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2025年10月8日、日本保守党の共同代表を務めていた河村たかし衆議院議員（愛知1区）が離党届を提出し、政界に大きな波紋を呼びました。名古屋を中心に絶大な支持を誇る「選挙モンスター」とも称される河村氏が、なぜ日本保守党を離党することになったのでしょうか。本記事では、離党に至った経緯と理由、そして今後の新党結成の可能性について詳しく解説します。

河村たかし氏のプロフィール

河村たかし氏は1948年生まれ、名古屋市出身の政治家です。一橋大学商学部を卒業後、1993年に日本新党から衆議院議員に初当選。その後、新進党、自由党を経て民主党に合流しました。

2009年には名古屋市長に転身し、市民税10%減税など独自の政策を推進。地域政党「減税日本」を立ち上げ、名古屋市政で大きな影響力を持ち続けました。2024年の衆議院選挙では、日本保守党から出馬して15年ぶりに国政復帰を果たしました。

日本保守党との関係

共同代表就任の経緯

河村氏は2023年、作家の百田尚樹氏が立ち上げた日本保守党の共同代表に就任しました。河村氏が代表を務める「減税日本」と日本保守党は特別友党関係を結び、2024年の衆議院選挙では協力体制を構築していました。

当初の協力関係

日本保守党の設立当初、河村氏と百田氏は名古屋駅前での街頭演説などで共に活動し、減税政策の実現や自民党政治の打破を訴えていました。河村氏は「初めて一緒にやりましょうと言ってくれたのが、日本保守党の皆さん」と期待を寄せていました。

離党に至った5つの理由

1. 百田代表との党運営方針の対立

最も大きな理由は、百田尚樹代表との党運営方針をめぐる根本的な対立でした。河村氏は記者会見で「党運営を巡る百田尚樹代表との関係悪化」を離党理由として挙げ、「我慢を続けたが、信頼関係を築くのは不可能だと判断した」と述べています。

河村氏は全国に政党支部を設立し、党勢拡大を目指すべきだと主張していました。一方、百田氏は集権的な運営を志向しており、河村氏は「集権的で仲の良い人だけで固める考え方だ」と批判しています。

2. 共同代表解任通告

2025年9月、百田氏から河村氏に対して共同代表を事実上解任するという通告がなされました。河村氏はこの解任通告を拒否しましたが、この出来事が離党を決断する大きな転機となりました。

3. 候補者選定での対立

国政選挙における候補者選定でも両者の意見は対立していました。河村氏は「党勢拡大の手法の違いは埋め難かった」と説明し、「自民党政治を打ち破るには数が要る」という考えから、より広範な人材を集めるべきだと主張していました。

4. ペットボトル投げつけ事件

2025年6月、週刊文春の報道によれば、会議中に百田代表から河村氏にペットボトルが投げつけられるという事件が発生していました。河村氏は自身のXで「百田代表からペットボトルを投げつけられたのは事実です。私はウソを絶対、言いません」と認めています。

5. 減税日本との友党関係解消

百田氏側は、河村氏が代表を務める地域政党「減税日本」との「特別友党関係」を解消。これにより、河村氏の政治基盤である減税日本と日本保守党の連携が断たれることになりました。

告訴状の提出

河村氏は2025年10月3日、脅迫容疑などで百田氏に対する告訴状を東京地検に提出しました。この時点で河村氏は「近く報告する。中ぶらりんは良くない。しかるべく決断させていただく」と述べ、離党を強く示唆していました。

離党表明と記者会見

2025年10月8日、河村氏は離党届を提出した後、国会内で記者会見を開きました。会見では以下のような発言がありました。

• 「我慢を続けたが、信頼関係を築くのは不可能だと判断した」
• 「党勢拡大の手法の違いは埋め難かった」
• 「自民党政治を打ち破るには数が要る」

この発言から、河村氏の今後の政治活動の方向性が見えてきます。

新党結成の可能性

河村氏の意向

離党会見で河村氏は、新党設立や他党との連携に含みを持たせました。「ようけ友達がおるので」という名古屋弁を交えた発言で、新党結成に向けた人脈の存在を示唆しています。

