【2026年】AI導入・AI研修に使える補助金・助成金まとめ|厚生労働省・経済産業省の全制度を徹底解説
AIの活用が企業の競争力を左右する時代に突入した2026年。国は「AI導入」を政策の最重要課題と位置づけ、これまでにない規模の補助金・助成金制度を整備しています。しかし、経済産業省と厚生労働省にまたがる制度が複数存在し、「どれを使えばいいかわからない」という声も多く聞かれます。
本記事では、2026年度に活用できるAI関連の補助金・助成金を主管省庁別に網羅し、対象・金額・申請のポイントをわかりやすく解説します。
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目次
1. 補助金と助成金の違い
AI導入を支援する公的資金には「補助金」と「助成金」の2種類があります。混同されがちですが、性質が大きく異なります。
| 比較項目 | 補助金 | 助成金 |
|---|---|---|
| 主な管轄 | 経済産業省・中小企業庁 | 厚生労働省 |
| 目的 | 設備投資・事業拡大・IT導入 | 雇用促進・人材育成・職場改善 |
| 審査方式 | 競争型(採択されない場合あり) | 非競争型(要件を満たせば原則支給) |
| 募集期間 | 限定(1ヶ月程度) | 通年募集が多い |
| 確実性 | 採択率30〜50%が目安 | 要件充足で原則受給可 |
ポイント: AI研修・人材育成には助成金、AIシステム導入・設備投資には補助金が適しています。目的に応じて使い分けることが資金調達の基本です。
2. 経済産業省・中小企業庁 系のAI補助金
① デジタル化・AI導入補助金2026(旧:IT導入補助金)
経済産業省 / 中小企業庁が管轄する、AI導入支援の旗艦制度
2026年度より「IT導入補助金」から名称を変更。制度名に「AI」が明記されたことが示す通り、AIツール導入への支援が大幅に強化されました。
制度概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 最大補助額 | 450万円 |
| 基本補助率 | 1/2 |
| 小規模事業者の補助率 | 要件充足で最大 4/5 |
| 対象 | 中小企業・小規模事業者・個人事業主 |
| 申請開始 | 2026年3月30日〜 |
| 予算規模 | 令和7年度補正予算で3,400億円を計上 |
2026年度の主な変更点
- 制度名に「AI」が追加:AIツール導入が最大評価の対象に
- AI活用への加点が大幅強化:「省力化・人手不足解消」に重点シフト
- インボイス枠からAI・省力化枠へ移行:従来のインボイス対応から予算の重点が移動
- 2回目以降の申請要件が追加:賃上げ・生産性向上の実績報告が必須に
申請の5つの枠
- 通常枠:ITツール・AIソフトウェア全般
- インボイス枠:インボイス対応ツール
- AI・省力化枠:AI搭載ツールに特化した優遇枠(★注目)
- セキュリティ対策推進枠:サイバーセキュリティ対策
- 複数社連携デジタル化・AI導入枠:サプライチェーン全体のDX化
対象となるAIツール例
- 生成AIを活用した業務効率化ソフト
- AI搭載の受発注・在庫管理システム
- AIチャットボット(顧客対応自動化)
- AI-OCR(文書・データ入力の自動化)
- 建設・製造業向けAI搭載の工数管理・自動見積システム
申請上の注意点
- 事前に登録されたITツールのみが補助対象(登録リストの事前確認が必須)
- 申請には「GビズIDプライム」のアカウントが必要(取得に2〜3週間かかる場合あり)
- 交付決定前の購入・契約は対象外(先払い厳禁)
📌 公式サイト:https://it-shien.smrj.go.jp/
② ものづくり補助金(第23次公募)
中小企業の設備投資・AIシステム開発を強力に支援
正式名称「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」。AIシステムのオーダーメイド開発も対象となる点が、デジタル化・AI導入補助金との大きな違いです。
制度概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 最大補助額 | 4,000万円(グローバル枠、大幅賃上げ特例適用時) |
| 基本補助率 | 1/2(賃上げ要件充足で2/3に引き上げ) |
| 下限補助額 | 100万円 |
| 対象 | 中小企業・小規模事業者・個人事業主・スタートアップ |
| 公募頻度 | 年複数回(1〜3ヶ月に1度) |
申請枠
- 製品・サービス高付加価値化枠:AI搭載の新製品・新サービス開発
- 成長分野進出類型(DX・GXに関連する投資で補助額が優遇)
- グローバル枠:海外展開を伴うAI投資(100〜3,000万円)
