栃木県の高校・大学の評判と受験対策まとめ|塾選びと「情報I」から見た学校研究

栃木県の高校・中高一貫校・大学について、学校の基本情報・評判として挙がる点・受験対策に使える塾を1校ずつまとめた記事の一覧です。所在地は2026年10月4日に公式サイトと栃木県の資料で確認しています。

この一覧で取り上げた県立高校は、「令和9(2027)年度栃木県立高等学校入学者選抜実施細則」の別表5(全日制)と別表6(定時制)に載っている学校です。令和9年4月1日に新校が4つ開校し、それにともなって鹿沼南・鹿沼商工・今市工業・日光明峰は募集しません。栃木県教育委員会のホームページ一覧にはこの4校がまだ載っていますが、別表には入っていません。学校の一覧は、リンク集ではなくその年度の実施細則の別表を正としてください。

この一覧は、通学型プログラミングスクール「テックジム」が運営するメディアの記事です。受験の専門塾ではありません。そのぶん、高校の必修科目「情報I」とプログラミングという角度から見た評価を各記事に書いています。偏差値や合格実績の数値は載せていません。出典によって食い違い、毎年変わるためです。テックジム自身の評判は「テックジムの評判・口コミまとめ」にまとめてあります。

栃木県の県立高校

令和9年度に募集する県立高校を、市町ごとに並べました。全日制は54校101系・科、定時制は7校で、重複を除くと57校です。

市町 学校
宇都宮市 宇都宮高校
宇都宮東高校
宇都宮南高校
宇都宮北高校
宇都宮女子高校
宇都宮中央高校
宇都宮白楊高校
宇都宮工業高校
宇都宮商業高校
宇都宮清陵高校
鹿沼市 鹿沼高校
鹿沼東高校
鹿沼華陵高校
日光市 今市高校
上三川町 上三川高校
下野市 石橋高校
小山市 小山高校
小山南高校
小山西高校
小山北桜高校
小山城南高校
栃木市 栃木高校
栃木女子高校
栃木農業高校
栃木工業高校
栃木商業高校
栃木翔南高校
学悠館高校
壬生町 壬生高校
佐野市 佐野高校
佐野東高校
佐野松桜高校
足利市 足利高校
足利南高校
足利工業高校
足利清風高校
真岡市 真岡高校
真岡女子高校
真岡北陵高校
真岡工業高校
益子町 益子芳星高校
茂木町 茂木高校
那須烏山市 烏山高校
那珂川町 馬頭高校
大田原市 大田原高校
大田原女子高校
黒羽高校
大田原東高校
那須塩原市 那須拓陽高校
那須清峰高校
黒磯高校
黒磯南高校
那須町 那須高校
矢板市 矢板高校
矢板東高校
高根沢町 高根沢高校
さくら市 さくら清修高校

学力点はすべて500点。差がつくのは調査書点

栃木県の一般選抜では、学力点が101系・科すべて500点で固定されています。学校の性格が出るのは調査書点で、50点から500点まで17段階あります。学力点の10分の1(50点)の学校と、学力点と同点(500点)の学校では、受験の準備がまったく違います。

一般選抜の調査書点 学校(系・科) 読み方
50点 宇都宮・宇都宮東・宇都宮北・宇都宮女子・宇都宮中央の普通科・栃木・真岡 入試当日の学力検査でほぼ決まる
55点 大田原 県内で2番目に調査書点が軽い
100点 石橋・栃木女子・佐野東・宇都宮中央の総合家庭科 学力検査が調査書の5倍
400点・405点 鹿沼華陵の5学科(400点)・真岡北陵の5学科(405点) 中学校3年間の成績がそのまま効く
500点 馬頭の2科・黒羽・那須の2科 学力点と同点。日々の積み上げが半分

学校独自検査の種類は学校ごとに違う

特色選抜の学校独自検査は、別表5に学校(系・科)ごとに書かれています。プレゼンテーションが52系・科で最多、個人面接が38系・科、個人面接とプレゼンテーションの併用が9系・科です。グループ討論は宇都宮高校だけ、集団面接は佐野東高校だけです。

独自検査点も学校ごとに違います。最小は宇都宮商業の50点、最大は小山西・真岡・黒羽の1000点で、20倍の差があります。「特色選抜対策」を一般論でまとめることが栃木県ではできないということです。必ず志望校の別表5の数字を見てください。

