【共通テスト2026】情報Ⅰが大幅難化|平均点−12.67点、マーク数増・ビット演算など出題の質と量が本格化
2025年度に初めて共通テストに登場し、平均69.26点と「取りやすい科目」という印象を残した情報Ⅰ。しかし2年目の2026年度は一転、マーク数の大幅増加と思考力重視の出題で平均56.59点まで急落しました。大問ごとの変化と来年度への対策を徹底分析します。
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目次
2026年度の情報Ⅰ──4つの数字
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 2026年度 平均点 | 56.59点(100点満点) |
| 前年比 | −12.67点(2025年度 69.26点) |
| マーク数 | 60(前年比 +9) |
| ページ数 | 34P(前年比 +2P) |
1. 2年目で何が変わったのか?──難化の3つの要因
2026年度の情報Ⅰは、形式(4大問構成・全問必答)や配点(第1問20点・第2問30点・第3問25点・第4問25点)は前年と同じでした。つまり試験の「骨格」は変わっていません。それでも平均点が12点以上も下がった原因は、以下の3点に集約されます。
❶ マーク数の大幅増加
マーク数が前年の51から 60に増加(+9)。60分という試験時間は据え置きのため、1問あたりに使える時間が圧縮されました。河合塾は「時間内にすべての問題を解くことが難しいと感じた受験生も多かったのではないか」とコメントしています。
❷ 思考力・応用力の要求水準が上昇
河合塾の分析によると「昨年に比べ 幅広い知識をもとに考察する問題 が出題された」とされています。単純な知識の再生ではなく、知識を関連付けて日常の具体的な場面に応用する力が問われました。
❸ 出題テーマの刷新
最も注目されたのが第2問B。2025年度と試作問題では「乱数を用いた確率のシミュレーション」が出題されていましたが、2026年度では ビット演算による画像の透過・重ね合わせ処理 という、これまでになかったテーマが出題されました。
電通総研のテックブログでは「個々の問題を解くために必要な知識レベルはそれほど上昇していない」としつつも、「時間内に全ての問題を解くために求められる読解・思考スピードが大きく上昇した」と分析されており、難化の本質は「知識の難度」ではなく「処理すべき情報の量とスピード」にあったと言えます。
2. 数字で見る2025年度と2026年度の比較
| 項目 | 2025年度(初年度) | 2026年度(2年目) | 変化 |
|---|---|---|---|
| 平均点 | 69.26点 | 56.59点 | −12.67点 |
| マーク数 | 51 | 60 | +9 |
| ページ数 | 32P | 34P | +2P |
| 大問構成 | 4大問 | 4大問 | 変化なし |
| 配点 | 20/30/25/25 | 20/30/25/25 | 変化なし |
| 試験時間 | 60分 | 60分 | 変化なし |
| 第2問Bテーマ | 確率シミュレーション | ビット演算・画像処理 | 大幅変更 |
| データネット難易度判定 | やや易 | やや難 | 2段階変化 |
形式面はほぼ変わらないにもかかわらず、平均点が13点近く下がっていることが特徴です。マーク数の増加は1問あたり約1分しかない計算で、情報の読解スピードと正確な判断力が同時に要求される試験へと変貌しました。
3. 大問別の出題分析──予備校4社の見解を統合
第1問|小問集合(20点・マーク11)
記憶装置・情報セキュリティの知識問題、2進法と16進法の変換(クロスステッチの図案が題材)、UIデザインにおけるスクロール設定のデータ分析、電子メールの仕組み。問2の進数変換に時間を要した受験生が多い。
注目点: 問3ではデータ分析と情報デザインの組み合わせなど、分野をまたいだ融合的な出題が見られた。
第2問|A:情報システム設計 / B:ビット演算と画像処理(30点・マーク17)
Aは住民証明の電子データシステムの改良を段階的に考察する問題。改ざん防止やプライバシー保護・情報漏洩対策といった新たな論点を、情報システムにどう組み込むかが問われた。
Bはビット演算(AND・OR・NOT)による画像透過・重ね合わせ処理。東進は「試作問題と2025年本試験では乱数を用いた確率シミュレーションだったが、2026年本試験ではこれまでと傾向が大きく変わった」と分析。受験生にとってなじみの薄い分野であり、今回最大の難化ポイント。
第3問|プログラミング(25点・マーク15)
文化祭のゲーム展示で待ち時間を最小化する体験時間を求める問題。ガントチャートの読解→配列を使ったプログラムの穴埋め→条件を変更したシミュレーションと、段階的に難度が上がる構成。出題形式は例年通り。
第4問|データの活用(25点・マーク13)
桜の開花日データを題材にした統計分析。散布図やヒストグラムの読み取り、相関関係の分析など。データの意味を正しく解釈し、多面的に考察する力が求められた。読解力と統計リテラシーが鍵。
河合塾は全体を通じて「情報の科学的な理解に基づいて身近な問題について考えさせる問題が出題された」と評価しています。東進も「知識だけでは太刀打ちできない問題」と評しており、単元ごとの暗記では対応できない出題に進化したことが読み取れます。
4. 受験生のリアルな声──「時間が全く足りなかった」
高校生新聞に寄せられた受験生の声は、今年度の情報Ⅰの厳しさを如実に物語っています。
「知識ではなく思考問題で複雑な問題ばかりで困惑」(桂花さん・高3)
「情報難化しすぎ」(のなめさん・高3)
「時間が全く足りなかった」(藤咲花佳さん・高3)
河合塾も「60分の試験時間に対して負担を感じた受験生が多かっただろう」とコメントしており、マーク数60という量が60分間では処理しきれなかった受験生が多数いたことがうかがえます。データネットの分析では「やや難」と判定されていますが、受験生の実感としてはそれ以上の厳しさだったと言えるでしょう。
