やっぱ行くならアフリカでしょ。IoT時代を見据えたリープフロッグ経営とは?
今回の対談動画は、ルワンダでオフショア開発をされているレックスバートコミュニケーションの田中さんです。
田中さんがアフリカ進出したのは2011年。
きっかけはルワンダのコーヒー豆を輸入販売している知人からの紹介で、いまのルワンダ現地法人の社長をやっているアランと出会ったことでした。
収録時、淡路町の社内には数名の日本人以外は全員ルワンダ人でした。
ちょうど4ヶ月の日本研修最終日ということで、明日にはルワンダに戻るそうです。
ピンチこそチャンス。
そんなことも感じた対談でした。
目次
アンデラがユニコーン化。パンデミックを味方につけて「アフリカ」を売ったアフリカの希望の星
つい先日、アンデラの224億円の資金調達が発表された。
今回のラウンドではソフトバンクのビジョンファンドが主導したそうだ。
アンデラについては5ヶ月前に調べたことがあって、それを動画にしたわけだが、ニュースソースが乏しく古い記事しか見つからなかった。
田中さんによるとルワンダにもアンデラはオフィスを構えていたが、早々に去っていったそうだ。人材教育というのは確実性がないもので、そこを無料にするとキャッシュ化するのに時間もかかる上、機会ロスも多い。だからこそ資金調達するわけだが、なかなかに綱渡りなビジネスだと思った。
去年にパンデミックの影響を受け、全オフィスを閉鎖。
テレワークに特化したBPOにピボットしたそうだ。
CEOは「2021年の初めに、人々はオフィスに戻ることはないと認識した。リモートワークは人材の観点からも必須のものになっている」と語った。
Googleが「週3回は出社しよう」というルールを設けているのと対照的な言葉だ。
Google社の考え方は、リモートワークに向いているのは、単純作業で丸投げでき、定量評価ができる業務で、クリエイティブな仕事においては社員同士とのコミュニケーションが大事だということだ。だから食堂もタダだし、ゲームルームや仮眠室も用意している。
だとすると、オフィスに戻ることはないのは、「付加価値の低いデジタル労働者」ということになる。
かつてアンデラ社のCEOは、「10万人のエリートエンジニアを作る」と言った。そして、今回の言葉である。
アフリカ人がアフリカ人を安く売り捌いている構図にも見える。
確かにアフリカ大陸からの人材流失を食い止めている側面は称賛に値するものだとは思う。
ただ「エリートエンジニアを作っている」のかには疑問が残る。
それも含め、事業のピボットということなのだろう。
事業は成功しそうだが、この男、おそらく魂を売ってしまった。
ナイジェリアにあった本社はいま、ニューヨークにある。
ルワンダと淡路町で眠らない開発体制
田中さんはテックジム立ち上げ当初からトレーナーをやっていただいており、カリキュラムの英訳をお願いしたり、うちのインターンにも仕事をふってもらったり、運営のことで何かと相談したりと、とにかく最近はもっとも縁の深い起業家である。
そういうこともあり、Youtubeを始めて、最初に対談動画を撮ったのが田中さんだ。
日の沈まぬ国と呼ばれたのはスペインのことだが、田中さんの会社(レックスバート・ワイアードイン)も、あとカルフォルニアあたりに拠点を一つ持てば、日の沈まぬ開発体制ができる。
ルワンダメンバーとの仕事は完全リモートであるし、淡路町メンバーも出社時間は自由。エンジニアはどこに住んでも仕事はできるというが、それがなかなか難しい。話を聞けば、ちゃんとルールを決めているからこそ、うまくまわっていると納得できる。
そんな田中さんは基本的に毎日出社だ。暇を見つけてはアキバを散歩するのが最高だそうだ。
ルワンダに拠点を作るきっかけは、たまたまルワンダ人エンジニアのアラン(現ルワンダ法人の社長)を紹介されたというまさに偶然の賜物だ。
アランのファミリーはルワンダ大虐殺の時にアメリカに逃れ、そこで教育を受け、そしてルワンダに戻ったという。アフリカの課題として、優秀なエンジニアたちが海外に流出してしまうという「搾取の構造」がある。
その中で、あえてアフリカに戻る人は少なからずいて、その一人がアランだ。
そして今、ルワンダ国内での人材引き抜きの的になっているという。
優秀なエンジニアを育てると、こういう問題にも直面するのだから、オフショア開発拠点の運営の大変さが垣間見える。
3年前、田中さんのアテンドでルワンダに行った。
治安が良く、街も綺麗で、20年前に大事件があったとは思えないくらいだった。そもそもこの事件は渡航前に知ったわけだが、こういう機会でもないとアフリカに目を向けることがない。
現地に行ってはじめて、アフリカのIT事情を聞き、リープフロッグ現象を知った。中国はアフリカへIT投資を進めており、現地に住んでいる日本人が「最近の中国人は品が良くなってきた」というのが印象的だった。
田中さんはルワンダに行く時に、大きな段ボールに「一平ちゃん」とアキバで調達した機器を詰め込んでいて、出迎えるアランたちに渡していた。
そんな光景を見るだけで、アフリカに来て良かったと思った。
アフリカに見られるリープフロッグ現象とは
リープフロッグ型発展とは、既存の社会インフラが整備されていない新興国において、新しいサービス等が先進国が歩んできた技術進展を飛び越えて一気に広まること。リープフロッグ現象ともいう。 一例として、多くの新興国において固定電話の普及を待たずに携帯電話およびスマートフォンが急速に普及したことが挙げられる。[引用:wikipedia]
日本人のアフリカ進出しているIT起業家と会える機会
・レックスバートのアフリカ進出支援事業
https://www.rexvirt.com/business/africa-consulting/
・アフリカ開発会議
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ticad/index.html
・トランスフォーム・アフリカ
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin09_02000085.html
テックジム東京本校
IT起業家との対談番組「みんなのグラさん」とは?(Youtube)