クラブ通いするためにフリーランスに。年200日は踊ってました。|雑食系エンジニアサロン運営(勝又健太)

エンジニア系YouTuberの先駆者で、登録者5万超のチャンネル「雑食系エンジニアTV」を配信し、会員数2000名以上のエンジニア向け会員制オンラインサロン「雑食系エンジニアサロン」を運営している勝又健太さんと対談してきました。

勝又健太氏のプロフィール

クラウドアーキテクチャ設計、クラウドインフラ構築管理、基盤コード開発、DevOps|MLOpsが専門の雑食系エンジニア。
プログラミング初学者の方や駆け出しエンジニアの方、そしてエンジニアとしてキャリアを「ハック」していきたい方たち向けの情報を発信。


雑食系エンジニアサロン


2019年3月にオープンした「雑食系エンジニアサロン」は、エンジニアが「技術資産」「人的資産」「錯覚資産」「信用資産」を効率よく増やし、キャリアをハックしていくための様々な情報や知見をお互いにシェアすることを目的とする、会員制のサロン。


https://kentakatsumata.net/archives/10

勝又語録

「エンジニアは一年以内に現場を変えた方がいい」
「サービスの成長よりエンジニアの成長の方が早い」
「メガベンチャーは優秀なエンジニアをまとめる異業種交流会」
「技術面だけ考えると正社員にこだわりいらない」
「人脈は人生最強のチート手段」
「今は駆け出しでも3年後にすごくなる人が必ずいる」
「技術に尖ったスーパーエンジニアで性格が良い人はほんとに少なく何かを犠牲にしている」
「モダンな技術の幅広さは自分の他にいないと思っている。深くはないがキラキラ技術を知っている。」
「最も尊敬する経営者は、ワークスアプリケーションズの牧野さん。」
「今は自分の事業の売り上げ、サロンの参加者の数字が趣味」


●クラブ通いするためにフリーランスに。年200日は踊ってました。|雑食系エンジニアサロン運営(勝又健太)


参考)

●EDM

エレクトロニック・ダンス・ミュージック(Electronic dance music)とは、シンセサイザーやシーケンサーを用い、主にクラブないしは音楽を中心に据えるエンターテインメントの場において、その場の人々を踊らせるという目的の元作られたダンスミュージックのことである。(Wikipedia)


●増井雄一郎氏
2008年渡米し、世界的エンジニア・中島聡氏とアプリ開発会社を起業。Appcelerator社のエバンジェリストなどを経て、2013年に中村仁氏とともにトレタ設立に参加。同社CTOを務める傍らブログや講演などでも活躍し、「IT芸人」の異名を持つ。趣味は20代の頃から続けるクラブ通い。

スクラッチやマイクラが悪いわけではない。キッズ向けプログラミング教室の教え方の問題点。

先日、エドモンドプログラミングスクール四条烏丸校のスペースをお借りして、Python講座を開催した。

その後に、エドモンド創業者と懇親会にて色々とお話を聞くことができた。

まず我々の勘違いとして、スクラッチやマイクラで出来ることはとてつもなく広いということである。
「プログラミング言語によってなんでも作れる」のと同じである。
ここに、ノーコードにおける問題と同じようなものを感じた。

「スクラッチはやれることが多すぎる」とすら言っていたのも印象的だった。

エドモンドではマイクラでプログラミング学習をする。
マイクラは子供たちにとって絶大な人気があるので、マイクラを選んだのは必然だった。

ただ、マイクラの環境を作るのが大変であるということと、教える方の大人が3D酔いをすることから、スクラッチを採用している教室が多いのだろうということだった。

そして、今回の結論である問題点は、「This is a pen」から始める英語教育のようなところにあるということだった。
エドモンドでは、いきなりリッチな3D空間でクエストゲームをやらせる。

ゲーム性があると、スキルの壁を打ち破ることがある。
それは、スポーツでも音楽も同じ。
テックジム的なアプローチでもある。

キッズ向けプログラミング教室というと、すでに市場は飽和している中で、エドモンドが参入した理由がわかった。
アカデミックなノリだとそこで脱落してしまうので、より多くの人に楽しんで欲しい。
そのためにゲーム性を取り入れたということだった。

我々も転職向けプログラミングスクールが飽和状態にもかかわらず参入した理由と似ている。
両者は、そもそも実践的アプローチで、万人を対象としている。

キッズ向けのビジュアルプログラミングは、その世界でなんでも作れるが、その手数が肥大になるので、いずれ彼らはテキストコーディングを選ぶという。

ノーコードもなんでも作れるが、やっぱりテキストコーディングの方が早いというオチがある。
素人にとって飛びつきやすいが、結局、初歩的なところでやめてしまう。
ビジュアルプログラミングは、できることが多いのに、そこまで辿り着く人は少ないし、熟達した人はテキストコーディングを選ぶようになる。

