IPA試験の過去問はどこにある?入手方法と使い方
情報処理技術者試験の対策では、過去問演習が中心になります。ところがCBT方式への移行によって、どの試験の過去問が手に入るのかが分かりにくくなりました。
この記事では、IPAの公式発表に基づいて、過去問の入手状況と使い方を整理します。
まず結論:試験区分によって状況が違う
| 試験区分 | 過去問の状況 |
|---|---|
| ITパスポート試験 | 公式サイトで問題・解答例が公開 |
| 情報セキュリティマネジメント試験 | 令和5年度以降の公開問題が掲載 |
| 基本情報技術者試験 | 令和5年度以降の公開問題が掲載 |
| 応用情報技術者試験・高度試験 | 筆記方式で実施された年度分は公開。CBT方式の問題は非公開 |
順に見ていきます。
使用に許諾も使用料も不要
最初に、多くの方が気にする点を確認しておきます。IPAの過去問題ページには次のように記されています。
当機構で公表している過去の試験問題の使用に関し、法令に特別の定めがある場合を除き許諾や使用料は必要ありません。(ダウンロードでのご利用も特に問題ございません。)
個人の学習目的でダウンロードして使うことに問題はありません。ただし公式は「留意点を必ず確認の上、ご使用ください」とも記しており、留意点は試験制度に関するよくある質問の「その他」に掲載されています。
ITパスポート試験の過去問
IPAによれば、ITパスポート試験の問題と解答例は、ITパスポート試験の公式ウェブサイトに掲載されています。
ITパスポートは通年でCBT方式により実施されていますが、問題冊子と解答例が公開されているため、演習の材料には困りません。
基本情報技術者試験・情報セキュリティマネジメント試験の過去問
この2つは「公開問題」という形で掲載されています。公式の記載を確認してください。
令和5年度以降における情報セキュリティマネジメント試験(SG)及び基本情報技術者試験(FE)の問題、解答例は次をご覧ください
そして重要な但し書きがあります。
令和2年度から令和4年度までの情報セキュリティマネジメント試験(SG)及び基本情報技術者試験(FE)の問題は非公開のため、問題、解答例等は掲載していません
令和2年度から令和4年度には空白があります。「過去問を何年分も遡って解く」という進め方は、この2区分では成立しません。
ただし、それ以前の年度については筆記方式で実施されており、問題が公開されています。出題形式は変わっていますが、知識を問う部分の演習には使えます。
応用情報技術者試験・高度試験の過去問
ここが最も注意が必要な部分です。
筆記方式で実施されていた年度については、IPAの過去問題ページに問題冊子・配点割合・解答例・採点講評が年度別に掲載されています。2009年度分まで遡って公開されています。
採点講評まで公開されている点は、記述式の対策で大きな価値があります。何が評価され、受験者がどこで誤りやすいのかが書かれているためです。
一方、CBT方式で実施される分については扱いが違います。IPAの受験案内には次のように記されています。
試験問題は非公開とします。また、第三者に開示(漏洩)することを禁じます
つまり、CBT方式に移行した後の応用情報技術者試験・高度試験・情報処理安全確保支援士試験について、直近の問題を入手することはできません。
それでも過去問が有効な理由
「直近の問題が手に入らないなら、古い過去問は役に立たないのでは」と考える方がいます。しかしIPAは名称変更の案内で、次のように明記しています。
各試験区分で問う知識・技能の範囲そのものに変更はありません。また、出題形式(多肢選択式・記述式・論述式)、出題数・解答数、採点方式、配点、合格基準も同様に変更はありません
問われる中身は変わっていません。筆記方式時代の過去問は、演習材料として引き続き有効です。
変わったのは実施方式と科目の名称です。詳しくはIPA試験の「午前・午後」は「科目A・科目B」にを参照してください。
過去問の使い方
1. 早い段階から解き始める
参考書を読み終えてから過去問に入る、という進め方は効率が良くありません。1つの分野を学んだら、その分野の問題をすぐ解いてください。
過去問は「実力を測る道具」ではなく「覚えるための道具」です。解けなくて当然という前提で取りかかってください。
2. 解説を読む時間を確保する
解いた数より、理解した数が効きます。間違えた問題については、なぜその選択肢が正解なのかだけでなく、他の選択肢がなぜ誤りなのかまで確認してください。
多肢選択式の問題では、誤りの選択肢にも重要な用語が含まれています。1問から4つの知識を得られます。
3. 記述式は採点講評を読む
応用情報技術者試験以上の記述式では、解答例を写して終わりにしないでください。公開されている採点講評には、出題の意図と受験者が誤りやすい点が書かれています。
ここを読むかどうかで、記述式の伸びが変わります。
4. 同じ問題を繰り返す
新しい問題を追い続けるより、一度間違えた問題を確実にできるようにするほうが効果があります。目安として、間違えた問題は最低3回は解き直してください。
5. 画面上で解く練習をする
CBT方式では紙に書き込めません。公式によれば、試験室に持ち込めるのは配布されるメモ用紙1枚と筆記用具で、自分で用意したものは持ち込めません。
印刷した問題に書き込みながら解く練習だけでは、当日の環境と差が出ます。受験が近づいたら、画面上で解く練習も取り入れてください。当日の流れはIPA試験のCBT方式とは?当日の流れと持ち込めるもので解説しています。
何年分を解くべきか
区分によって入手できる量が違うため、一律の目安は置けません。考え方としては次のとおりです。
- 基本情報・情報セキュリティマネジメント:公開問題を一通り、加えて筆記方式時代の分を必要に応じて
- 応用情報・高度試験:筆記方式時代の分が豊富にある。直近から遡って進める
- ITパスポート:公開されている分を繰り返す
量より回数です。10年分を1回ずつ解くより、3年分を3回解くほうが得点は安定します。
まとめ
- 公表されている過去問の使用に許諾や使用料は不要
- ITパスポートは公式サイトに問題・解答例が掲載
- 基本情報と情報セキュリティマネジメントは令和5年度以降の公開問題がある
- 令和2年度から令和4年度のこの2区分は非公開
- 応用情報・高度試験は筆記方式時代の分が2009年度まで公開
- CBT方式で実施される分の問題は非公開
- 問われる知識の範囲は変わっていないため、古い過去問も有効

