OutSystemsとは?料金・ライセンス(AO)の仕組み・無料版・O11とODCの違いを解説【2026年】

OutSystems(アウトシステムズ)は、大企業の業務アプリやWebアプリ、モバイルアプリを、画面上で部品を組み合わせて開発できるローコード開発プラットフォームです。2026年6月からは、AIエージェントの開発・運用まで含めた「OutSystems Agentic Systems Platform」として提供されています。
導入を検討するときに一番わかりにくいのが料金です。OutSystemsの公式サイトには、2026年10月時点で料金の金額が載っておらず、すべて見積もりになっています。この記事では、料金の決まり方の中心である「Application Objects(AO)」というライセンスのしくみ、最後に公表されていた価格、無料版の制限、O11とODCの違い、メリット・デメリットを、公式の資料にもとづいて解説します。
OutSystemsの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供元 | OutSystems(2001年創業、本社はアメリカ・ボストン) |
| 日本法人 | OutSystemsジャパン株式会社(2017年設立、東京都港区) |
| 製品 | OutSystems Agentic Systems Platform(OutSystems 11とOutSystems Developer Cloudを含む) |
| 作れるもの | 業務アプリ、Webアプリ、モバイルアプリ、AIエージェント |
| 料金 | 非公開(見積もり)。以前は年36,300ドルからと公表されていた |
| 無料版 | Personal Edition(開発・テスト用。本番利用は不可) |
| 評価 | Gartnerの2026年のAIを活用したローコード開発基盤のマジック・クアドラントで「リーダー」(同社発表。前身の評価から通算10回連続) |
出典:OutSystems公式サイト、公式ドキュメント、同社の発表(2026年10月4日確認)
OutSystems 11(O11)とOutSystems Developer Cloud(ODC)の違い
OutSystemsには、大きく2つの製品があります。検索するとどちらの情報も出てくるので、違いを押さえておきましょう。
| OutSystems 11(O11) | OutSystems Developer Cloud(ODC) | |
|---|---|---|
| 位置づけ | 従来からの製品 | 2022年11月に発表された新しい製品 |
| しくみ | .NETをもとにした従来型の構成 | Kubernetes、コンテナ、マイクロサービス、AWSのクラウドサービスをもとにしたクラウドネイティブな構成 |
| 動かす場所 | OutSystemsのクラウドのほか、自社のサーバー(オンプレミス)でも動かせる | 主にOutSystemsが管理するクラウド |
| ライセンス | AOとユーザー数で課金 | AOとユーザー数で課金 |
| 解約時のソースコードの持ち出し(Detach) | 手順が公式に用意されている | 公式の手順書には記載がない |
新しく始めるなら基本はODC、すでにO11で作ったアプリが多い会社や、自社のサーバーで動かしたい会社はO11、という使い分けになります。O11の無料版(Personal Edition)も引き続き提供されていますが、O11で作ったものをODCへそのまま移す手段は、無料版では用意されていません。
OutSystemsの料金:2026年10月時点で非公開
料金ページの構成
OutSystemsの料金ページ(Pricing and Editions)は、2026年10月時点で次の3つの区分になっていて、有料の区分はどれも金額ではなく「Get an estimate(見積もりを依頼)」と表示されています。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| Agentic Systems Platform(有料) | 開発・テスト・本番の3つの環境(ランタイム)、平日日中のサポート、稼働率の保証99.5%、社内ユーザー100人から。動かす場所は、OutSystemsのクラウド、オンプレミス、プライベートクラウドなどから選べる |
| Add-ons(追加オプション) | 環境の追加、24時間365日のサポート、稼働率の保証99.95%、追加のセキュリティ認証への対応など |