また、河村氏は百田氏に対して「保守党を解党、もしくは分党すべき」とする文書を提出していたことも明らかになっています。

「レッツゲットトゥゲザー」の呼びかけ

河村氏は新党結成について「レッツゲットトゥゲザー！」と英語で呼びかけており、離党した他の議員や志を同じくする政治家との連携を目指す姿勢を明確にしています。

政界再編への影響

河村氏の新党構想は、現在の政界再編の動きと無関係ではありません。「自民党政治を打ち破るには数が要る」という発言からは、野党勢力の結集や新たな保守勢力の形成を視野に入れていることがうかがえます。

減税日本との関係

河村氏は地域政党「減税日本」の代表も務めており、この政治基盤を活用した新党結成の可能性があります。ただし、減税日本内部でも日本保守党との連携を河村氏が独断で進めたことへの反発があったため、党内調整が課題となるでしょう。

日本保守党への影響

竹上裕子議員も離党

河村氏の離党と同時期に、日本保守党の竹上裕子衆議院議員も離党届を提出しました。竹上議員は「百田尚樹代表と河村たかし共同代表のいざこざに耐えられなかった」と離党理由を説明しており、党内の対立が他の議員にも影響を及ぼしていることが明らかになりました。

党の分裂状態

河村氏と竹上議員の離党により、日本保守党は事実上の分裂状態に陥っています。党勢拡大を目指していた同党にとって、共同代表の離党は大きな打撃となりました。

河村氏の今後の政治活動

無所属での活動

現在、河村氏は無所属として国会での活動を続けています。衆議院議員としての立場を維持しながら、新党結成に向けた準備を進めているものと見られます。

選挙での強さ

河村氏は「選挙モンスター」と称されるほどの選挙の強さを持っています。1993年の初当選以降、衆議院選挙で5回、名古屋市長選で5回の勝利を収めており、2024年の衆議院選挙でも愛知1区で圧勝しました。この選挙基盤は新党結成の大きな武器となるでしょう。

「総理を狙う男」の野望

河村氏は選挙戦で「総理を狙う男アゲイン75歳」というキャッチフレーズを使用していました。新党結成は、この総理大臣への野望を実現するための布石となる可能性があります。

支持者の反応

SNSでの反応

河村氏の離党と新党結成の動きに対して、SNSでは様々な意見が見られます。

• 「がんばれ河村たかし！」と応援する声
• 「百田さんと河村さんは合わないと思っていた」という予想通りという反応
• 「政党補助金目的に見えてしまう」という批判的な意見

名古屋での支持

河村氏の政治基盤である名古屋では、依然として強固な支持があります。市民税減税などの実績により、地域での人気は高く、新党結成の際も名古屋を拠点とした活動が予想されます。

今後の展望

新党結成のタイミング

河村氏は「ようけ友達がいる」と述べており、新党結成に向けた人脈づくりを進めているとみられます。次期総選挙までに新党を結成し、一定の議席を確保することが目標となるでしょう。

政策の方向性

新党の政策については、河村氏が長年主張してきた以下のような政策が柱となると予想されます。

• 減税政策（市民税・住民税の減税）
• 議員特権の廃止
• 地域主権の推進
• 自民党政治からの転換

連携の可能性

「自民党政治を打ち破るには数が要る」という発言から、他の野党や無所属議員との連携も視野に入れていることがうかがえます。政界再編の動きの中で、河村氏の新党がどのような役割を果たすかが注目されます。

まとめ

河村たかし氏の日本保守党離党は、百田尚樹代表との党運営方針の対立が主な理由でした。共同代表解任通告、候補者選定での意見の相違、さらにはペットボトル投げつけ事件など、様々な確執が積み重なり、最終的に信頼関係の構築は不可能と判断されました。

今後、河村氏は新党結成に向けて動き出すと見られており、「ようけ友達がいる」という発言からも、すでに準備を進めていることが推測されます。75歳という年齢でありながら「総理を狙う男」として政界での存在感を示し続ける河村氏の今後の動向に、多くの注目が集まっています。

日本保守党にとっても、共同代表の離党は大きな転機となりました。党の分裂状態をどう収拾し、党勢を立て直すのか、百田代表の手腕が問われることになります。

河村氏の新党結成が実現するのか、そしてそれが日本の政界にどのような影響を与えるのか、今後の展開から目が離せません。

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最終更新日：2025年11月4日

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