プログラミング写経とは?効果的なやり方と初心者が上達する方法

プログラミングを勉強していると、「プログラミング写経」という学習方法を目にすることがあります。
(「プログラミングの効率学習には写経ではなく神経衰弱で」という記事もあわせてお読みください。)
プログラミング写経とは、参考書やWebサイトなどに掲載されているサンプルコードを見ながら、自分の手でコードを入力して実行する学習方法です。
初心者にとって取り組みやすい一方で、「コードを書き写すだけで本当にプログラミングが上達するの?」と疑問に感じる人もいるでしょう。
結論からいうと、プログラミング写経は初心者の学習方法として有効です。ただし、写経だけを繰り返すのではなく、「写経→実行→修正→変更→自分で書く」という段階に進むことが重要です。
この記事では、プログラミング写経の意味や効果、正しいやり方、初心者が上達するためのポイントを詳しく解説します。
プログラミング写経とは?
プログラミング写経とは、参考書やWebサイトなどに掲載されているサンプルコードを、自分の手で入力して実行する学習方法です。
一般的な写経では、お手本となる文章を書き写します。プログラミングの場合も基本的な考え方は同じです。
ただし、プログラミング写経では、単にコードを書き写すだけではありません。
プログラミング写経の基本的な流れ
- お手本のコードを見る
- 自分でコードを入力する
- プログラムを実行する
- エラーが出たら原因を調べる
- コードを修正する
- もう一度実行する
この繰り返しによって、プログラムの文法や構造、エラーへの対処方法などを身につけていきます。
写経プログラミングは、プログラムの意味を完全に理解してから書くのではなく、まずコードを入力して実行する初学者向けの学習方法として研究された例もあります。
プログラミング写経は意味がある?
結論からいうと、プログラミング初心者にとって写経は意味のある学習方法です。
特に、次のような人に向いています。
- プログラミングを勉強しているがコードを書けない
- 本を読んでも実際のコードが書けない
- 文法は勉強したけれど使い方がわからない
- サンプルコードを見ると理解できるが、自分では書けない
- エラーが出ると何をすればいいかわからない
写経の大きなメリットは、実際にコードを入力してプログラムを動かせることです。
プログラミング学習では、「知っている」と「書ける」の間に大きな差があります。
例えば、次のコードを見てみましょう。
for i in range(5):
print(i)
このコードを見て、「for文を使っている」と説明できるだけでは、まだ十分ではありません。
自分でコードを書いて実行し、
0
1
2
3
4
という結果を確認することで、コードとプログラムの動作の関係を理解しやすくなります。
プログラミング写経で得られる5つの効果
1.プログラミングの文法に慣れる
写経を繰り返すと、プログラミング言語特有の書き方に慣れてきます。
例えばPythonなら、次のような構造を何度も入力することになります。
if 条件:
処理
また、繰り返し処理なら次のようなコードを使います。
for 変数 in データ:
処理
最初は毎回確認していた構文も、繰り返しているうちに見慣れてきます。
これは、プログラミング初心者にとって写経の大きなメリットです。
2.コードを書くことへの抵抗がなくなる
プログラミングを始めたばかりの人は、
「何を書けばいいのかわからない」
という状態になりがちです。
写経なら、お手本があります。
そのため、「ゼロからコードを考えなければならない」というプレッシャーを減らせます。
まずはお手本を見ながらコードを書き、実行してみる。この経験を積むことで、少しずつコードを書くことに慣れていきます。
3.タイプミスやエラーに気づけるようになる
写経では、当然ながら入力ミスが発生します。
例えば、
print("Hello")
というコードを、
print("Hello"
のように入力してしまうことがあります。
するとエラーが発生します。
このとき、
「なぜエラーになったのか?」
を調べること自体がプログラミング学習になります。
写経は、単に文法を覚えるだけでなく、エラーを発見して修正する練習にもなります。
4.コードの構造がわかるようになる
ある程度写経を続けると、
- この処理の前にデータを用意している
- ここで関数を呼び出している
- この部分で結果を表示している
というように、コード全体を見ることができるようになります。
1行ずつではなく、プログラム全体の流れを見る力が身につくのです。
5.「動くプログラム」を作る経験ができる
プログラミング初心者にとって重要なのが、
「自分が入力したコードが実際に動いた」
という経験です。
例えば、次のような簡単なプログラムでも構いません。
name = input("名前を入力してください:")
print(name + "さん、こんにちは!")