栃木県の私立高校

栃木県「高等学校・中等教育学校・中学校・小学校の一覧」(令和8年4月1日現在)に載っている私立高校の全件です。全日制14校と広域通信制1校です。私立の入試日程・選抜方法は県の実施細則の対象外なので、各記事に配点は書いていません。

栃木県の大学

栃木県に公立大学はありません。国立は宇都宮大学の1つだけで、高等専門学校もありません。(隣の茨城県には茨城工業高等専門学校があります)

情報系の学部・学科があるのは3校です。宇都宮大学のデータサイエンス経営学部、帝京大学宇都宮キャンパスの理工学部情報科学科、国際医療福祉大学の保健医療学部放射線・情報科学科です。

栃木県の県立高校入試で押さえておくこと

栃木県の県立高校入試は一般選抜と特色選抜、それに再募集でできています。定時制にはフレックス特別選抜もあります。

いちばん大事なのは、令和9(2027)年度が制度の変わる初年度だという点です。令和8年度以前の資料は制度が違うので、そのまま使えません。

ほかの県と比べたとき、栃木でまず押さえるべき点は3つです。

  • 一般選抜の「学力点:調査書点」が学科ごとに公表されている。学力点は101系・科すべて500点で共通ですが、調査書点は50点から500点まで17段階あります
  • 特色選抜でも学力検査を受ける。一般選抜で実施する学力検査をもってこれに代えるという形です
  • 通学区域は県内全域。要項に正面から書かれています

以下の制度の説明は、栃木県教育委員会「令和9(2027)年度栃木県立高等学校入学者選抜要項」と「同 入学者選抜実施細則」(76ページ)から書いています。どちらも令和9年度入学者選抜(2027年春入学)の資料です。

令和9年度から制度が変わる

栃木県は令和9(2027)年度入学者選抜から制度を変えます。対象は令和6(2024)年度に中学校第1学年に入学した生徒から。根拠は「栃木県立高等学校入学者選抜制度の改善方針」(令和5年11月24日・栃木県教育委員会)です。

変わる点は3つです。

変わる点 何が起きるか
特色選抜の受検者も含め、すべての受検者に学力検査を実施する 特色選抜だけ学力検査なしという形がなくなった
特色選抜と一般選抜を連続する同一日程にする 学力検査の翌日に学校独自検査がある
すべての受検者が一般選抜に出願したうえで、本人の希望により特色選抜も併せて出願する 「特色選抜だけ受ける」ことができない

要項の条文で確かめると、特色選抜の入学志願資格はこうなっています。

ア 入学志願資格
一般選抜に出願し、且つ、志願する高等学校が別に定める資格要件を満たす者とする。

さらに出願の規定で、こう縛られています。

(ア) 一般選抜と同一校同一学科(系・科)とする。
(中略)
(エ) 出願に要する書類の提出後において、出願先の高等学校、学科(系・科)を変更することはできない。一般選抜の志願先を変更する場合には、特色選抜の出願は取り下げることになる。

特色選抜は一般選抜と同じ学校・同じ学科にしか出せません。さらに一般選抜の志願先を変えると特色選抜の出願は消えます。一般選抜の出願変更は1回だけできるので、特色選抜に出願した人は、出願変更を使うかどうかの判断がそのまま特色選抜を捨てるかどうかの判断になります。

一般選抜の「学力点:調査書点」は学科ごとに公表されている

栃木の入試でいちばん学校ごとの違いが出るのが、ここです。

なお、調査書の評定、学力検査及び実技検査実施校における実技検査の比重の置き方については、別に定める。

この「別に定める」の中身が実施細則の別表5「入試情報」等についてです。学科(系・科)ごとに「学力点」と「調査書点」が点数で公表されています。

学力点は101系・科すべて500点で共通です。違うのは調査書点で、50点から500点まで17段階あります。

一般選抜の調査書点 系・科数 学力点500点との比
50 7 10:1
55 1 約9:1
100 4 5:1
125 6 4:1
135 12 約3.7:1
162 2 約3:1
200 3 2.5:1
214・215 11 約7:3
270 7 約2:1
300 1 5:3
333 18 3:2
340・350 14 約3:2
400・405 10 約5:4
500 5 1:1

