応用情報技術者試験の参考書・テキストの選び方

応用情報技術者試験の参考書選びは、基本情報技術者試験のときとは考え方を変える必要があります。出題範囲が広がるうえ、記述式が加わるためです。

この記事では、特定の書名を挙げる代わりに選ぶための基準を示します。

基本情報のときと何が違うのか

まず前提を確認します。IPAが公表している応用情報技術者試験の構成です。

科目A試験 科目B試験
試験時間 150分 150分
出題形式 多肢選択式(四肢択一) 記述式
出題数 80問 11問
解答数 80問 5問

違いは2点です。

  • 科目Bが記述式になる:選択肢がありません
  • 11問から5問を選ぶ:どの分野で勝負するかを自分で決めます

この2点が、参考書選びの基準を変えます。

基準1:科目B対策が1冊にまとまっているか

記述式は、知識があっても書けなければ得点になりません。参考書を選ぶ際は、科目Bの章に次の要素があるかを確認してください。

  • 解答の作り方が示されているか:問題文のどこを根拠に、何字程度でどう書くか
  • 分野ごとの解き方の違いが説明されているか:セキュリティとプロジェクトマネジメントでは、問われ方が違います
  • 解答例だけで終わっていないか:なぜその表現になるのかの説明が必要です

「解答例が載っているだけ」の本は避けてください。記述式では、答えを見て納得しても、自分では書けないという状態に陥りやすいためです。

基準2:分野の選択について書かれているか

科目Bは11問から5問を選びます。この選択が合否を分けます。

良い参考書は、どの分野を選ぶべきかの判断材料を示しています。

  • 各分野の出題の性質(計算中心か、文章中心か)
  • 実務経験の有無でどう変わるか
  • 本番で問題を見てから選ぶ場合の判断基準

「全分野を万遍なく」という構成の本は、時間が限られた社会人には向きません。絞る前提で書かれているかを確認してください。

基準3:科目Aは網羅性を優先する

科目Bとは逆に、科目Aは範囲の広さが問題になります。80問すべてに解答するため、捨てられる分野がありません。

ここでは網羅性のある1冊を選んでください。辞書的に引ける構成であれば、演習中に分からない用語が出たときにも使えます。

ただし、科目Aの対策時間は科目Bより短くて済みます。知識を問う形式のため、演習量で補えるからです。

基準4:出版年と名称の確認

応用情報技術者試験は、2026年度からCBT方式に移行しました。IPAによれば、従来の「午前試験」が「科目A試験」に、「午後試験」が「科目B試験」に名称変更されています。

ただし重要な点があります。IPAは次のように明記しています。

各試験区分で問う知識・技能の範囲そのものに変更はありません。また、出題形式(多肢選択式・記述式・論述式)、出題数・解答数、採点方式、配点、合格基準も同様に変更はありません

つまり「午前・午後」表記の参考書でも、内容は引き続き有効です。名称を読み替えれば問題ありません。

信じてはいけないのは、申込み方法・試験日程・当日の流れの記述です。ここはCBT方式で大きく変わりました。詳細はIPA試験の「午前・午後」は「科目A・科目B」にと応用情報技術者試験の申し込み方法と試験日で解説しています。

基準5:IPAの公開資料を前提に選ぶ

応用情報技術者試験には、市販の参考書より価値の高い無料の教材があります。過去の採点講評です。

IPAの過去問題ページには、筆記方式で実施されていた年度について問題冊子・配点割合・解答例・採点講評が年度別に公開されています。2009年度分まで遡れます。

採点講評には、出題の意図と、受験者がどこで誤ったかが書かれています。記述式の対策では、これ以上の教材はありません。

また公式によれば、公表されている過去問題の使用に、法令に特別の定めがある場合を除き許諾や使用料は必要ありません。

参考書は知識の整理に使い、記述式の訓練は過去問と採点講評で行う。この分担を前提に選んでください。入手方法はIPA試験の過去問はどこにある?入手方法と使い方で解説しています。

何冊必要か

応用情報技術者試験では、科目A用と科目B用を分けることを勧めます。

基本情報技術者試験では1冊で足りますが、応用情報では求められる対策の性質が科目AとBで大きく異なるためです。

用途 選ぶ基準
科目A 網羅性。辞書的に引ける構成
科目B 解答の作り方の解説。分野の選び方

1冊で両方をまかなう本もありますが、その場合は科目Bの記述が薄くなりがちです。書店で科目Bの章の厚みを確認してください。

買う前に確認すること

  1. 科目Bの解説を1問分読む:解答の根拠が説明されているか
  2. 分野の選び方について書かれているか探す:目次か序章にあるはず
  3. 科目Aの目次を見る:自分が知らない用語がどれだけあるか

3つ目で知らない用語が大半を占める場合、基本情報技術者試験の範囲に戻ることを検討してください。応用情報は基本情報の知識を前提とします。

まとめ

  • 科目Bは記述式。解答の作り方が説明されている本を選ぶ
  • 11問から5問を選ぶため、分野の選び方に言及があるか確認する
  • 科目Aは網羅性を優先する
  • 「午前・午後」表記でも知識の解説は有効
  • 手続きの記述は古い本を信じない
  • 科目Bの訓練はIPAの過去問と採点講評が最良の教材

プログラミング学習に興味がある方は、まずは無料体験会へ

無料体験会・お申し込みはこちら