これを入力して実行するだけでも、
コードを書く
↓
コンピュータが処理する
↓
結果が表示される
というプログラミングの基本的な流れを体験できます。
プログラミング写経の正しいやり方
写経で重要なのは、ただコードを丸写ししないことです。
おすすめは次の5ステップです。
STEP1:短いサンプルコードを選ぶ
最初から数百行あるプログラムを写経する必要はありません。
初心者なら、10〜30行程度の短いプログラムから始めるのがおすすめです。
例えばPythonなら、次のようなコードでも構いません。
name = "Taro"
for i in range(3):
print(name)
まずはコード全体を把握してから入力してみましょう。
STEP2:コピー&ペーストせず自分で入力する
写経では、できるだけコピー&ペーストを使わず、自分で入力することをおすすめします。
なぜなら、「コードを読める」ことと「コードを入力できる」ことは別だからです。
コピー&ペーストなら、
for i in range(10):
というコードを理解していなくても動かせます。
しかし、自分で入力すると、
- for
- i
- in
- range
- (10)
- :
という構成を意識するようになります。
この違いが重要です。
STEP3:必ず実行する
コードを書いたら、必ず実行します。
ここが普通の「写し書き」とプログラミング写経の大きな違いです。
まで行います。
エラーが出たら、それも学習材料です。
STEP4:エラーを自分で修正する
例えば、
print("Hello)
と入力してエラーになったとします。
お手本と自分のコードを比較して、
「" が足りないのでは?」
と考えます。
そして、
print("Hello")
に修正して再実行します。
この「エラー → 原因を探す → 修正 → 再実行」という経験を積むことが、プログラミング上達につながります。
STEP5:写経したコードを少し変更する
ここが特に重要です。
例えば、
print("Hello")
を写経したら、
print("Good morning")
に変更してみます。
さらに、
name = "Taro"
print("Hello " + name)
のように変更してみます。
このように、「写す」から「変える」へ進むことで、写経の学習効果を高められます。
写経だけではプログラミングが上達しない?
ここは初心者が最も注意したいポイントです。
写経だけを何ヶ月も続けても、自分でプログラムを設計できるようになるとは限りません。
写経には、
- コードの書き方を知る
- 文法に慣れる
- プログラムの構造を見る
- エラーを経験する
というメリットがあります。
一方で、
「何もないところからコードを書く」
練習は別途必要です。
そのため、写経はゴールではなく、自分でコードを書くためのトレーニングとして利用するのがおすすめです。
写経から「自分で書く」ための4段階
①見ながら書く
最初はお手本を見ながら書きます。
お手本 → 自分で入力
まずはこれで構いません。
②見ながら少し変更する
次に、変数や数字、文字などを変更します。
例えば、
price = 1000
を、
price = 1500
に変更します。
③お手本を隠して書く
次は、お手本を一度確認した後、画面を見ずに書いてみます。
完全に思い出せなくても問題ありません。
思い出せなかった部分だけお手本を確認します。
④自分で似たプログラムを作る
最後に、「同じような処理を自分で作ってみる」ところまで進みます。
例えば、
name = input("名前:")
print(name + "さん、こんにちは!")
