島田紳助に泣かされた放送作家の話。
さて、初の試みであるテックジムによる「映像ディレクター養成講座」。
すでに活躍しているYouTuberや、Youtube動画編集者で独立している方などにご参加いただき、
「もっともっとコンテンツレベルを上げていきたい」という熱意を感じた講座でした。
第1回は「台本の作り方」
いきあたりばったりの動画で、編集業者に任せるという従来のよくある「やり方」だと、
いかにリスクが高いかということが身に沁みました。
テレビ業界の場合のロケ一本(オンエアは10分未満)のかかる費用は300万円以上ということですから、
ミスは絶対に許されません。そのために台本があります。
なお、冠番組では放送作家(構成作家)は10人がかりで行うことがあるのが日常。
そして、演者、スタッフは台本を読み込んでから、収録に向かいます。
それぐらい台本というのは大事なんですね。
田中講師曰く「台本というのは最低限のクオリティを担保するもの」だそう。
ちゃんと作っておけば「撮り逃した」ということがなくなります。
その上で、演者は台本よりも面白く撮れるように頑張ろうとする処方箋になります。
台本作りの時に「アバンは何時間も考えてもいい」という言葉がありましたが、
実際、徹夜して、収録直前までずっと台本の手入れをしている作家も多いのだとか。
(アバンとは、 オープニングやタイトル画面の前に流れるプロローグシーンのこと。)
グラさん的には、クラウドワークス創業者の吉田浩一郎さんが、
プレゼン直前まで、パワポを作り直すということを思い出しました。
そういえば、彼もまた学生時代は演劇役者でした。
ここで泣ける話をひとつ。
講師が島田紳助さんの番組の構成を担当していた時の話。
こっちは毎回、台本を一生懸命書いているのに、紳助さんはぜんぜん台本通りにやってくれない。
どうせ、ちゃんとやっても報われないなら、サボってやろうと、テキトーに書いたそうです。
収録直後、紳助さんはカンカンに怒って、「今回の台本書いた奴は誰だ?」と怒鳴ったそうです。
田中さんが経緯を弁明すると、紳助さんはいいました。
「わしは、台本を読み込んだあと、台本以上のパフォーマンスを出すことが作家さんへの恩返しと思ってんねん。」
「作家さんが一生懸命書いてくれるいるからこそ、もっとそれに応えにゃと頑張ってんねん。いつも頑張ってくれてありがとうな。」
それを聞いた作家さん連中は思わず涙がこぼれたそうです。
この部分の仕事はAIでは置き換わらないのでしょうね。
(ChatGPTには投げてはみるけど、結局自分で考えているという言葉が印象的でした)
仕様書をよく読まないで、コードを書いていて、指摘されるまで気づかないプログラマーには、とても耳の痛い話でした笑。
この話、ITサービス、システム開発においても、重要な示唆がありました。
次回は、「テロップとナレーション」です。
講師いわく「テロップは間違いだらけ」だし、「ナレーション」を入れれば良くなるYouTube動画が多いそうです。
ちなみにグラさんも、ナレーションを入れたことがありません。猛省します。
■放送作家による映像ディレクター養成講座
第2回「ナレーション&テロップの上手な使い方」
動画編集者にとって当たり前の作業である「テロップ」ですが、Youtube動画のほとんどが、間違えた使われ方をしています。
また、うまく「ナレーション」を使ったコンテンツも少ないのです。
これをチャンスと捉え、視聴者に10倍楽しんでもらう秘技をプロのテレビマンが伝授します。
1.ナレーションの大原則
・ナレーションとは目で読む文章ではなく耳で聞く文章。
・映像のガイドであるナレーションは映像の引き立て役。
・ドキュメンタリーとバラエティではタッチも表現も変わる。
2.ナレーションが簡単にうまくなるテクニック
・ナレーションは簡潔であれ!
・ワンセンテンスにいくつもの情報がある文章はNG
・聞きやすい文章とは?
3.短いVTRで実際にナレーションを書いてみよう(演習)
4.人に読ませるテロップの入れ方
・左上・右上の役割。(Zの法則)
・特に読ませたい文言には動きをつける。
・コメントフォローは大きなゴシック体で読みやすく!
5.印象に残るテロップ文言のコツ
・長い文章はNG。
・ナレーションと連動する情報テロップは、
・視覚に訴える文章の作り方とは?
6.短いVTRで実際にテロップを考えてみよう(演習)
<持ち物>
○ノートPC持参でお願いします。
○筆記用具
講師)田中伊知郎、森一盛