東北大学のPython教材(CDS-OCW)|無料の「Python初級プログラミング」全8回と使い方・利用条件

東北大学のPython教材は、データ駆動科学・AI教育研究センターの「東北大学CDS-OCW」で無料公開されています。入門用の「Python初級プログラミング」は全8回のGoogle Colaboratoryノートブックで、変数から関数・再帰、問題解決演習まで、ブラウザだけで学べます。

この記事では、CDS-OCWで公開されているPython関連の教材を一覧にし、どの順番で使えばよいか、使うときに守るべき利用条件(非営利・教育目的に限る)までを、公式サイトの情報だけで整理します(掲載内容はすべて2026年10月18日確認)。

東北大学CDS-OCWとは

東北大学CDS-OCWは、東北大学データ駆動科学・AI教育研究センターの教育コンテンツを無償で提供するサイトです。OCW(オープンコースウェア)は、大学が授業の資料をインターネットで公開する取り組みのことです。

サイトでは教材が「プログラミング基礎」「データ科学」「数学基礎」「確率・統計基礎」「情報倫理・情報法」「ブロックチェーン」などに分類されており、Pythonを使う教材は「python」のタグで探せます。

入門用「Python初級プログラミング」全8回の内容

Pythonをはじめて学ぶ人向けの中心となる教材です。各回の資料ページには「Google Colaboratory上で閲覧可能なPythonの自習教材」と書かれており、Colabのノートブックへのリンクが置かれています。

回 タイトル 分類 公開日
1 変数と代入文 プログラミングの基本概念 2023.03.27
2 リストと辞書 プログラミングの基本概念 2023.03.27
3 条件分岐処理 プログラミングの基本概念 2024.01.09
4 繰り返し処理 プログラミングの基本概念 2024.01.09
5 関数と再帰処理 プログラミングの基本概念 2024.01.09
6 問題解決演習(1) 問題解決 2024.01.09
7 問題解決演習(2) 問題解決 2024.01.09
8 問題解決演習(3) 問題解決 2024.01.09

前半の5回で文法を学び、後半の3回で、学んだ要素を組み合わせて問題を解く演習に進む構成です。文法を一通り読んで終わりにせず、演習まで手を動かせるようになっている点が、この教材のいちばんの特徴です。

第5回では関数に加えて「再帰処理」も扱います。再帰は、関数が自分自身を呼び出す書き方です。たとえば階乗(5! = 5×4×3×2×1)は次のように書けます(この記事で用意した例です)。

def factorial(n):
    if n <= 1:
        return 1
    return n * factorial(n - 1)

print(factorial(5))
120

Colabで使うときの手順

資料ページには、「ファイル」から「ドライブにコピーを保存」して自分のGoogleドライブで使うよう案内されています。手順は次のとおりです。

  1. CDS-OCWの資料ページを開き、「ドキュメント」欄のリンクからColabのノートブックを開く
  2. Googleアカウントでログインし、メニューの「ファイル」→「ドライブにコピーを保存」を選ぶ
  3. コピーされたノートブックで、上のセルから順番に実行する

コピーを作らずに開いたままだと、書き込んだ内容を保存できません。Pythonのインストールは不要で、ブラウザとGoogleアカウントがあれば始められます。

入門のあとに使えるPython教材

CDS-OCWには、初級プログラミング以外にもPythonを使う教材があります。主なものを目的別にまとめました。

教材 内容(公式の説明の要約) 形式 公開日
Pythonの基本と構造 基本的なコマンドや構文(リスト、辞書、クラス、関数など)と、ビッグデータを処理するためのテクニックやライブラリの入門。日本語版と英語版がある 外部サイトの教材 2024.05.24
Pythonによるデータ管理と分析 pandasによるデータの扱い、matplotlibによる可視化、基本的なデータ分析と機械学習の入門。日本語版と英語版がある 外部サイトの教材 2024.05.24
Pythonによる統計学入門(Part1〜3) Pythonで統計学を学ぶ動画。導入編ではColabの使い方、リスト、グラフ化を解説。データ処理編、シミュレーション編が続く 動画(YouTube) 2023.09.01
『Pythonで学ぶ確率統計』章末問題集 同名の書籍(共立出版、2023年)の章末問題集と、章ごとの解説動画 資料・動画 2024.08.08
実践データ科学 プログラミングや機械学習の経験がない人向けに、機械学習と深層学習の実装の仕方を紹介 外部サイトの教材 2023.07.20
Pythonではじめる人流データ解析実践 仙台市の人流データをColabで読み込み、統計解析や可視化(グラフ・地図)を学ぶ。2026年3月5日開催の講座の資料 動画・ノートブック 2026.07.21

「Pythonの基本と構造」と「Pythonによるデータ管理と分析」は、データ科学国際共同大学院の講師による教材で、Python初級プログラミングとは別のシリーズです。人流データ解析の教材は、使っている人流データそのものにアクセスするには東北大学のメールアカウントでのログインが必要と明記されています。