を写経したなら、「年齢を入力して表示するプログラム」を自分で作ってみます。
ここまで来ると、単なる写経からプログラミングの実践練習に変わります。
プログラミング初心者が写経するときの注意点
意味を理解しないまま大量に写経しない
「とにかく1000行写経しよう」という方法はおすすめしません。
重要なのは量よりも、書いたコードが何をしているのかを少しずつ理解することです。
「なぜこのコードを書くのか?」を考えながら進めましょう。
難しすぎるコードを選ばない
初心者がいきなり、
- AI
- 機械学習
- Webアプリケーション
- 大規模なWebサービス
などの複雑なコードを写経する必要はありません。
わからない部分が多すぎると、挫折しやすくなります。
最初は、「ちょっと簡単すぎるかな?」くらいのコードがおすすめです。
エラーを避けない
エラーが出ると、「失敗した」と思ってしまうかもしれません。
しかし、プログラミング学習では逆です。
エラーが出たときこそ、学習するチャンスです。
写経では、あえて自分でコードを入力することで、タイプミスやエラーを経験できます。
Pythonの写経は初心者にもおすすめ
Pythonを学習している人にも、写経は使いやすい学習方法です。
例えば、次のような簡単なコードから始められます。
numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
for number in numbers:
print(number)
まずはこれを入力して実行します。
次に、
numbers = [10, 20, 30, 40, 50]
に変更します。
さらに、
for number in numbers:
print(number * 2)
のように変更してみます。
このように、写経 → 変更 → 実行を繰り返すと、コードの意味を理解しながら学習できます。
「写経→変更」まで進んだら、次は自分でコードを書く
写経の最終目的は、写経が上手になることではありません。
自分でプログラムを書けるようになることです。
そこでおすすめなのが、次の流れです。
写経
↓
実行
↓
エラー修正
↓
コード変更
↓
お手本を見ずに再現
↓
自分でコードを書く
この流れを繰り返すことで、
「サンプルコードがあれば書ける」
という状態から、
「自分でコードを組み立てられる」
状態へ近づいていきます。
テックジムでは「写経」から一歩進んだ学習を行います
テックジムでは、教材を読んでコードを覚えるだけの学習ではなく、実際にコードを書いて、実行して、エラーを修正するアウトプット中心の学習を重視しています。
プログラミング初心者がつまずきやすいのは、「知識がないこと」だけではありません。
むしろ、
「知っているけれど、自分でコードを書けない」
という問題があります。
そのため、
知識を覚える
↓
コードを書く
↓
実行する
↓
エラーを修正する
↓
自分で書き直す
という経験を繰り返すことが重要です。
写経は、その入口として非常に使いやすい方法です。
ただし、最終的には写経を卒業し、自分でコードを書ける状態を目指しましょう。
テックジムでは、自分の手を動かしながらプログラミングを学ぶ「テックジム方式」の学習を行っています。
プログラミング写経に関するよくある質問
プログラミングの写経は意味がありますか?
はい。特に初心者がプログラミングの文法やコードの構造に慣れるためには有効な方法です。
ただし、写経だけで終わらず、コードを変更したり、お手本を見ずに書いたり、自分でプログラムを作ったりすることが重要です。
プログラミング写経はコピペでもいいですか?
基本的には、自分で入力することをおすすめします。
コピー&ペーストではコードを入力する経験がなくなるため、写経のメリットが小さくなります。
写経は何回やればいいですか?
「○回やれば終わり」という決まりはありません。
同じコードを何度も丸写しするより、
1回写経する → 少し変更する → お手本を隠して書く → 自分で似たコードを書く
というように、徐々に難易度を上げるほうが効果的です。
プログラミング初心者は写経から始めてもいいですか?
はい。
特に「何を書けばいいかわからない」という人には、写経は始めやすい学習方法です。
ただし、完全なプログラミング未経験者の場合は、コードを写すだけでなく、変数・条件分岐・繰り返し・関数などの基本概念も並行して学ぶと理解しやすくなります。
まとめ:プログラミング写経は「自分で書く」ための練習
プログラミング写経は、サンプルコードを自分で入力して実行する学習方法です。
写経には、次のようなメリットがあります。
- プログラミングの文法に慣れる
- コードを書くことに慣れる
- タイプミスやエラーを経験できる
- プログラムの構造を理解できる
- 「コードを書いて動かす」経験ができる
ただし、写経だけを続ければプログラミングが自動的に書けるようになるわけではありません。
重要なのは、
とステップアップすることです。
プログラミング学習では、知識を増やすことだけでなく、自分の手を動かしてコードを書く時間を増やしていきましょう。
テックジムでは、こうした「自分でコードを書いて、動かして、試行錯誤する」ことを重視した学習方式を採用しています。
写経をゴールにするのではなく、写経をきっかけに「自分で書けるプログラマー」へ進んでいきましょう。