| Personal Edition(無料) | 開発環境のみ。テスト用で本番利用は不可。社内ユーザー最大100人 |
料金を決める3つの要素
料金ページのよくある質問では、料金は次の3つで決まると説明されています。
- アプリの規模と複雑さ:Application Objects(AO)という単位で数える
- ログインして使う利用者の数:社内のユーザーと社外のユーザーを分けて数える。ログインしない匿名の利用者は数えない
- 追加オプション:環境の追加、サポートの強化、稼働率の保証の強化など
開発ツールや、テスト・デプロイを自動化するしくみ(CI/CD)に追加料金はかからないとされています。
最後に公表されていた価格:年36,300ドルから
以前は料金ページに価格が載っていました。インターネット上の過去のページの記録(Wayback Machine)で確認すると、少なくとも2024年7月から2025年8月まで、「OutSystems Developer Cloud(ODC):年36,300ドルから」と掲載されていました。この価格には、中規模の本番アプリ1つと、社内ユーザー100人が含まれていました。ユーロでは30,000ユーロ、英ポンドでは26,100ポンドと表示されており、日本円での表示はありませんでした。
この価格はあくまで入門の構成の目安で、アプリの数や規模(AO)、利用者の数、追加オプションが増えるほど金額は上がります。現在の正確な金額は、OutSystemsまたは日本の販売パートナーに見積もりを依頼して確認する必要があります。
ネット上には「Basic Planは月額○○ドル」のように、プラン名と月額料金を並べた情報も見られますが、2026年10月時点の公式の料金ページには、そのようなプランも金額も載っていません。古い情報や、根拠のない情報に注意してください。
ライセンスのしくみ:Application Objects(AO)とは
OutSystemsのライセンスで最も重要なのがApplication Objects(AO)です。AOは、アプリの規模を数えるための単位で、公式ドキュメントでは画面、データベースのテーブル(エンティティ)、APIのメソッドなどを、それぞれ1AOとして数えると定められています。料金ページでは「一般的な中規模のアプリは約150AO」と説明されています。
| 1AOとして数えるもの | 数えないもの(0AO) |
|---|---|
| Web画面、メールの画面、モバイルの画面(1画面につき1AO) | 画面の部品(ブロック)、タブ、ポップアップ、ツールチップ |
| データベースのテーブル(エンティティ)。外部のデータベースから取り込んだテーブルやビュー、モバイル端末に保存するテーブルも含む | OutSystemsがもともと持っているシステム用のテーブル(ユーザー一覧など) |
| REST・SOAPのAPIメソッド(自分で作るもの、外部のものを使うもの、どちらも)、SAPの関数、AIモデルのAPIのメソッド | C#で書いた拡張機能 |
| ODCで独自に定義したイベント | O11とODCの間のやり取り |
出典:OutSystems公式ドキュメント「Application Objects」
注意したいポイントが2つあります。
- 数えられるのは本番環境だけ:開発環境やテスト環境のアプリは、AOの上限の対象になりません
- 使っていないアプリも、削除するまでは数えられる:無効にしただけでは、AOは減りません
AOの数え方の例
たとえば、社内の備品管理アプリを作る場合を考えます。
| 要素 | 例 | AO |
|---|---|---|
| 画面 | 一覧、詳細、登録、編集、承認、ダッシュボード、設定、ログイン後のトップの8画面 | 8 |
| テーブル | 備品、貸し出し、利用者の部署、カテゴリ、承認履歴の5つ | 5 |
| APIメソッド | 人事システムから社員情報を取る、チャットに通知するなど4つ | 4 |
| 合計 | 17 | |
小さな業務アプリなら数十AO、本格的なアプリなら150AO前後というのが目安です。画面やテーブルを必要以上に細かく分けると、それだけAOが増えるので、設計の段階からAOを意識しておくと、ライセンスの費用を抑えやすくなります。
利用者(ユーザー)の数え方
利用者は、社内ユーザーと社外ユーザーに分けて数えます。O11の公式ドキュメントでは、自社のドメインのメールアドレスを持つ利用者を社内ユーザーとして扱うと説明されています。ログインせずに使う匿名の利用者は、ユーザー数に含まれません。
今の使用量を確認する方法
- ODC:ODC Portalのサブスクリプションのページで、AOの上限と使用量を確認できる
