンス)
映画監督 堤幸彦、本広克行、佐藤祐市による日本初のエンタメDAOプロジェクト。
フィナンシェがトークンの新規発行・販売を担当。
●RTFKT(アーティファクト)
NFTファッションブランド(バーチャルアパレル)。
スニーカーなどのデジタルコレクティブを扱う。
「Roblox」との提携をしているナイキが買収を発表。
●Compound(コンパウンド)
ブロックチェーン技術と金融サービス「Defi」のひとつ。
仮想通貨の貸し借りができ、貸出の対価は「cToken」で受け取る。
ガバナンストークン「COMP」は仮想通貨として取引所で売買可能
●ZEPETO(ゼペット)
2.5億人以上のユーザーを抱えるメタバースプラットフォーム。
カメラアプリの「SNOW(2億DL)」が開発。
LINEブロックチェーン活用し、「NFT Studio(CryptoGames(クリプトゲームス)運営)」でNFT販売、
今後は「LINE BITMAX Wallet NFTマーケットβ」での二次流通も可能になる予定。
■メタバースのオススメ図書
学者っぽい人の話よりもその道の起業家の話の方が参考になります。
というわけで、オススメはこの3冊に絞られました。
●世界2.0 メタバースの歩き方と創り方
メタップス創業者の佐藤航陽氏が著者。
佐藤氏は31歳でマザーズ上場。2017年にスペースデータを創業。
衛星データから地球全体のデジタルツインを自動生成するAIを開発。
その土地らしい3G背景を自動生成しメタバース系サードパーティに提供している。
著書に「お金2.0」(20万部)
●メタバースとWeb3
Gumi創業者の國光宏尚氏が著者。
トークン型のクラウドファンディング「フィナンシェ」とメタバース系ゲームを開発するThirdverse社を創業。
マネージングパートナーを務めるgumi cryptos capitalは、
NFTのマーケットプレイス「OpenSea」ブロックチェーンゲームDAO「Yield Guild Games」
前述のエピックゲームズ、VEGA、Qredo、linch、THETA、RecRoom、BeatGamesなど、
36社に20億円を出資、現在価値は600億円となっている。
出資先でユニコーンとなったのは13社。時価総額は8兆円規模(2022年2月)
●メタバース さよならアトムの時代
cluster創業者の加藤直人氏が著者。
加藤氏は京都大学大学院を中退後、3年のひきこもり生活を経て2015年に「cluster」を公開。
clusterはアバターを用いたコミュニケーションやできるVRイベントプラットフォームでBtoB展開。
KDDI、テレビ朝日、グリーなど15億円を調達した。