オンライン講座の参加者の約半数がGitのインストールで離脱した。対面とオンラインで学びが変わる理由

オンライン講座の参加者の約半数がGitのインストールで離脱した。対面とオンラインで学びが変わる理由

あるオンラインのClaude Code講座では、参加者の約半数がGitのインストールの段階で離脱したそうです。その講座を受けたテックジムの会員から筆者(テックジム代表)が聞いた話です。プログラミングのオンライン講座では、こうした初期離脱は珍しくありません。この記事では、なぜオンラインでは環境構築でつまずいた人が去ってしまうのか、対面とオンラインで学びの何が違うのかを、教室20人とオンライン4人の差、都立高校での出張授業などの実例から解説します。

この記事は、テックジム代表が配信しているメルマガ「グラさん通信」の内容をもとに、加筆・再構成したものです。

オンライン講座で約半数がGitのインストールで離脱した話

テックジムの会員のひとりが、他社が開催したオンラインのClaude Code講座に参加しました。後日その会員から聞いたところでは、講座の序盤、Gitをインストールする段階で、参加者の約半数が画面から去っていったといいます。

これは会員ひとりの見聞きした話で、講座の名前も主催者も伏せておきます。ただ、筆者自身もかつてオンライン講座を開いていたとき、同じような光景を何度も見てきました。ブラウザ上でPythonを動かせるGoogle Colaboratoryを使う講座ですら、最初にPythonを動かす段階で一定数の参加者が離脱していたのです。

Claude Codeは、パソコンの「ターミナル」で使うのが基本のAIエージェントです(2026年10月時点では、IDEやデスクトップアプリ、ブラウザからも使えます)。使い始めるには、ツール本体の導入に加えて、作業によってはGitのようなバージョン管理ツールも必要になります。普段ターミナルを開いたことのない人にとっては、ここが最初の大きな関門です。導入の流れはClaude Codeの環境構築方法、Gitの導入はGitインストール方法【Windows/Mac】にまとめています。

なぜ環境構築の段階で離脱してしまうのか

プログラミング講座では、初日が環境構築だけで終わることも珍しくありません。それほど、初心者にとって最初の準備は難しいものです。オンラインで離脱が起きる理由は、大きく3つあると筆者は考えています。

質問するのが恥ずかしい

大勢が参加するオンライン講座で、自分だけがつまずいていると感じたとき、チャットやマイクで質問するのは勇気がいります。「こんな初歩的なことを聞いていいのか」とためらっているうちに、講座はどんどん先へ進んでしまいます。

説明されても、わからないものはわからない

講師がどれだけ丁寧に説明しても、画面の向こうで何が起きているのかが見えなければ、的確な手助けはできません。エラーメッセージの読み方がわからない人に、言葉だけで解決策を伝えるのは、講師にとっても難しいのです。

画面を閉じれば、いつでも抜けられる

オンラインでは、つまずいた瞬間にウィンドウを閉じるだけで退出できます。教室なら隣の人や講師の目があり、もう少し粘ってみようと思えますが、自宅ではその歯止めが働きません。

同じオンライン講座を、半年で5回以上受講している人も少なからず見てきました。毎回同じところでつまずき、そのたびに最初からやり直しているのです。一度でも対面で手ほどきを受けていれば、少なくとも条件分岐くらいまでは進めたはずだと筆者は感じています。環境構築でのつまずき方はPythonの環境構築で挫折する理由と対処法でも整理しています。

対面は「主体者」、オンラインは「傍観者」を生む

テックジムでは、コロナ禍の間は体験講座をオンライン中心で開いていましたが、その後、対面開催に戻しました。戻してみて最初に感じたのは、参加者の手応えが明らかに違うということです。「他のオンライン講座ではまったく理解できなかったけれど、来てよかった」という声を何度もいただきました。

筆者はこの差を次のように分析しています。

対面開催 オンライン開催
参加者の視線 自分のパソコンに向かって試す 講師の声や共有画面に向かう
参加者の立場 自分で手を動かす主体者 講義を眺める傍観者になりやすい
終わったあとの感想 「自分が頑張れた」「助かった」という実感や感謝 講義を評価する批評家目線の感想
つまずいたとき その場で講師が駆け寄れる 質問するか、画面を閉じるか

同じ内容の講座でも、参加者が主体者になるか傍観者になるかで、得るものはまるで違います。オンラインで「わかった気がする」のと、対面で「自分の手で動かせた」のとでは、翌日に残るものが違うのです。

対面とオンラインの違いや、教室で見えた学び方の話を、テックジム代表が毎週メルマガ「グラさん通信」でお届けしています(読者1万人超・登録無料)。

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教室なら20人、オンラインなら4人:教える側から見た限界