50点と500点で10倍の差があります。どちらも学力点は500点なので、調査書の重みだけが学校によって10倍違うということです。

両端は少数なので、名前を挙げられます。

  • 調査書点50点(学力検査の10分の1)=7校… 宇都宮・宇都宮東・宇都宮北・宇都宮女子・宇都宮中央・栃木・真岡(すべて普通科)。進学実績で知られる学校に集中しています
  • 調査書点500点(学力検査と同じ重さ)=5系・科… 馬頭(普通・水産)・黒羽(普通)・那須(普通・リゾート観光)。いずれも県北の小規模校です

受験する側から見ると、こう使えます。調査書点が50点の学校では、学力検査の1点が調査書の10点分に相当します。逆に調査書点が500点の学校では、中学3年間の成績がそのまま半分を占めます。同じ県の中でこれだけ設計が違うので、志望校の数字を見てから準備の配分を決める価値があります。

特色選抜は募集定員の50%を上限に学校が実施する

特色選抜は、学校が入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)と出願するための資格要件等を明示したうえで実施する選抜です。

イ 募集定員に占める割合
別に公示する学校・学科(系・科)の募集定員の50パーセントを上限とし、学校・学科(系・科)ごとに定めるものとする。

令和9年度の別表5を集計すると、定員の割合は8段階です。

特色選抜の定員の割合 系・科数
10% 3
15% 4
20% 13
25% 4
30% 46
35% 16
40% 5
50%(上限) 10

30%が46系・科で最多、上限の50%は10系・科です。

選抜の方法は2つです。

(ア) 学力検査
国語、社会、数学、理科及び外国語(英語)について行い、一般選抜で実施する学力検査をもってこれに代える。
(イ) 学校独自検査
各高等学校は、高等学校長の判断により、面接、作文、プレゼンテーション及び実技等、各学校・学科(系・科)の特色に応じて独自に設定した方法による検査を行う。自己表現シートは、学校独自検査における参考資料として活用する。

特色選抜のために別の学力検査を受けるわけではありません。一般選抜の学力検査の点がそのまま使われます。

合否の決め方にも順番があります。

入学者の選抜においては、第1次選抜で特色選抜受検者を対象とし、第2次選抜で特色選抜合格者を除く全ての受検者を対象とする。

特色選抜で合格しなかった人は、そのまま一般選抜の対象になります。特色選抜に出願して損はないという設計です(資格要件を満たしているなら)。

学校独自検査はプレゼンテーションが最多

学校独自検査の中身も学科ごとに公表されています。別表5の4つの列(個人面接・集団面接・プレゼンテーション・グループ討論)です。令和9年度の101系・科を集計すると、こうなります。

学校独自検査 系・科数
プレゼンテーション 52
個人面接 38
個人面接+プレゼンテーション 9
グループ討論 1(宇都宮高校だけ)
集団面接 1(佐野東高校だけ)

プレゼンテーションが52系・科で、半分を超えます。グループ討論は宇都宮高校だけ、集団面接は佐野東高校だけという、名前を挙げられる少数です。

配点も別表5に出ています。特色選抜は「学力点・調査書点・独自検査点」の3つで、学力点は101系・科すべて500点、調査書点は50〜675点で21段階、独自検査点は50〜1000点で22段階あります。

独自検査点1000点は3校です。小山西(普通)・真岡(普通)・黒羽(普通)。真岡は一般選抜の調査書点が50点で、特色選抜の独自検査点が1000点という、両極を併せ持つ設計になっています。

テックジムの視点から書いておきます。プレゼンテーションは、調べたことを人に伝わる形にする作業です。「情報I」の「情報デザイン」はまさにこれを扱う単元で、何を伝えたいかを決めて、図や数値で裏づけ、順番を組むという流れになります。スライドを作る操作ではなく、構成を作る力が問われます。自分で何かを作って、それを人に説明した経験がある人は強いです。

自己表現シートは志願者本人が書く

特色選抜に出願するときは「自己表現シート」(様式11)を提出します。

この自己表現シートは、全日制課程の特色選抜、定時制課程のフレックス特別選抜の志願者本人が、自筆又は電子データで作成してください。

志願者本人が書くもので、学校独自検査における参考資料として活用されると要項に明記されています。自筆でも電子データでもよいという書き方なのも特徴です。

中学校の側にも手続きがあります。「中学校は、『自己表現シート』の校内外の活動の実績について、事実と相違ないことを確認する」と細則に書かれています。書いた実績は中学校が裏を取るということです。