AIでの主な活用シナリオ
- 製造業:AI搭載の検品・品質管理システムの開発
- 物流業:AI需要予測・自動配車システムの構築
- サービス業:AIを活用した顧客行動分析システムの開発
- 建設業:AI搭載の施工管理・安全管理システムの導入
2026年度の変更点
- 賃上げ目標の引き上げ(第23次公募より)
- 書類制限の緩和
- 今後「新事業進出補助金」との統合・再編が検討されている
📌 公式サイト:https://portal.monodukuri-hojo.jp/
③ 省力化投資補助金
AIとロボットで人手不足を解消する中小企業向け制度
2025年度から本格稼働した制度で、AIやロボット導入による省力化・自動化に特化した補助金です。
2つの申請類型
カタログ型
- 中小企業庁が整備したカタログ掲載製品から選ぶだけで申請可能
- AI搭載の清掃ロボット、配膳ロボット、自動精算機などに最適
- 申請手続きが簡易
一般型
- カタログにないオーダーメイドの省力化投資を支援
- 機械装置費、システム構築費に加え、建物費・構築物費も対象
- AI制御による無人倉庫建設といった大規模プロジェクトも可能
- 公募頻度:約1ヶ月に1度(第5次:2026年2月下旬締切)
📌 公式サイト:中小企業庁 省力化投資補助金ページ
④ 中小企業新事業進出補助金(旧:事業再構築補助金)
生成AIを活用した新規事業立ち上げに最適
既存事業からの転換・多角化を支援する補助金で、AIを活用したビジネスモデルの大転換を後押しします。
AI活用シナリオ例
- 印刷業が生成AIを活用したデジタルマーケティング支援事業に参入
- タクシー会社がAI配車システムを自社開発し、SaaS事業として外販
- 製造業がAIを活用した検査データ分析サービスを新たに展開
申請情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公募頻度 | 約3ヶ月に1度 |
| 第3回締切 | 2026年3月26日 |
| 採択発表 | 2026年6月下旬 |
⚠️ 採択には市場分析・競合分析・収支計画など、新規事業の成功可能性を多角的に示した資料が必要です。
⑤ 小規模事業者持続化補助金
小規模なAI活用スタートに最適
従業員20名以下(サービス業は5名以下)の小規模事業者向け。販路開拓や業務効率化を目的とした比較的小規模なAI活用に適しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 2/3 |
| 対象 | 従業員20名以下(サービス業は5名以下)の小規模事業者 |
| 公募頻度 | 約2ヶ月に1度 |
3. 厚生労働省 系のAI助成金
厚生労働省の助成金は「要件を満たせば原則支給される非競争型」という特徴があります。競争型の補助金に比べて確実性が高く、中小企業にとって活用しやすい制度です。
① 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)
★ 2026年度で終了予定の期間限定制度。最も使いやすいAI研修助成金
DX推進や新規事業展開に伴い、従業員にAI・生成AIスキルを習得させる訓練に対して助成を受けられます。
助成内容
| 区分 | 中小企業 | 大企業 |
|---|---|---|
| 経費助成率 | 75% | 60% |
| 賃金助成 | 1,000円/時間 | 500円/時間 |
対象となる訓練内容(例)
- ChatGPT・Claude・Geminiなど生成AI活用研修
- AI業務自動化(RPA × AI)研修
- データ分析・機械学習入門研修
- AIプロンプトエンジニアリング研修
- 生成AIを活用した資料作成・業務改善研修
申請の流れ
- 訓練実施計画届を訓練開始の1ヶ月前までに管轄労働局へ提出
- 訓練実施
- 支給申請(訓練終了後2ヶ月以内)
⚠️ 期限注意: 令和8年度(2027年3月末)までの時限措置。早めの計画を。
📌 公式サイト:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html
② 人材開発支援助成金(人材育成支援コース)
正社員から非正規まで幅広い雇用形態に対応
職務に関連する専門知識・技能の習得を目的とした訓練全般に適用できる基本コースです。
助成内容
| 区分 | 中小企業(正規) | 中小企業(非正規) |
|---|---|---|
| 経費助成率 | 45% | 70% |
| 賃上げ要件充足時 | 最大60% | 最大85% |
訓練時間別の経費助成上限(中小企業)
| 訓練時間 | 経費助成上限 |
|---|---|
| 10〜100時間未満 | 15万円/人 |
| 100〜200時間未満 | 30万円/人 |
| 200時間以上 | 50万円/人 |
