中国の大規模デモが増加中|2025年最新状況と歴史的背景を徹底解説

はじめに:中国で何が起きているのか

中国では2024年7〜9月の抗議活動が937件と前年同期比27%増加しており、雇用や住宅・不動産を巡る抗議が全体の7割を占めています。経済停滞を背景に、市民の不満が表面化している状況が続いています。

本記事では、中国で発生している大規模デモの実態、増加の背景、そして歴史的な抗議活動について詳しく解説します。

2025年の主要な抗議活動

四川省江油市のいじめ抗議デモ(2025年8月)

2025年8月、四川省綿陽市江油市で数千人規模の群衆抗議運動が発生しました。きっかけは14歳女子中学生への集団いじめ動画で、市当局の対応が軽すぎるとして市民の怒りが噴出し、「小六四(小さな天安門事件)」と呼ばれるほどの激しい官民衝突に発展しました。

この事件では、警官隊による鎮圧が行われ、多くの市民が拘束されたとの情報があります。治安当局の対応に市民から疑問の声が上がっています。

デモ増加の主な背景

経済問題が最大の要因

2024年4〜6月期に記録された抗議件数は前年同期比18%増加し、44%が労働に関連、21%は不満を抱いている住宅所有者によるものでした。具体的には以下のような問題が抗議の引き金となっています。

  • 住宅プロジェクトの停滞
  • 企業の突然の閉鎖や流動性不足
  • 賃金の不払い
  • 地方政府による退職給付金の支払い不足

不動産危機と生活水準の低下

約40年にわたる生活水準上昇に失速の兆しが見られる中、国民は経済の停滞と自信喪失に見舞われています。不動産危機、米国との貿易戦争、習指導部による民間企業締め付けなどが成長の重しとなっています。

歴史的な大規模デモ

白紙運動(2022年)

新型コロナウイルス感染症パンデミックの発生から約3年経った2022年、中国各地で抗議活動が勃発しました。北京、上海、新疆ウイグル自治区ウルムチ、広州、武漢、成都など多くの都市で、何百人もの人々が街頭に出て、厳しいパンデミック政策を撤回するよう政府に要求しました。

この「白紙運動」は、一部が習近平国家主席の退陣を要求する異例の事態に発展し、当局は参加者らを拘束しました。おそらくこの数十年で最大規模の草の根の抗議活動となりました。

天安門事件(1989年)

1989年、中国・北京で民主化を求める学生、市民らの非暴力のデモを当局が武力で弾圧した天安門事件が発生しました。この事件は現在も中国政府にとって敏感なトピックであり、国内では厳しい情報統制が続いています。

反日デモ(2012年)

2012年9月の尖閣諸島国有化で激しい反日デモが発生し、若者たちは「日本製品不買運動」を呼びかけて、日系企業の工場や販売店などを破壊しました。この事件が後の「中国製造2025」という国家戦略のきっかけになったとも言われています。

中国政府の対応と監視システム

厳格な監視と抑圧

中国共産党の習近平総書記の下で強化された監視とインターネット規制によって抗議行動は抑え込まれ、デモは小規模で広がらないことが多く、デモ参加者が習主席に怒りを向けることはほとんどありません。

抗議活動の参加者に対し、中国の準備万全な国家監視システムが容易に展開できます。北京の抗議活動の参加者が、健康コードデータが使われているのではないかと疑い、上海では警察が人々の携帯電話をチェックしているとの報告もあります。

外国の干渉という描写

中国の親政府系インフルエンサーの中には、反習近平のスローガンを際立たせて、他国の勢力が「カラー革命」を推進していると主張する人もいます。抗議者を他国の勢力として中傷することは、昔から中国の情報統制で常用されてきた手段です。

今後の展望

経済的繁栄と政治的服従のトレードオフ

ここ数十年、中国共産党は本質的に、経済的繁栄と引き換えに、国民が一党独裁の権威主義に服従することを要求してきました。成長鈍化の影響がより多くの市民に及ぶにつれ、このトレードオフが損なわれる可能性があります。

散発的だが継続的な抗議

現状では、抗議活動は散発的で、2022年のロックダウンに対する抗議活動の激しさや広がりのレベルには遠く及びません。しかし、経済問題を背景とした小規模な抗議は継続的に発生しており、今後の動向が注目されます。

まとめ

中国における大規模デモは、主に経済問題を背景に増加傾向にあります。雇用不安、住宅問題、賃金未払いなど、市民の生活に直結する問題が抗議の主な原因となっています。

政府は厳格な監視システムと情報統制によって抗議活動を抑え込んでいますが、経済成長の鈍化に伴い、「経済的繁栄と政治的服従の交換」という従来の社会契約が揺らぎつつあります。

今後、中国政府がどのように経済問題に対処し、市民の不満にどう応えるかが、社会の安定を左右する重要な要素となるでしょう。


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