別表5には「自己表現シートの学校独自質問の有無」という列もあります。学校独自質問があるのは48系・科、ないのは53系・科です。志望校に独自質問があるかどうかは、出願の準備に直接効きます。別表5で確認してください。

学力検査は5教科各50分を1日で

学力検査は国語・社会・数学・理科・外国語(英語)の5教科です。検査時間は1教科あたり50分で、すべての出願者が受けます。

時間 教科
9:35〜10:25 国語
10:50〜11:40 数学
12:05〜12:55 外国語(英語)
13:50〜14:40 社会
15:05〜15:55 理科

国語→数学→英語→社会→理科という順で、英語が昼前の3時間目に来ます。5教科を1日で終えるので、朝9時35分に始まって午後3時55分までかかります。社会と理科が午後の後半なので、最後まで集中が続くかどうかが素直に効きます。

実技検査は別に定める高等学校・学科(系・科)で行われます。どの学校で実技検査があるかは、県の資料で確認してください。

一般選抜の傾斜配点は3校だけ

別表5には「一般選抜の傾斜配点」という列があります。令和9年度に傾斜配点を行うのは3校だけです。

学校 学科 傾斜配点 一般選抜の調査書点
宇都宮 普通 国数英 50
宇都宮女子 普通 国数英 50
栃木 普通 国数英 50

3校とも「国数英」で、3校とも一般選抜の調査書点が50点です。学力検査を重く見て、そのうえで国語・数学・英語をさらに重く見るという一貫した設計になっています。どの倍率で傾斜をかけるかは資料に書かれていないので、学校の募集要項で確認してください。

通学区域は県内全域。隣接県との協定がある

栃木県の県立高校には通学区域(学区)がありません。要項に正面から書かれています。

2 通学区域
通学区域は、県内全域とする。

住んでいる市町によって出願できる学校が変わることはありません。ただし入学志願資格に「原則として保護者とともに県内に居住する者」という条件があります。

通学区域という語が出てくるのは隣接県から出願する場合の話です。実施細則の巻末に「隣接県公立高等学校入学志願者取扱協定」(資料2)と「協定における隣接学区・地域」(資料3)が載っています。

協定県は福島・茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉の6県です。栃木の細則には、他県のどの地域から栃木のどの市町の高校に出願できるかの対応表まで載っています。

他県の学区・地域 出願できる栃木県の地域
福島県 県南学区固定区 大田原市・那須塩原市・那須町
福島県 会津学区固定区 鹿沼市・日光市・大田原市・那須塩原市・那須町
埼玉県 行田市・加須市・羽生市・鴻巣市のうち旧川里町の地域 栃木市・小山市・下野市・上三川町・壬生町・野木町
茨城県 水戸市・笠間市・ひたちなか市・常陸大宮市・那珂市・茨城町・大洗町・城里町・東海村・大子町 真岡市・大田原市・矢板市・那須塩原市・さくら市・那須烏山市・益子町・茂木町・市貝町・芳賀町・塩谷町・高根沢町・那須町・那珂川町
茨城県 古河市・結城市・下妻市・常総市・つくば市・守谷市・筑西市・坂東市・桜川市・つくばみらい市・八千代町・五霞町・境町 栃木市・小山市・真岡市・下野市・上三川町・益子町・茂木町・市貝町・芳賀町・壬生町・野木町
群馬県 太田市のうち旧藪塚本町を除く地域・館林市・板倉町・明和町・千代田町・大泉町・邑楽町 足利市・栃木市・佐野市・小山市・下野市・上三川町・壬生町・野木町
群馬県 桐生市・太田市のうち旧藪塚本町の地域・みどり市 足利市・佐野市・鹿沼市・日光市

「太田市のうち旧藪塚本町を除く地域」「鴻巣市のうち旧川里町の地域」のように、合併前の町名で区域が分かれています。市の名前だけでは判断できないので、県境をまたぐ出願を考えるなら資料3を必ず見てください。

協定の中身で押さえるべき点は3つです。

  • 隣接県の県立高校への出願は、その県の「隣接学区内」の高校に限る(第1条)
  • 県内の公立高等学校と県外の公立高等学校との併願は認めない(第3条)。併願しない旨の証明書を添付しなければなりません
  • 隣接県からの入学志願者は、県内の入学志願者と平等に取り扱う(第2条)