そこで、本来のターゲットがどこなのかという問題にぶちあたる。
スクラッチ教室は、「プログラミングができない大人でも教えられますよ」という売り文句でFC展開をしている。
それでは、プログラミングの本当の楽しさまで教えることができない。

エドモンドのようなアプローチが出てきて、今後、キッズ向けプログラミングの業界がどう変化していくのか楽しみである。
子供たちのテキストコーディングの需要が増えてきたらいいなと思う。

Python講座では、参加者から貴重な意見を聞くことができた。

色々なスクールの体験会に参加して気づいたことは、営業がうまいスクールが繁盛していて、そういうところに限って、学習内容が薄っぺらいという。
「とことん寄り添います」という姿勢を見せつけて、いざ入ると当然限界があり、そこがクレームに繋がっているそうだ。

テックジム方式については、外国人との会話で外国語を話せるようになるのと同じで、コンピュータとの対話をひたすら続けることが重要である。

そのためには授業ではなく、自習形式でコーディング時間を確保すること。
このことが素人には伝わりにくいので、きちんと説明したほうがいいとのことだった。

また、人とのコミュニケーションにもプログラミング学習が役に立つというのも、新しい気づきだったようだった。

テックジムのアンケート調査では、プログラミング学習の目的を「趣味」または「教養」と答えた方が全体の3割だった。

画像

今回の京都、滋賀、静岡でのPython講座では、参加者全員がそういう方たちだった。

いずれは、英会話教室と同じくらいまでの市場規模になるだろうと確信した旅だった。

「就職に有利」と思ってプログラミング学習を始める学生は、逆説的に不利な人生を送ることになる。

もし、プログラミング学習が「就活に有利」なのであれば、
麻雀狂いでも、競馬狂いでも、ナンパ狂いでも、
「就活に有利だ」ということになる。

どんな経験も何かしらのビジネスに役立つことはある。
(事実、藤田晋さんの胆力は麻雀で培われたものであろう)
ただそれは、きちんと向き合ってやり遂げていればの話である。

「〇〇すれば就活に有利」というレッテル的な考え方をする人は、
「学歴が就活に有利」ということを暗に認めていることになる。
たとえ、彼が〇〇をしたとしても、上の学歴の者との戦いは不利に動く。

逆に、「有利不利とか関係ねえ。何がなんでも俺はこの仕事につくんだ」と考える人は、その気迫が発揮され思考は現実化する。

いまこうして、プログラミングスクール運営者の私が「就職に有利」という「決め台詞」を自ら封じ込めるような記事を書いている訳だが、
そのきっかけは、「せきえもん」のYoutube動画である。

「就活のためにインターンをしたいという人には来てほしくない」と語っている。

「就活のため」という目的で入ってくる学生インターンで「痛い想い」をしている経営者や社員は意外に多いのかもしれない。
「ボランティアで学生を教えているんじゃねえ」と怒っている声が聞こえてくるようである。

実際、うちのスクールでも「就職に有利だから」という理由で入ってくる学生はすぐに脱落する傾向がある。
そのモチベーションだと動機が弱いのである。

先述したように就活に有利な手段は数多とある。人は「やらない理由」を見つけるものである。
ちょっと壁にぶちあたっただけで「プログラミングの他にもやるべきものがある」という理由をつけてしまう。

そして、人は「不安」を趣味にする生物だ。
とにかく不安がって、人を出し抜ける楽なものを追いやすい。
でも楽なもんなんかない。だから続かない。

では、どういう人がやり続けているのかというと、「なんとなく面白うそう」という学生である。
こういう学生たちは、プログラミングに面白さを見出そうとしているので、やっぱり面白くなる。

面白くなるから、プログラミングバイトをはじめる。
学生時代に数年の経験をしてしまえば、「就職」はお釣りのようなものだ。

そのままフリーランスエンジニアになる者もいれば、起業する者もいる。
スタートアップの起業家に誘われて幹部になる者もいる。

彼らは結果的に「就活」をしないことが多い。
仕事で知り合った大人たちが何かしらの縁をくれるから、
いわゆる「就職活動」をしなくても仕事につけるからだ。

こういう学生たちをたくさん見てきているので、
「プログラミングは就活に有利ですか?」と聞かれたとき
「そういう目的だとあんまり意味ないですね」と答えるようにしている。

学生時代にプログラミングの職務経験を積めば、就職以外のオプションが増える。
それがプログラミング学習にとどまれば、麻雀やパチンコと変わらない。
エントリーシートの趣味欄に加えられるだけである。

「就職に有利か不利か」を考えて行動を判断する学生生活よりも、
目の前にある面白いことに、廃人になるくらいどっぷり浸かった方が、
悔いの無い学生生活になるはずである。

その目の前にある面白いことが「プログラミング」であったら嬉しい。
そういう学生さんたちと、一緒に仕事をするのがやっぱり楽しいのである。

【学生・プログラミング】2022年度インターンシップ。4次募集のお知らせ【テックジム東京本校・学生プログラマー募集】