- O11:管理画面(Service Center)の「Administration」>「Licensing」で、登録ユーザー数とAOの上限に対する使用量を確認できる
無料版(Personal Edition)でできること・制限
OutSystemsは、無料のPersonal Editionで試すことができます。学習や、導入前の検証に向いています。ODCのPersonal Editionの主な制限は次のとおりです。
| 項目 | 制限 |
|---|---|
| 用途 | 開発・テストのみ。本番での利用は不可。稼働率の保証なし |
| 環境 | 開発用の環境(Development)1つ |
| 利用者 | 社内ユーザー最大100人 |
| 同時に動かせる部品 | 最大8つ |
| データベース | 最大1GB |
| 処理時間(1日あたり) | 独自のコードの実行10分、タイマー30分など |
| 有効期限 | 作成から15日間で、開発を続けている限り延長される。72時間使わないと休止状態になり(作業内容は残る)、長く使わないと警告メールのあとに削除される |
出典:OutSystems公式「Personal Edition FAQ」(2026年10月4日確認)
OutSystemsの主な機能
- ビジュアル開発:開発ツール(ODC StudioやService Studio)で、画面、データ、処理の流れを図のように組み立てる。必要に応じてコードを書き足せる
- Web・モバイルの両方に対応:同じ考え方で、Webアプリとスマホのアプリを作れる
- 外部システムとの連携:REST・SOAPのAPI、SAP、外部のデータベースなどとつなげる
- 開発から本番までの管理:開発・テスト・本番の環境への公開、権限、監視をまとめて管理できる
- AI機能:
- OutSystems Mentor(2025年1月に一般提供):AIに要件を伝えると、アプリのたたき台を作ったり、コードを点検したりする
- Agent Workbench(2025年9月に一般提供):社内のデータとつながったAIエージェントを作って動かす
- Agentic Systems Platform(2026年6月発表):上の機能に、AWSのAIサービスとの連携などを加え、AIエージェントとアプリをまとめて作って運用する基盤として再構成
OutSystemsのメリット
- 大規模な業務システムにも対応できる:権限管理、監視、環境の管理など、大企業で使うための機能がそろっている
- Webとモバイルを同じ基盤で作れる
- 開発ツールの利用やCI/CDに追加料金がかからない:開発者の人数で課金されるしくみではない
- AIによる開発支援が組み込まれている:要件からたたき台を作るなど、AIを使った開発ができる
- 評価が高い:Gartnerのローコード開発基盤の評価で、長年「リーダー」に位置づけられている
- 日本語の学習資料と資格がある:認定資格の多くは日本語で受験できる
OutSystemsのデメリット・注意点
- 料金が公開されておらず、比較しにくい:見積もりを取らないと金額がわからない。以前公表されていた入門の価格は年36,300ドルからで、小規模な用途には高額になりやすい
- アプリが増えるほどAOで費用が上がる:画面やテーブルを増やすとAOが増えるため、使い方が広がると費用も増える
- ほかの製品に移りにくい(ベンダーロックイン):O11には、解約するときにすべてのアプリを.NET(C#)のソースコードとSQLのデータとして取り出す「Detach」の手順が公式に用意されている。ただし、すべてのアプリをまとめて切り離す一方通行の手続きで、一部のアプリだけを持ち出すことはできない。ODCについては、公式の手順書に記載がない
- 扱える人材が限られる:Python、Javaのような一般的な言語とくらべると、経験者の数は少ない
ローコード開発全般のメリット・デメリットや、ノーコード・AIコーディングとの違いは「ローコード開発とは?」で解説しています。
ほかのローコード開発ツールとの違い
| ツール | 特徴 | 料金の考え方 |
|---|---|---|
| OutSystems | 大規模な業務システム向け。Web・モバイル・AIエージェント | AOとユーザー数による見積もり |
| Microsoft Power Apps | Microsoft 365との連携が強い。現場の担当者が作る用途に向く | 利用者1人あたりの月額など |
| Mendix | OutSystemsとよくくらべられる大企業向けのツール(ドイツのシーメンス傘下) | アプリや利用者の数などによる |