筆者は以前、1か月間の企業研修でPython講師を務めました。そのときに改めて感じたのが、オンライン指導の限界です。

  • キーボードさばきが見えない:どの順番で、どうやってコードを書いているのかがわからず、書き方の癖を直す助言ができない
  • 画面共有でも実態がつかめない:見られたくない部分を隠すような動きがあり、本当にどこでつまずいているのかが見えにくい
  • 自分で書いたかどうかがわからない:AIに書かせたコードを、自分で書いたように報告されても見分けにくい
  • 見られる人数が少ない:教室なら20人を同時に見られるのに、オンラインでは4人ほどが限界だった

オンラインは移動がいらず便利ですが、教える側から見ると、一人ひとりの「手元」が見えないことが決定的な弱点です。プログラミングは、知識を聞くことより、書いているその瞬間に助言をもらうことで上達します。

都立高校の出張授業:90分で全員が関数を2つ書けた

対面の力を実感した例として、2024年11月に都立新宿山吹高校で行った出張授業があります。参加した生徒は全員がプログラミング未経験でした。

一人も取り残さないよう、いちばんゆっくりな生徒に合わせて進めました。それでも90分の授業で、テックジムの入門講座の3問目、関数を2つ書くところまで全員がたどり着きました。進むスピードに差はあっても、そばで手ほどきを受けながらなら、全員ができるようになります。実際に書いて、実行して、きちんと動くので、「わからないから進めない」という状態にならないのです。

同じ内容をオンラインでやると、聞いているだけの人が出て、筆者の経験では約半数が問題を解けずに終わります。途中で会議ツールから退出してしまう人もいます。

授業のあと、担任の先生からお礼の言葉をいただきました。筆者が授業中に話した「理屈を考える前に現象として捉える」「繰り返し経験して慣れていく」という考え方が、生徒だけでなく先生方にも響いたという内容でした。授業の様子は都立新宿山吹高校でプログラミングの授業をしてきました。で紹介しています。

いちばん伸びるのは「わからないときに質問できる環境」

では、どんな学び方がいちばん伸びるのか。筆者の答えは、「わからなかったら、その場で質問できる環境」です。

先生は、とにかく理解させようと説明を重ねがちです。しかし、学ぶ側が求めていないタイミングの説明は、なかなか頭に入ってきません。むしろ対面なら「難しかったですよね」という共感のひと言が自然に出て、それが「もう一度やってみよう」という気持ちにつながります。

自分のタイミングで手を動かし、わからないときだけ質問する。それ以外の時間は自分の試行に使える。この形がいちばん成長できます。逆に、時間のすべてを一方的な授業に取られてしまうと、学ぶ側にとっては大きな負担になります。

テックジムが「ジム方式」を採用しているのもこのためです。「何も問題がなければ何もしない。問題があったらすぐに駆けつける」。これがコーチングの本来の姿だと筆者は考えています。生徒が助けを求めるタイミングは、プログラミングの場合「わからなくなった瞬間」です。そこに人がいれば、たいていのつまずきは一度で解決します。

対面の講座で、AIでツールを作っているもののコードは読めないという筆者の知人が、じゃんけんの条件分岐に1時間取り組んだことがありました。「普段使わない頭を使って疲れた」と笑って帰られましたが、1時間でPythonを何十回も動かしたので、AIが書くコードも少しずつ読めるようになるはずです。1時間でも、手を動かした時間は確実に残ります。

それでもオンラインで学ぶなら押さえたい4つのこと

住んでいる場所や時間の都合で、オンラインしか選べない人もいるでしょう。その場合は、次の4つを意識するだけでも離脱しにくくなります。

  1. 環境構築は講座の前に済ませておく:当日いきなりインストールから始めない。事前の案内があれば必ず先に試す
  2. つまずいたら最初の5分で質問する:恥ずかしさより、置いていかれるほうがはるかに損
  3. 聞くより手を動かす時間を優先する:録画を見るだけで終わらせず、同じ操作を自分の手で再現する
  4. 一度は対面の講座を体験する:最初の関門を人に見てもらいながら越えると、その後のオンライン学習も続けやすい

オンライン学習が合うかどうかを見極めたい方は、オンラインのプログラミングスクールの注意点とメリット|向かない人と契約前の確認やプログラミングのオンライン学習が無理な人へ|対面・通学型スクールという選択肢も参考にしてください。

まとめ:プログラミングは「100回視聴するより1回通う」

  • あるオンラインのClaude Code講座では、約半数がGitのインストールで離脱したという(会員からの伝聞)
  • 離脱の理由は、質問しにくさ、言葉だけでは伝わらないこと、画面を閉じれば抜けられることにある
  • 対面では参加者が自分で試す主体者になり、オンラインでは講義を眺める傍観者になりやすい
  • 教える側から見ると、オンラインは手元が見えず、見られる人数も教室の20人に対し4人ほどが限界
  • 都立高校の出張授業では、対面で90分あれば未経験の生徒全員が関数を2つ書けた

「百聞は一見にしかず」と言いますが、プログラミングは「100回の視聴は1回の通学にしかず」だと筆者は考えています。特に環境構築のような最初の関門は、人に見てもらいながら越えるのがいちばんの近道です。Claude Codeを初期設定から自分の手で動かしてみたい方は、テックジムのClaude Code無料講座で体験できます。

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