就活で評価されるIT資格と、いつまでに取るか|文系の順番も解説

資格は「あると有利」ですが「取れば受かる」ものではありません。企業が期待するのは課題設定・解決能力(80.1%)で、資格では示せません。それでも用語が通じるようになるという実利はあります。この記事では何を、いつまでに取るかを扱います。

企業が選考で見ているもの

話を進める前に、企業が実際に何を見ているかを押さえます。思い込みで対策すると的を外すからです。

企業が特に期待する能力 割合
課題設定・解決能力 80.1%
論理的思考力 72.1%
創造力 42.6%
傾聴力 35.9%
発信力 35.1%
経団連「採用と大学改革への期待に関するアンケート結果」(2022年1月18日公表)より。資質の側では「主体性」が84.0%で1位

「プログラミングができるか」は上位に入っていません。ここを誤解しないでください。企業が見たいのは課題を決めて解ける力と筋道を立てて考える力です。プログラミングが評価されるのは、それを示す材料になるからです。

IT系資格の一覧と、就活での意味

資格 難易度 勉強時間の目安 就活での意味
ITパスポート 易しい 50〜100時間 用語が通じる。話の入口として有効
基本情報技術者 中 150〜200時間 情報系と同じ土台を示せる
応用情報技術者 やや難 200〜300時間 学生で持っていると目を引く
Python3 エンジニア認定基礎試験 易しい 30〜50時間 文法の確認。実務の証明にはならない
データサイエンティスト検定 中 100時間前後 データ分析職を狙うなら
AWS認定(SAA) 中 100時間前後 インフラ職では実務でも使う
G検定 易しい〜中 50時間前後 AI関連の用語が通じる
TOEIC — — IT業界でも評価される(公式ドキュメントが英語)
勉強時間は独学・初学者の一般的な目安です

いつまでに取るか

選考が始まる前が原則です。面接で「勉強中」と言うのは構いませんが、合否が出ていないものは書類に書けません。

学年 おすすめの動き
1〜2年生 ITパスポート → 基本情報。時間があるうちに土台を作る
3年生の春〜夏 基本情報まで。ここが最後の余裕がある時期
3年生の秋 ITパスポートまで。並行して作るものに時間を回す
3年生の冬以降 資格より作るほうを優先
3年生の冬以降は、資格に使う時間を作品に回したほうが効率的です

3年生の冬以降に資格を目指すのは勧めません。基本情報で150〜200時間かかります。同じ時間を作品に使ったほうが、面接で語れる材料になります。理由はガクチカに資格は弱い?に書きました。

文系におすすめの順番

文系で何も持っていない場合、この順が効率的です。

  1. ITパスポート。用語が分かるようになり、面接で会話が成立する
  2. 作品を1つ作る(←ここが最も重要)
  3. 基本情報技術者。時間があれば。情報系と同じ土台を示せる
  4. 職種が決まったら専門資格(AWS、データサイエンティスト検定など)

2番目を飛ばさないでください。資格を2つ持っていても作品が無い人より、ITパスポート1つと作品1つの人のほうが強いです。詳しくはIT業界は文系でも入れるのかをご覧ください。

理系・情報系の場合

情報系の学生は、授業の内容が基本情報と重なります。3年生までに基本情報か応用情報まで取っておくと、選考で技術の話が早く進みます。

ただし資格だけでは差がつきません。情報系は全員が似た土台を持っているため、作ったものや研究内容で差がつきます。詳しくは情報系の就職をご覧ください。

資格の限界

正直に書きます。資格には示せないものがあります。

示せるもの 示せないもの
継続して勉強できること 課題を自分で決める力
用語を知っていること 正解のない問題への向き合い方
一定の知識量 実際に動くものを作る力
本気度(志望動機の補強) 詰まったときの粘り
右側が企業の見たい部分なので、資格だけでは足りません

テックジムの事例(1件)

私たちは通学型のプログラミング教室を運営しています。受講生の中に、日東駒専と呼ばれる大学群の出身で、メガベンチャーのエンジニア職に就職した方がいます。

これは1件の事例です。確率を示すものではありません。「プログラミングを学べば内定率が何%上がる」という数字を出す記事を見かけますが、そうした統計は公表されていません。この事例が示すのは「大学名以外の材料で戦える場面がある」という一点だけです。

ただ、なぜ通ったのかは説明できます。学生のうちに手を動かして何かを作った経験は、前の章で見た「課題設定・解決能力」と「論理的思考力」をそのまま語れる材料になります。「頑張りました」ではなく「何に詰まって、どう調べて、どう直したか」を話せるからです。

よくある質問

資格は何個あると有利ですか?

数は関係ありません。多すぎると「取れる課題だけ選んでいる」と見られる恐れもあります。1〜2個+作品が現実的な形です。

ITパスポートは意味がないと聞きました

「これだけで評価される」という意味では、その通りです。ただし用語が通じるようになる実利はあります。面接で話が通じないほうが損失です。位置づけはITパスポート試験 完全対策ガイドをご覧ください。

落ちたら書かなくていいですか?

書く必要はありません。ただし面接で落ちた原因を分析して次にどう変えたかを語れるなら、それは材料になります。

資格と TOEIC、どちらを優先すべきですか?

志望職種によります。外資系や海外案件のある企業ならTOEIC、国内のSIerや社内SEならIT系資格のほうが直接的です。

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関連記事

資格をガクチカに使う場合はガクチカに資格は弱い?、文系の就活全体はIT業界は文系でも入れるのかをご覧ください。

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IT資格を活かせる企業

資格を活かせる会社を、求人・資格手当・資格保有者数など公式情報で確かめてまとめた記事です。

まとめ

資格は「あると有利」ですが「取れば受かる」ものではありません。示せるのは継続する力と知識量で、企業が見たい課題設定・解決能力は示せません。

文系ならITパスポート → 作品を1つ → 基本情報の順。2番目を飛ばさないでください。3年生の冬以降なら、資格に使う150〜200時間を作品に回すほうが面接で語れる材料になります。

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