5. なぜ「処理量」で難化させたのか?──出題者の意図を読む
なぜ出題者は「問題を難しくする」のではなく「処理すべき量を増やす」方向で難化させたのでしょうか。この点について、2025年度の試験後に公開された進路企画の新沼正太所長の分析が示唆的です。
新沼所長は2025年度の時点で「2026年度は平均点を60点に下げるための調整が入る」と予測したうえで、その方法について次のように述べていました。
「問題を難しくする場合、どうしても数学的な要素を増やすことになり、『数学』と『情報』を分けて能力を測る意味が薄れてしまう。そのため、問題に対する情報処理の量を増やし、時間内に終わらせることを難しくする方向になるだろう」
実際の2026年度の出題は、まさにこの予測通りの展開となりました。
💡 「情報Ⅰ」の本質的なねらい
情報Ⅰが測りたいのは数学的な計算力ではなく、「大量の情報を素早く正確に読み取り、整理し、活用する力」 です。マーク数の増加は、この力をより正確に測るための手段だと考えられます。今後もこの方向性は続く可能性が高いでしょう。
6. 6教科総合への影響──文理ともにダメージ大
情報Ⅰは100点配点で6教科8科目の合計1000点に含まれるため、−12.67点のダウンは文系・理系ともに総合点を直撃しました。河合塾・駿台・ベネッセの推定による6教科総合点は以下の通りです。
| 区分 | 2026年度 | 2025年度 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 文系6教科(1000点満点) | 596点 | 620点 | −24点 |
| 理系6教科(1000点満点) | 603点 | 633点 | −30点 |
情報Ⅰの下落分(−12.67点)だけで、この差分の約半分を占めている計算です。
特に理系は物理の大幅難化(−13.41点)と情報Ⅰの難化が重なり、ダブルパンチとなりました。国公立大学の出願動向にも影響を与え、理系の難関大学では安全志向の出願が増えたとされています。
7. 2027年度に向けた情報Ⅰ対策──5つのポイント
2026年度の出題傾向をふまえ、来年度の受験生が取り組むべき具体的な対策を整理します。
① 「速く読む力」を鍛える──情報読解のスピードトレーニング
マーク数60を60分で処理するには、問題文の情報を素早く正確に把握する読解力が不可欠です。情報Ⅰの問題は文章量が多いため、長文を読んで要点を抽出する練習を日常的に行いましょう。過去問や模試を「時間を計って解く」ことが最も効果的です。
② ビット演算・論理演算を確実に押さえる
2026年度で出題されたAND・OR・NOT演算による画像処理は、今後も形を変えて出題される可能性があります。16進法⇔2進法の変換も含め、基数変換と論理演算は素早く正確に処理できるレベルまで仕上げましょう。
③ 「分野横断」の視点を持つ
河合塾が指摘する通り、データ分析×情報デザイン、情報セキュリティ×ネットワークなど、分野をまたぐ融合的な出題が増えています。単元ごとの個別学習だけでなく、複数分野の知識を結びつけて考える訓練が重要です。
④ プログラミングは「読む力」を最優先に
第3問のプログラミング問題は、自分でコードを書く能力よりも「与えられたプログラムの意図を読み取る力」が求められます。共通テスト用プログラム表記に慣れ、配列操作・繰り返し・条件分岐のパターンを素早く把握できるようにしましょう。
⑤ 日常の情報技術に「なぜ?」と問いかける習慣
桜の開花日分析、クロスステッチ、ゲームのキャラクター画像、電子メールの仕組みなど、2026年度は「身近な題材」が多く出題されました。東進の分析でも「身近に使われている情報技術の仕組みにアンテナを張ること」が推奨されています。普段使っているアプリやサービスの仕組みを意識するだけで、初見の問題への対応力が変わります。
8. まとめ──「取りやすい科目」は終わった
2025年度の初年度は、新課程への移行に配慮した「ソフトランディング」だったと見られています。平均点69点は他の多くの科目より高く、受験生にとっては得点源になりうる科目でした。
しかし2026年度の結果は、出題者が「情報Ⅰ」を他の科目と同等の難易度で運用していく意思を示したものと解釈できます。形式を変えずに量を増やし、知識の応用力と情報処理スピードを同時に問うこの方針は、今後も継続される可能性が高いでしょう。
情報Ⅰの推移と今後の見通し
| 年度 | 平均点 | 難易度 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 2025年度(初年度) | 69.26点 | やや易 | 新課程への配慮。「対策なしでも高得点が狙えた」との声も |
| 2026年度(2年目) | 56.59点 | やや難 | マーク数60、ビット演算など新テーマ。処理量で難化 |
| 2027年度以降(予測) | 60点前後? | 標準〜やや難 | 処理量重視の路線は継続か。過去問蓄積で演習環境は改善 |
情報Ⅰの配点100点は、6教科1000点満点の10%を占めます。「情報は軽く対策すれば大丈夫」という認識は改め、主要科目と同じレベルで戦略的に取り組む必要があります。2027年度の受験生は、2026年度の問題をしっかり分析し、量とスピードを意識した演習を今から始めることをおすすめします。
出典・参考情報
本記事の平均点データは大学入試センター最終発表(2026年2月5日)に基づきます。各大問の分析は河合塾、データネット(駿台・ベネッセ)、東進、高校生新聞の公開情報を参考に構成しています。出題者の意図に関する分析は進路企画・新沼正太所長のインタビュー(データサイエンス百景掲載)を参照しました。
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