どの順番で使えばよいか

公式に推奨の順番が示されているわけではありませんが、内容の難しさから考えると、次の順に進めると無理がありません。

  1. Python初級プログラミング(1)〜(5)で文法を学ぶ
  2. 同(6)〜(8)の問題解決演習で、文法を組み合わせて使う練習をする
  3. データ分析に進みたい人はPythonによるデータ管理と分析やPythonによる統計学入門へ
  4. 機械学習まで進みたい人は実践データ科学へ

問題解決演習に入る前に、「条件分岐・繰り返し・辞書」を組み合わせた小さなプログラムを自分で書けるか確かめておくと、演習でつまずきにくくなります。次の例は、科目ごとの点数を判定して平均を出すものです(この記事で用意した例です)。

scores = {"国語": 72, "数学": 88, "英語": 65}
total = 0
for subject, score in scores.items():
    total += score
    if score >= 70:
        print(subject, "合格")
    else:
        print(subject, "再試験")
print("平均", round(total / len(scores), 1))
国語 合格
数学 合格
英語 再試験
平均 75.0

この程度のコードを読んで、点数や基準を変えて試せるようになっていれば、演習に進む準備はできています。

使う前に確認したい利用条件

CDS-OCWの利用ガイドラインでは、次のように定められています。

  • 資料の著作権は、原則として講師またはセンターに帰属する
  • ガイドラインを守ることを条件に、私的利用のほか、非独占的・非営利的かつ教育的な目的に限り無償で利用できる
  • 私的利用以外で使う場合は、作成者、資料のタイトル、OCWに基づくこと、改変した場合はその旨などを表示する
  • 資料やその改変物を配布・ネット配信する場合は、同じ条件を付けなければならない

個人で学ぶ分には問題ありませんが、有料の講座や営利目的の研修でそのまま使うことは、この条件の範囲外になりえます。授業や勉強会で使いたい場合は、ガイドラインの全文を確認してください。

ほかの大学が公開しているPython教材

「大学 Python 教材」で探している方向けに、東京大学の教材も紹介します。東京大学 数理・情報教育研究センターのPythonプログラミング入門は、Colabの使い方から始まり、数値演算、変数と関数、条件分岐、文字列、リスト、辞書、繰り返しと進むWeb教材です。ページにはCC BY-NC-ND 4.0のライセンスが表示されています。

項目 東北大学 Python初級プログラミング 東京大学 Pythonプログラミング入門
形式 Colabノートブック(全8回) Web教材(Colabでも開ける)
特徴 後半3回が問題解決演習 テストとデバッグの章がある。授業で扱わない項目に▲印
利用条件 非営利・教育目的(CDS-OCW利用ガイドライン) CC BY-NC-ND 4.0

説明を詳しく読みながら進めたい人は東京大学、短い回に分かれたノートブックで手を動かしたい人は東北大学、という選び方ができます。

独学で質問できる場がほしい人へ

大学の公開教材は無料で質が高い一方、質問できる相手はいません。エラーで止まったときに聞ける環境がほしい人は、通学型プログラミングスクールのテックジムが東京本校(永田町)で毎週土曜に開いている無料Python講座(ゼロからはじめるPython入門講座)も選択肢になります。講座のあとは19時まで自習室を使え、講師に質問できます。

よくある質問

Q. 東北大学のPython教材は誰でも無料で使えますか?

使えます。東北大学CDS-OCWの資料は、利用ガイドラインを守ることを条件に、私的利用のほか非営利・教育目的に限って無償で利用できます。Colabの教材はGoogleアカウントがあれば開けます。

Q. Python初級プログラミングは何回ありますか?

全8回です。変数と代入文、リストと辞書、条件分岐処理、繰り返し処理、関数と再帰処理の5回と、問題解決演習の3回で構成されています。

Q. パソコンにPythonをインストールする必要はありますか?

必要ありません。教材はGoogle Colaboratoryのノートブックなので、ブラウザで開いて「ファイル」から「ドライブにコピーを保存」すれば、自分のGoogleドライブ上で実行できます。

Q. 会社の研修で使ってもよいですか?

利用ガイドラインでは、利用は非営利的かつ教育的な目的に限られています。営利目的の研修や有料講座で使う場合は条件の範囲外になりうるので、ガイドラインの全文を確認し、必要ならセンターに問い合わせてください。

まとめ

  • 東北大学のPython教材は、データ駆動科学・AI教育研究センターのCDS-OCWで無料公開されている
  • 入門は「Python初級プログラミング」全8回(文法5回+問題解決演習3回)のColabノートブック
  • 入門のあとは、データ管理と分析、統計学入門の動画、実践データ科学などへ進める
  • 利用は私的利用と非営利・教育目的に限られる

Pythonでデータ分析に進みたい方はpandasの使い方、東北大学の入試で「情報Ⅰ」がどう扱われるかは東北大学「情報Ⅰ」の配点もあわせてご覧ください。

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  • 講座は1時間。そのあとも残って学習を続けられ、講師にも質問できます
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