第2志望・第3志望ができる学校

栃木には第2志望・第3志望を出せる学校があります。対象は農業・工業・商業に関する学科で、同一校の同一学科内に複数の系・科・コースを設置する高等学校です(別表1)。

分野 学校と系・科・コース
農業 宇都宮白楊(農業経営・生物工学・食品科学・農業工学)/栃木農業(農業科学・食品科学)/真岡北陵(生物生産・農業機械・食品科学)/那須拓陽(農業経営・生物工学・食品化学)
工業 宇都宮工業(機械システム・電気情報システム・建築デザイン・環境建設システム。系による募集)/鹿沼華陵(機械・土木科の機械コース・土木コース)/栃木工業(機械・電気・電子情報)/足利工業(機械・電気システム・産業デザイン)/真岡工業(機械システム・建設・電子)/那須清峰(機械システム・電気情報・建設工学)
商業 宇都宮商業(商業・情報処理)/栃木商業(商業・情報処理)

宇都宮工業だけ「系による募集」と注記が付いています。出願の単位が学科ではなく系ということなので、どの系に入ると何が学べるのかを学校説明会で確認してください。

もうひとつ、専門学科を第1志望にして同一校の普通科を第2志望にできる学校が1校あります(別表2)。

学校 第1志望の科 第2志望の科
小山南 スポーツ 普通

別表2には「特色選抜においては、第2志望はできない」と注記が付いています。第2志望が使えるのは一般選抜だけということです。

全国からの志願を認める高校は2校

栃木には全国からの志願を認める高等学校が2校あります(別表3)。

学校 科 備考(原文)
今市 総合 アイスホッケー、スピードスケート競技での活躍を目指す者に限る。
馬頭 水産 —

競技を名指しで限定しているのが珍しいところです。日光市はアイスホッケーとスピードスケートの土地なので、地域の競技環境を全国募集の条件に結びつけた形だと読めます。

馬頭高校の水産科は、海のない栃木県にある水産科です。那珂川町にあり、淡水の水産を扱います。内陸県に水産科があるのは全国でも数少ないので、全国募集の対象になっているのは理屈が通っています。

くくり募集は小山高校だけ

栃木でくくり募集を実施するのは1校だけです(別表4)。

学校 対象となる科
小山 普通・数理科学

くくり募集では、出願するのは個々の科ではなくそのくくりになります。入学の時点で普通科か数理科学科かが決まりません。どちらに進むかが入学後にどう決まるのかを、学校説明会で必ず確認してください。

数理科学科は県内で小山高校だけの学科名です。数学と理科を軸にした学科だと読めますが、実際にどの科目が置かれているかは教育課程表で確認してください。

併設型中高一貫は3校

栃木県の中高一貫教育は併設型が3校です。実施細則に「併設型高等学校において選抜を実施する学校・学科」として挙げられています。

学校 学科
宇都宮東高等学校 普通科
佐野高等学校 普通科
矢板東高等学校 普通科

附属中学校からの進学には、はっきりした条件があります。

当該附属中学校に係る併設型高等学校に入学を希望する旨の入学意思確認書を提出した者については、入学者の選抜は行わず、内部進学による入学内定者とするものとする。
ただし、当該附属中学校に係る併設型高等学校に入学を希望しない旨の入学意思確認書を提出した者については、内部進学をする資格を失うものとする。

「入学を希望しない」と出すと内部進学の資格を失うと明記されているのが厳しいところです。外の高校を受けてみて、だめなら戻るという使い方はできません。

定時制は学力検査が3教科300点

栃木の定時制は7校です。一般選抜の配点が全日制とまったく違います。

学校 学力点 調査書点 面接点 学力検査実施教科
宇都宮清陵 300 200 100 国数英
鹿沼華陵 300 200 100 国数英
学悠館 500 250 250 国社数理英
足利工業 300 200 200 国数英
真岡 300 300 300 国数英
大田原東 300 300 100 国数英
矢板東 300 300 100 国数英

読み取れることが3つあります。

  • 定時制の学力検査は3教科300点が基本です(国語・数学・英語)。学悠館だけ5教科500点で、全日制と同じ形です
  • 一般選抜に面接点があるのが全日制との大きな違いです(100〜300点)
  • 真岡の定時制は学力点300・調査書点300・面接点300で均等です

