Meta(旧Facebook)の歴史完全ガイド | 創業から社名変更まで徹底解説

Meta Platforms, Inc.(旧Facebook)は、世界最大級のソーシャルメディア企業として知られています。本記事では、2004年の創業から2021年の社名変更、そして現在に至るまでのMetaの歴史を詳しく解説します。

Metaとは?企業概要

Meta Platforms, Inc.は、アメリカ合衆国カリフォルニア州メンローパークに本社を置く多国籍テクノロジー企業です。Facebook、Instagram、WhatsApp、Messengerなどのソーシャルメディアプラットフォームを運営しており、グループ全体の利用者は36億人に達しています。

現在、MetaはAmazon、Googleに次いで世界で3番目に研究開発への支出が多い企業となっており、メタバース、バーチャルリアリティ、人工知能の研究に多額の投資を行っています。

創業期:Facebookの誕生(2004年)

Metaの歴史は、2004年にハーバード大学の学生寮で始まりました。当時ハーバード大学に在学中だったマーク・ザッカーバーグ氏が、ルームメイトのエドゥアルド・サベリン、アンドリュー・マッカラム、ダスティン・モスコヴィッツ、クリス・ヒューズと共にFacebook, Inc.を創業しました。

当初は学生同士のコミュニケーションツールとして開発され、学生のみに限定されていましたが、2006年には利用制限が撤廃され、2008年には日本語版も公開されました。その後、世界最大のSNSへと急成長を遂げます。

成長期:主要サービスの買収と拡大(2012年~2020年)

Facebookは急速な成長を遂げる中で、積極的な買収戦略を展開しました。

Instagram買収(2012年)

2012年4月、Facebookは写真共有アプリのInstagramを現金と株式の約10億ドルで買収しました。これは同社初の大規模買収案件となり、ビジュアルコミュニケーション分野への進出を果たしました。

WhatsApp買収(2014年)

2014年2月、Facebookはモバイルメッセージング企業WhatsAppを、現金40億ドル、株式150億ドル相当、創業者への譲渡制限付株式ユニット30億ドル相当の合計190億ドルで買収すると発表しました。株価上昇により、最終的な買収価格は約220億ドルに達しました。

Oculus VR買収(2014年)

2014年3月、FacebookはVRハードウェアメーカーのOculus VRを現金4億ドルと株式の合計約20億ドルで買収すると発表しました。この買収により、Facebookは仮想現実技術への本格的な投資を開始し、後のメタバース戦略の基盤を築きました。

ビジネスモデルの確立

Facebookは、利用者の閲覧履歴をもとに一人ひとりの趣味や好みを把握し、最適な広告を配信する事業モデルを確立しました。この精緻なターゲティング広告により、2020年12月期には売上高が859億ドルまで拡大し、Googleに次ぐ世界第2位のインターネット広告シェアを獲得しました。

転換期:批判の高まりと課題(2018年~2021年)

急成長を遂げたFacebookでしたが、2018年以降、様々な問題に直面することになります。

ケンブリッジ・アナリティカ問題

2018年、個人データを不適切に収集・利用していたケンブリッジ・アナリティカ問題が明るみに出て、Facebookの個人データ収集姿勢に厳しい視線が向けられるようになりました。

Appleによるプライバシー規制

特に打撃となったのが、Appleによるユーザー行動追跡を阻む取り組みでした。Appleは2021年春にリリースしたiOS 14.5以降、アプリなどによるユーザー行動の追跡を監視したりブロックする機能を追加し続けました。

マーク・ザッカーバーグCEOは決算説明会で、Appleによる変更が業績の向かい風になると述べ、広告事業への深刻な影響を認めました。

内部告発と批判

2021年には元社員による内部告発により、Facebookが感情的な投稿を優先的に流通させる仕組みを採用し、社会の分断を助長している可能性が指摘されました。企業体質や管理体制への批判が高まり、企業イメージの刷新が急務となりました。

新時代:Metaへの社名変更(2021年10月28日)

こうした課題を背景に、Facebookは大きな決断を下します。

社名変更の発表

2021年10月28日、米Facebookは同日付で社名を「Meta(メタ)」に変更したと発表しました。正式な登記上の社名は「Meta Platforms, Inc.」となり、対外的には「Meta」の名称を使用することとなりました。

開発者会議でマーク・ザッカーバーグCEOは、「事業がSNSに加えて画像共有アプリや『メタバース』と呼ぶ仮想空間の構築に広がっており、当社の事業のすべてを包含する社名が必要になっている」と説明しました。

社名変更の3つの理由

社名変更の背景には、以下の3つの主要な理由がありました。

1. メタバース市場への注力

メタバース市場は2020年時点で約68兆円、2024年には約111兆円規模へと成長すると予測されており、日本国内でも2021年度の約744億円から2026年度には約1兆円規模に成長すると見込まれていました。Metaはこの成長市場でプラットフォーマーとなることを目指しました。

2. Facebook事業の成長鈍化

主力事業であるFacebookは世界最大のSNSに成長した一方で、競合サービスの台頭やユーザー数の伸び悩みなど、今後の大きな成長は期待しにくい状況となっていました。

3. プラットフォーム依存からの脱却

FacebookのサービスはAppleやGoogleの提供するアプリストアからダウンロードされ、各社の提供するスマートフォン上で利用されるため、他社プラットフォームへの依存に強い危機感を抱いていました。自社でプラットフォームを構築することが重要な戦略目標となりました。

Metaの現在と未来:メタバース戦略

社名変更後、Metaは年間約1兆円超をメタバース領域に投資することを発表し、本格的なメタバース企業への転換を進めています。

主要な取り組み

  • VRヘッドセット「Meta Quest」シリーズの開発・販売
  • メタバースプラットフォーム「Horizon Worlds」の構築
  • AR(拡張現実)技術への投資
  • AI(人工知能)と機械学習の研究開発

既存サービスとの連携

Metaは既存のFacebook、Instagram、WhatsAppといったサービスを捨てるのではなく、これらのソーシャル体験の上に新たなメタバース機能を継続的に構築していく方針を示しています。

まとめ:Metaの歴史が示す未来

2004年のハーバード大学の学生寮から始まったFacebookは、わずか20年足らずで世界最大級のテクノロジー企業へと成長しました。そして2021年のMeta Platformsへの社名変更により、SNSプラットフォームからメタバース・プラットフォーマーへの転換を宣言しました。

プライバシー問題や競争環境の変化など多くの課題に直面しながらも、Metaは次世代インターネットとされるメタバースの構築に社運を賭けています。創業から20年の歴史を経て、Metaは再び大きな変革期を迎えています。


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