| 1事業所あたり年間上限 | 1,000万円 |
申請要件
- 対象:雇用保険の被保険者(正社員・有期契約労働者・パートタイム労働者)
- 訓練時間:10時間以上のOFF-JTであること
- 外部講師・研修機関への委託が基本
💡 実務のコツ: 1日研修(8時間)だけでは10時間要件を満たせません。事前eラーニング(2時間)+対面研修(8時間)=計10時間とする組み合わせが一般的です。
③ 人材開発支援助成金(人への投資促進コース)
高度なAI・デジタル人材を育成したい企業向け
ITスキル標準(ITSS)レベル3以上の専門的なAI人材育成を目的としたコースです。サブスクリプション型の定額制オンライン学習プラットフォームも対象となります。
助成内容
| 区分 | 中小企業 | 大企業 |
|---|---|---|
| 高度デジタル人材訓練 | 75% | 60% |
⚠️ 期限注意: 2026年度までの時限措置。
④ 働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)
AIで残業削減・年休取得促進を実現する中小企業向け
36協定の時間外上限の引き下げや年次有給休暇の計画的付与など、働き方改革に向けた取り組みを行う中小企業を支援します。AIツール導入による業務自動化・効率化が対象となるケースがあります。
助成内容
| 区分 | 助成率 |
|---|---|
| 通常 | 3/4 |
| 小規模事業者 | 4/5 |
AIとの相性が良い活用例
- AIチャットボット導入による問い合わせ対応の自動化 → 時間外労働削減
- AI-OCR導入による書類処理の自動化 → 残業時間の削減
- AI搭載スケジュール管理ツール導入 → 年休取得の促進
受付期間: 例年4月ごろ開始予定
⑤ 働き方改革推進支援助成金(業務改善助成金)
最低賃金の引き上げ × AI導入をセットで行う場合の強力な助成金
地域別最低賃金の引き上げに備えて、中小企業が事業場内最低賃金を30円以上引き上げる際に、生産性向上を目的とした設備投資・システム導入・教育訓練にかかる費用の一部を助成する制度です。
助成内容
| 条件 | 助成率 | 最大助成額 |
|---|---|---|
| 事業場内最低賃金が1,000円未満 | 4/5 | 最大 600万円 |
| 事業場内最低賃金が1,000円以上 | 3/4 | 最大 600万円 |
AI導入での活用例
- AIツールの導入費・ライセンス費
- AI活用のためのシステム改修費
- AI研修・教育訓練費
⚠️ 重要: 交付決定前に設備を購入・発注した場合は対象外となります。
⑥ キャリアアップ助成金
非正規労働者のAIスキルアップ+処遇改善を支援
非正規雇用(有期・短時間・派遣労働者)のキャリアアップを支援する制度です。AIスキルを習得した非正規労働者を正社員に転換、または賃金を引き上げた場合に助成されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 助成額 | 定額 57万円(先端技術・AI・ロボット導入に関するキャリアアップ) |
| 実施機関 | 厚生労働省 |
| 対象 | 雇用保険適用事業所の事業主 |
💡 AI研修そのものへの直接的な助成ではなく、AI研修を通じてスキルアップした非正規労働者への処遇改善(正社員化・賃上げ)がトリガーとなります。
4. 補助金・助成金の比較早見表
経済産業省・中小企業庁 系の補助金
| 補助金名 | 最大補助額 | 補助率 | 対象 | 用途 |
|---|---|---|---|---|
| デジタル化・AI導入補助金 | 450万円 | 1/2〜4/5 | 中小・個人 | AIツール・ソフト導入 |
| ものづくり補助金 | 4,000万円 | 1/2〜2/3 | 中小・スタートアップ | AIシステム開発・設備投資 |
| 省力化投資補助金 | 大規模対応可 | 要確認 | 中小 | AIロボット・自動化設備 |
| 新事業進出補助金 | 大規模対応可 | 要確認 | 中小 | AI活用の新規事業 |
| 持続化補助金 | 小規模向け | 2/3 | 小規模事業者 | 小規模AI活用 |
厚生労働省 系の助成金
| 助成金名 | 助成率/金額 | 対象 | 用途 | 期限 |
|---|---|---|---|---|
| リスキリング支援コース | 最大75% | 中小〜大企業 | AI研修・生成AI研修 | 2026年度末まで |
| 人材育成支援コース | 45〜85% | 全規模 | AI研修(幅広い雇用形態) | 通年 |
| 人への投資促進コース | 60〜75% | 全規模 | 高度AI人材育成 | 2026年度末まで |