フレックス・ハイスクールは昼夜間開講の定時制・通信制課程を置く単位制の県立高校です。実施校は宇都宮清陵高校定時制課程と学悠館高校定時制課程の2校で、この2校では一般選抜に加えてフレックス特別選抜を実施します。募集定員の50%を上限に学校・学科ごとに定められます。

フレックス特別選抜には、ほかにない仕組みがあります。

志願するフレックス・ハイスクールに設置された複数の部を志願することができる。(中略)なお、フレックス特別選抜のみ出願することができる。

全日制の特色選抜は「一般選抜に出願したうえで」でないと出せませんが、フレックス特別選抜は単独で出願できます。複数の部(午前部・午後部など)を志望順をつけて出せるのも違いです。

令和9年度に開校する新校が4つある

栃木県は「第三期県立高等学校再編計画」(令和6年1月決定・令和6年度〜令和17年度)で学校の再編を進めています。令和9(2027)年4月1日に新校が4つ開校します。

新校 再編の内容
栃木県立宇都宮東中等教育学校 宇都宮東高校及び附属中学校を中等教育学校へ再編。後期課程に進学に重点を置く単位制を導入。前期課程1学年120人/後期課程1学年120人・普通科(単位制)
栃木県立宇都宮清陵高等学校 フレックス・ハイスクールへ再編し、宇都宮工業高校の定時制と宇都宮商業高校の定時制を統合。定時制普通科は午前部80人・午後部80人。通信制普通科(収容定員470人)は令和11年度から募集を開始。年度の後期から入学を許可する「秋季選抜」を実施
栃木県立鹿沼華陵高等学校 鹿沼南高校と鹿沼商工高校を統合し、農業・工業・商業・家庭に関する学科を併置した未来共創型専門高校へ再編。昼間定時制を併置。全日制240人(農林科学40・機械・土木40・情報科学40・商業80・ライフデザイン40)+定時制普通科40人。花岡キャンパスとみなみキャンパスの2キャンパス
栃木県立今市高等学校 今市高校・今市工業高校・日光明峰高校の3校を統合し、総合学科高校へ再編。総合学科240人。6系列(人文社会・自然科学・生活福祉・スポーツ・芸術・商経・情報・電子情報)

ここに落とし穴があります。県のホームページ一覧(県立高等学校のホームページ)には、鹿沼南・鹿沼商工・今市工業・日光明峰がまだ載っています。けれども令和9年度の実施細則の別表5・別表6には入っていません。統合されるので、令和9年度入学者選抜では募集しないということです。

逆に鹿沼華陵高校は新設校なので、県のホームページ一覧にまだありません。公式サイトも開校前です。

今市高校は校名が統合前と同じなので、校名だけでは新校なのか分かりません。「3校を統合した総合学科高校」になることを知らずに出願すると、思っていた学校と違うことになります。

県の施設ページも古い校名のままです。宇都宮中央高校が「宇都宮中央女子高等学校」のまま載っています(2022年度に宇都宮中央高等学校へ改称し共学化)。学校の一覧は腐るので、志望校を探すときは実施細則の別表5・別表6で確認してください。

出願は栃木県電子申請システムで

栃木の出願は栃木県電子申請システムを使います。

入学願書・調査書・その他必要な書類を、原則として栃木県電子申請システムで提出します。志願者用フォームと中学校用フォームが分かれているのが特徴です。志願者は事前に利用登録をしたうえで、令和9年1月29日(金)午前9時から2月8日(月)午前10時までに志願先高等学校のフォームから登録します。

入学考査料の納付も手続きに含まれます。細則の出願変更の規定に「志願者情報等の登録及び入学考査料の納付後において」とあるので、登録と納付の両方が終わってはじめて出願した状態になると読めます。

中学校卒業後5年以上を経過した志願者には別の扱いがあります。「中学校卒業証明書」とともに書類を郵送(書留・親展)するか、志願先高等学校へ事前連絡のうえ持参するという形です。

追検査の事由に「月経随伴症状」が明記されている

栃木の追検査には、ほかの県であまり見ない記述があります。

⑴ 対象
本検査(一般選抜及び特色選抜)に出願した者のうち、各種感染症や月経随伴症状に伴う重篤な症状を呈する者など、本人に帰責されない合理的な事由により、本検査当日に別室での受検ができなかった者で、かつ、追検査の受検を希望する者とする。