| kintone | サイボウズの業務アプリ作成ツール。中小企業や部門単位での利用が多い | 利用者1人あたりの月額 |
各製品の料金の課金単位の違いや選び方は「ローコード開発ツール18製品を比較」にまとめています。
OutSystemsの学び方と認定資格
OutSystemsには、無料のオンライン学習(OutSystems Training)があり、無料のPersonal Editionで手を動かしながら学べます。スキルを証明したい人向けに、認定資格もあります。
| 資格 | 試験時間 | 受験料 |
|---|---|---|
| Associate Developer(ODC/O11) | 120分 | 200ドル |
| Agentic AI Specialist(ODC) | 90分 | 100ドル |
| Architecture Specialist(ODC/O11) | 90分 | 100ドル |
| Web Developer Specialist(ODC/O11) | 90分 | 100ドル |
| Mobile Developer Specialist | 60分 | 100ドル |
| Security Specialist | 90分 | 100ドル |
出典:OutSystems公式「Academy Certifications」(2026年10月4日確認)。上の資格は日本語でも受験できます。
OutSystemsもローコードとはいえ、データの設計や条件分岐、APIのしくみといったプログラミングの基礎があると、作れるものの幅が大きく広がります。
よくある質問
OutSystemsの料金はいくらですか?
2026年10月時点で、公式サイトに金額は掲載されておらず、見積もりで決まります。以前は「ODCは年36,300ドルから(中規模の本番アプリ1つ、社内ユーザー100人を含む)」と公表されていました。アプリの規模(AO)、利用者の数、追加オプションで金額が変わります。
OutSystemsのライセンスのAOとは何ですか?
Application Objectsの略で、アプリの規模を数える単位です。画面、データベースのテーブル、APIのメソッドなどを、それぞれ1AOとして数えます。一般的な中規模のアプリは約150AOとされています。数えるのは本番環境のアプリだけです。
OutSystemsは無料で使えますか?
無料のPersonal Editionがあります。開発とテスト用で、本番での利用はできません。社内ユーザー最大100人、データベース1GBなどの制限があり、長く使わないと休止・削除されます。
O11とODCはどちらを選べばいいですか?
新しく始めるなら、クラウドネイティブな新しい製品であるODCが基本です。すでにO11でアプリを作っている場合や、自社のサーバーで動かしたい場合はO11を使います。
まとめ
OutSystemsは、大規模な業務アプリからAIエージェントまでを作れる、企業向けのローコード開発プラットフォームです。料金は2026年10月時点で非公開の見積もり制で、アプリの規模を表すAO、利用者の数、追加オプションで決まります。以前公表されていた入門の価格は年36,300ドルからでした。導入を検討するときは、無料のPersonal Editionで試しながら、作りたいアプリのAOを見積もり、O11とODCのどちらを使うか、解約時の扱いまで含めて確認しましょう。
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ローコードツールを使いこなすうえでも、データの設計やAPIの考え方といったプログラミングの基礎は役に立ちます。テックジムの無料のプログラミング講座で基礎から始めてみてください。AIを使ったアプリ開発を学びたい人は、AI駆動開発/生成AIエンジニアコースもご覧ください。
参考情報
- OutSystems:Pricing and Editions(英語)
- Wayback Machine:2025年8月29日時点のOutSystems料金ページ(英語)
- OutSystems公式ドキュメント:Application Objects(英語)
- OutSystems公式:Personal Edition FAQ(英語)
- OutSystems公式ドキュメント:The detach process for OutSystems 11(英語)
- OutSystems:Agentic Systems Platformの発表(2026年6月、英語)
- OutSystems:Academy Certifications(英語)