| 働き方改革(時短コース) | 3/4〜4/5 | 中小 | AI業務自動化・残業削減 | 毎年4月〜 |
| 業務改善助成金 | 3/4〜4/5(最大600万円) | 中小 | AI導入+賃上げセット | 通年 |
| キャリアアップ助成金 | 定額57万円 | 全規模 | AI研修+正社員化 | 通年 |
5. 賢い組み合わせ活用術
補助金と助成金は目的が異なるため、同時に複数を組み合わせて活用できます(経費の二重申請は不可)。
パターン①:AI研修から始めて本格導入へ段階的に進める
STEP 1:人材育成支援コース(助成金)
→ 従業員へのAI基礎研修を低コストで実施
STEP 2:デジタル化・AI導入補助金
→ 研修で選定したAIツールを正式導入・補助金申請
パターン②:AI導入と賃上げをセットで最大効果を狙う
業務改善助成金(厚労省)
→ AI導入+最低賃金30円引き上げで最大600万円助成
同時活用:
デジタル化・AI導入補助金(経産省)
→ AIソフトウェア購入費に最大450万円補助
パターン③:大規模AIシステム開発+人材育成の両輪で進める
ものづくり補助金(経産省)
→ AIシステムのオーダーメイド開発に最大4,000万円
リスキリング支援コース(厚労省)
→ 開発したAIシステムを活用するための従業員研修費を75%助成
パターン④:自治体の上乗せ補助を活用してさらにお得に
国の補助金・助成金に加え、都道府県・市区町村の独自支援制度と組み合わせることで自己負担をさらに削減できます。例えば、東京都港区ではものづくり補助金の自己負担分に最大100万円の上乗せ補助が受けられます。お住まいの自治体の制度も必ず確認しましょう。
6. 申請前の共通チェックリスト
申請前に以下の準備を進めておくことで、スムーズな手続きが可能です。
全制度共通の事前準備
- [ ] GビズIDプライムの取得(取得に2〜3週間かかる場合あり。早めに!)
- [ ] 法人番号・決算書(直近2期分)の準備
- [ ] 導入したいAIツール・研修内容の選定
- [ ] 自社の経営課題・導入目的の整理
補助金(経産省系)特有の準備
- [ ] 対象AIツールが補助金の登録リストに含まれているか確認
- [ ] 交付決定前に購入・契約を絶対にしない(対象外になる)
- [ ] IT導入支援事業者(補助金対象のITベンダー)との連携
助成金(厚労省系)特有の準備
- [ ] 訓練実施計画届の提出(訓練開始の1ヶ月前まで)
- [ ] 就業規則・賃金台帳の整備
- [ ] 雇用保険の適用状況の確認
- [ ] 研修機関・外部講師との契約書の準備
7. まとめ
2026年は、国が「AI導入」を政策の中核に据えた年です。経済産業省側では令和7年度補正予算でAI・デジタル化支援に3,400億円が投じられ、厚生労働省側ではAI研修への最大75%助成(2026年度末まで)が提供されています。
本記事のポイントまとめ
- AIツール・システム導入には経産省・中小企業庁の補助金(最大450万円〜4,000万円)
- AI研修・人材育成には厚労省の助成金(最大75%・非競争型で確実性が高い)
- 期間限定制度(リスキリング支援コース、人への投資促進コースなど)は2026年度末が締め切り
- 補助金と助成金は目的が異なるため組み合わせ活用が可能
- GビズIDの取得や訓練計画届の提出など、事前準備が申請成功の鍵
AI活用を先送りにするほど、競合との生産性格差は広がります。まずは自社の課題を整理し、最適な制度を選んで早めに動き出しましょう。
参考・問い合わせ先
| 制度 | 問い合わせ先 |
|---|---|
| デジタル化・AI導入補助金 | https://it-shien.smrj.go.jp/ |
| ものづくり補助金 | https://portal.monodukuri-hojo.jp/ |
| 省力化投資補助金 | 中小企業庁 省力化投資補助金事務局 |
| 人材開発支援助成金 | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html |
| 業務改善助成金 | 管轄の都道府県労働局 |
| 総合案内 | 中小機構 補助金活用ナビ https://seisansei.smrj.go.jp/ |
免責事項: 本記事は2026年3月28日時点の情報をもとに作成しています。各制度の詳細・要件・スケジュールは変更される場合があります。申請前に必ず公式サイトおよび管轄機関でご確認ください。
タグ:AI補助金 / AI助成金 / 2026年 / 中小企業 / 厚生労働省 / 経済産業省 / デジタル化AI導入補助金 / 人材開発支援助成金 / ものづくり補助金 / リスキリング / 生成AI / DX推進
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