「月経随伴症状に伴う重篤な症状」が追検査の事由として明記されています。ここまで書いている県は多くありません。

申請には手順があります。本検査当日の午後4時までに中学校長を通じて県教育委員会事務局に連絡し、3月1日(月)午後4時までに追検査申請書に医師の診断書等を添えて出願先高等学校長まで申請します。受検できるのは、本検査当日に受検を予定していた学校・学科(系・科・コース)です。

追検査の合格者は、当該高等学校の募集定員に含めて本検査と併せて発表されます。別枠ではないということです。

令和9年度の日程

令和9年度入学者選抜(2027年春入学)の日程です。栃木県教育委員会が公表している確定日程から整理しました。

項目 日
出願(一般選抜・特色選抜) 令和9年1月29日(金)〜2月8日(月)
出願変更(1回だけ) 2月10日(水)・12日(金)
受検票交付 2月19日(金)〜23日(火)
学力検査(すべての出願者) 2月24日(水)
学校独自検査(特色選抜出願者) 2月25日(木)・26日(金)(1日で行う学校は25日)
追検査 申請手続 3月1日(月)
追検査 学力検査 3月8日(月)
追検査 学校独自検査 3月9日(火)
合格者発表 3月12日(金)
再募集 出願 3月12日(金)〜15日(月)
再募集 面接及び作文 3月17日(水)
再募集 合格者発表 3月18日(木)

日程で注意すべき点が3つあります。

  • 学力検査(2月24日)と学校独自検査(2月25日・26日)が連続します。特色選抜に出願した人は2日続けて、学校によっては3日続けて学校へ行くことになります
  • 再募集の出願が合格者発表と同じ3月12日に始まります。結果を見てすぐ動く必要があるので、再募集を使う可能性があるなら事前に調べておく価値があります
  • 再募集の選抜は面接及び作文です。学力検査はありません

再募集に出願できるのは2つの要件を両方満たす人です。「県内公立高等学校入学者選抜で合格していない者」と「国立(高等専門学校を含む)、私立高等学校への入学手続をしていない者」です。

この記事の数値は令和9年度入学者選抜(2027年春入学)の資料によります。一般選抜と特色選抜の配点・特色選抜の定員の割合・学校独自検査の種類・自己表現シートの学校独自質問の有無・一般選抜の傾斜配点は、実施細則の別表5(全日制)と別表6(定時制)の値です。令和9年度は制度が変わる初年度なので、令和8年度以前の資料と混ぜないでください。募集定員は別に公示されます。傾斜配点の倍率、学校独自検査の具体的な内容、特色選抜の資格要件は各学校が定めるので、出願の前に志望校のホームページで必ず確認してください。

栃木県の情報に関する学科

栃木県の県立高校には情報を扱う学科がいくつもあります。令和9年度の別表5から学科名を拾うと、こうなります。

学科・系 学校
情報科学 鹿沼華陵(令和9年4月開校の新校)
情報処理 宇都宮商業・栃木商業
情報技術 宇都宮白楊
電気情報システム 宇都宮工業
電子情報 栃木工業
電気情報 那須清峰
電子 真岡工業
数理科学 小山(普通科とくくり募集)
情報制御 佐野松桜

さらに令和9年4月に開校する今市高校(総合学科)には、6系列のうち2つに「情報」が入ります(商経・情報系列と電子情報系列)。

同じ「情報」でも、工業系はハードウェアと制御、商業系はビジネスと活用に軸があります。学科名だけでは中身が決まらないので、教育課程表で実際の科目を見てから選んでください。

注意点をひとつ。農業・工業・商業に関する学科で同一校の同一学科内に複数の系・科・コースを置いている学校では、出願するのが系の単位になることがあります(別表1)。情報系の科に進めるかどうかは、入学後の振り分けの仕組み次第です。学校説明会で必ず確認してください。

栃木県の大学と「情報」

栃木県の大学について、進路を考えるうえで知っておくべき点が3つあります。

  • 国立は宇都宮大学の1つだけです
  • 公立大学はありません
  • 高等専門学校もありません(隣の茨城県には茨城工業高等専門学校があります)

宇都宮大学にはデータサイエンス経営学部があります。データサイエンスを学部名に掲げている国立大学という点で、情報分野に進みたい人には県内の有力な選択肢です。ほかに地域デザイン科学部・国際学部・共同教育学部・工学部・農学部があり、工学部と地域デザイン科学部は陽東キャンパス(宇都宮市陽東)、ほかは峰キャンパス(宇都宮市峰町)です。

私立では帝京大学宇都宮キャンパスに理工学部情報科学科、国際医療福祉大学(大田原キャンパス)の保健医療学部に放射線・情報科学科があります。医療系が強いのも栃木の特徴で、自治医科大学(下野市)・獨協医科大学(壬生町)・国際医療福祉大学(大田原市)と医学部を持つ大学が3つあります。

2025年1月の共通テストから、国立大学の一般選抜では原則として「情報」が課されるようになりました。宇都宮大学を目指すなら、学部を問わず「情報I」は避けて通れません。私立は課す大学と課さない大学があり、同じ大学でも学部によって違うことがあります。必ず最新の募集要項で確認してください。

共通テストの「情報I」

高校では「情報I」が必修です。2025年1月の共通テストから、国立大学の一般選抜では原則として「情報」が課されるようになりました。文系・理系どちらに進んでも避けて通れない科目になっています。

内容はプログラミング・データの活用・ネットワーク・情報デザインです。共通テストには擬似言語のプログラム問題が出ます。解説を読んで納得するのと、自分でプログラムの流れを追えるのは別です。

大学ごとの配点は「情報I 大学別配点まとめ」で、習う内容は「情報Iの教科書」で確認できます。共通テストの「情報I」には擬似言語のプログラム問題が出ます。解説を読んで納得するのと、自分でプログラムの流れを追えるのは別です。

栃木県で使える塾

塾を選ぶときに最初に決めるべきは、ブランドより形式です。集団で競うほうが動く人と、1対1で止まらないほうが進む人では、合う塾がまったく違います。

栃木県は全国展開のブランドが中心です。隣の茨城県で使える市進学院と早稲田アカデミーは、公式サイトに栃木の記載がないので挙げていません。県境をまたいで同じブランドが使えるとは限らないということです。

ただし教室は宇都宮市・小山市・栃木市・足利市など一定規模の市に集まります。県北(那須町・那珂川町)や日光市では、通塾を前提にした受験計画が立てられないことがあります。この地域ではオンラインで完結する手段の価値が、ほかの地域より高くなります。

ほかのブランドと横並びで比べる場合は「学習塾・予備校のブランド比較一覧」をご覧ください。

栃木県でプログラミングを学ぶなら

学習塾とは別に、プログラミングそのものを学べる教室を探す場合は、市町ごとにまとめた記事があります。

テックジムは入会金33,000円・月額22,000円(税込)で、コースを問わず受け放題という料金体系です。授業をせず、教材を進めながら分からないところをトレーナーに聞く自習型で、中高生から社会人までが同じ教室で学びます。受験指導はしません。栃木県内に校舎はありません。オンライン受講か、東京・永田町の東京本校が選択肢になります。栃木県は南部が宇都宮線と東武線で都内とつながっているので、小山市や栃木市からは都内の教室も通学圏に入ります。

プログラミングがどんなものか先に知っておきたい場合は、テックジム創業者が書いたらくらくPython塾が入口になります。読むだけでPythonの基礎構文をひと通りたどれる、超初心者向けの本です。

無料で試したい場合は、東京・永田町の東京本校でゼロからはじめるPython入門講座(無料・対面・毎週開催)とゼロからはじめるClaude Code入門講座(無料・対面)を開催しています。どちらも参加費はかかりません。

最終更新:2026年10月4日。学校の所在地と公式サイトは同日に栃木県教育委員会の施設ページ、「県立中学校、県立高等学校、特別支援学校のホームページ」、「高等学校・中等教育学校・中学校・小学校の一覧」(令和8年4月1日現在)、および各校・各大学の公式サイトで確認しました。配点・特色選抜の定員の割合・学校独自検査・自己表現シートの学校独自質問・一般選抜の傾斜配点は「令和9(2027)年度栃木県立高等学校入学者選抜実施細則」の別表5と別表6、制度と日程は「令和9(2027)年度栃木県立高等学校入学者選抜要項」、学校の再編は「第三期県立高等学校再編計画」と「令和9(2027)年度に開校する新校の設置計画」によります。令和9年度は制度が変わる初年度です。入試制度・コース構成は変更されることがあるため、出願の前には必ず学校の公式サイトで最新情報をご確認ください。

プログラミング学習に興味がある方は、まずは無料体験会へ

無料体験会・お申し込みはこちら